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【このクルマなんぼ?】日本でも大人気だった5シリーズ 絶滅危惧車のワンオーナーBMW 535i(E34)の125万円って価格はお買い得?

2022年8月17日

このBMW 5シリーズはほとんど新車のようで、全く改造されていない。現在eBayに出品されているのは、一見すると、ほとんど新品同様のE34型BMW535iだ。211馬力のセダンは、すでに憧れのHナンバーも取得している。

BMWは、エンジン、トランスミッション、シャシーの相互作用に特別な感覚を持っている。これに「BMW 5シリーズ」に搭載された直列6気筒が加われば、ダイナミックなドライバーの幸福は完璧なものとなる。そのころのBMWが「3シリーズ」、「5シリーズ」、そして「7シリーズ」で仕立てたスタイリッシュな洋服は、格別なものだ。

「5シリーズ(E34)」は、その意味で特に成功したBMWであると目利きは考えている。そして、現在eBayで売りに出されているのは、まさにそんなクルマなのである。正確には、出品車はエステートの「535i(ブラック)」だ。特に魅力的なのは、すでにHライセンスプレート(クラシックカー用ナンバー)を取得していることだ。価格は8,999ユーロ(約125万円)と一応設定されている。

シートの写真は、この車がよく整備された状態であることを裏付けている。

今回出品されたBMW 5シリーズは、ワンオーナーものだ

まず、アイキャッチとなるのは、クルマの写真だ。とても状態が良く、ほぼ新車同様で、特筆すべきダメージや使用感もないようなクルマを見せてくれる。これは当然、外装だけでなく内装にも言えることだ。例えば、運転席のシートは非常に丁寧に扱われている印象で、シート頬の部分にも擦れや破れはない。

わかりにくいが、クラシックカーの愛好家が喜ぶ、保護シール付きのきれいなドアの入り口。とても素晴らしい。

このBMWは遺品で、たった一人のオーナーによって長年愛用されたと伝えられている。BMWバイエルンC2純正ラジオが装着されたままだ。タイヤとバッテリーは新品だ。エンジンも他のテクノロジーも完璧に動作する。2020年4月には、憧れのHナンバープレートを取得した。2年経過したBMWは乾燥しているため、オイルフィルター交換を伴う点検が必要だ。

第一印象が良くても、賢い人は当然、ディーラー点検でよく車をチェックする。

E34の購入検討者がよく見るべきポイントはここだ

どの中古車にも言えることだが、出品されているBMWに熱狂している人は、よく見てから購入するのが一番だということは言うまでもない。それは、規格から始まる。オーナーは何人いたのか? すべての整備記録はあるのか? 整備工場の請求書は、そのクルマがどのような手入れを受けてきたかを証明するものだ。近くで見ると、どんな印象のクルマなのか、などなど。

そして、試乗だ。特にさまざまなノイズにも注意すべきだ。「E34」のフロントアクスルのボールジョイントとゴムブッシュは、ボロボロになることがある。しかし、これは深刻な問題ではなく、解決できることだ。ただし、経費がかかるということで、価格交渉の際に折衝することができる。

「E34」の弱点は出品車にも影響する可能性がある。オートマチックトランスミッションの信頼性は悪いと言われている。メンテナンスの履歴、シフトチェンジのスムーズさは?さらにきちんと走行距離を確認する時には様々な資料の助けを借りて確認すべきだ。「E34」のオドメーターは修正も可能だからだ。

【ABJのコメント】
BMWらしいBMWといえば、やはりこのE34が新車として発売されていた頃かなぁ、と、50代後半の私はついつい感じてしまう。まあ人によってその受け止め方は様々ではあるが、BMWのラインナップが「3」と「5」と「6」と「7」だけだった頃のBMWが僕にとっての懐メロなわけで、そういう意味ではこの「E34」の「5シリーズ」、ぼくの好みの「5シリーズBMW」である。

「535」ということは、シルキーシックス(なつかしい)のエンジンで、言うまでもなくハイブリッドシステムだなんだという複雑なシステムを持たない、純粋な内燃機関の6気筒エンジンである。またなんとも懐かしいのはこのファブリック生地の内装で、この素材が当時のBMWの主流の生地だった。今やどのBMWもレザーシートばかりになってしまったが、本来こういうふんわりとした繊細なかけ心地の生地のシートは心地よいもので、この生地のシートに座って、運転手側に傾いたセンターコンソールやアンバーに照明されるメーターパネルを見ると、これこそBMWという気持ちは高まろう。ワンオーナーで125万円はたしかにちょっとひかれるが、ネオクラシックの領域の車だからメンテナンスパーツや交換パーツはそろそろ入手困難時期になってきていることも事実。安いからと言って飛びつかず、やはりそれなりの覚悟を持って対峙するべきではあろう。(KO)

Text: Lars Hänsch-Petersen
加筆: 大林晃平
Photo: Ebay.de/rs…2600