【初テスト】新型アルピナB4グランクーペに初試乗 全ての情報とそのドライビングレポート
2022年8月8日
特に特別なBMW。アルピナとして斬新であり、パワーもこれまで以上にパワフルである。新型アルピナB4グランクーペは愛好家を喜ばせるに違いない。初走行レポート!
より高価で、より強く、より繊細で、つまりは優れた自動車?一言で言えば、この一台は「そうなんです!」。アルピナスタイルで生まれ変わった「BMW 4シリーズ グランクーペ」は、まさに夢のようなクルマだ。オリジナルより高価で、より良く、より洗練されている。
アルピナは、これまで大型の「グランクーペ(8シリーズ)」などをラインナップしていた高速BMWのスペシャリストであるが、4シリーズ・グランクーペのスペシャルモデルはアルピナにとっても全く新しい試みとなる。2022年7月には、アルピナB4がデリバリーされる。我々はその前に最初のドライビングテストをすることができた。
アルピナ全モデルの技術データは、基本的にエキサイティングなドライビングエクスペリエンスを約束する。それに伴い、「アルピナB4 GC」は、最高速度301km/hで走行する。また、クーペは3.7秒で0から100km/hに達するという驚くべきスピードで加速する。
アルピナB4グランクーペ、レザーとラグジュアリー感をさらにアップ
4ドアハッチバックは、基本的に「M3」のエンジンを搭載している。そのため、アルピナは、サスペンションの調整、ドライビングコントロールプログラムの微調整、ボディワークのブラッシングによる張り出し、レザーとラグジュアリーの注ぎ込み、20インチの高級ホイール(ピレリ社製のこのクルマ専用P-Zeroタイヤ)の追加を入念に行った。
アルピナは、直列6気筒から495馬力を引き出し、ツインターボチャージャーが素晴らしく弾力的なトルク出力を支えている。最終的に730ニュートンメーターが全輪駆動に供給され、アルピナはフロントよりもリアアクスルに多くのパワーを流すことも可能にしている。
サーキットでの高速走行では、エンジン、ギアボックス、そしてB4の貪欲なグリップの相性の良さをすぐに実感することができた。
アルピナらしさ: 繊細なファインチューニングを施したコンポーネント
エンジンはスムーズかつ均一に立ち上がり、ターボガソリンエンジンはさらに高い回転数を軽快に受け止め、4ドア車はカーブから素晴らしいトラクションで押し出し、側面でしっかりと支えてくれる。
価格は高いが、決定的な違い
ロングカーブで微妙なアンダーステアからアクセルペダルで4シリーズを一直線にすることは、単純にアクティブな快感だ。これほどまでに気高く、洗練され、絶対的な高水準の装備を備え、十分なパワーとアクティブな走りを実現したクルマは、他にほとんどないだろう。「B4 GC」はまさに特別なものだ。
テクニカルデータ: アルピナB4グランクーペ
• エンジン: 直列6気筒、ツインターボ、フロント縦置き
• 排気量: 2993cc
• 最高出力: 495PS@5000rpm
• 最大トルク: 730Nm@2500rpm
• 駆動方式: 全輪駆動/8速オートマチック
• 全長/全幅/全高: 4792/2073/1440mm
• 乾燥重量: 1,965kg
• トランク容量: 470~1290リットル
• 0-100 km/h加速: 3.7秒
• 最高速度: 301km/h
• 平均燃費: 1リットル当たり9.9km
• CO2排出量: 229g/km
• 価格: 91,800ユーロ(約1,285万円)より
結論:
カジュアル、静か、マイペース – それがアルピナの印象的な方程式だ。専用タイヤとのマッチングも、完璧に仕上がっている。
【ABJのコメント】
この春に発表された「アルピナとBMWの関係」の衝撃的なニュースの直後に発表されたのが、この「B4グランクーペ」だった。なにしろ、あまりに衝撃的なニュースだったため、この車に関しても、「もうこんなコスメティックスなアルピナが出てきちゃたのか」とがっかりしたのだが、そんな短時間で簡単に新型車が作れるはずもなく、おそらく数年前からずっと準備されていたふたつの案件が、たまたま同じ時期に発表された、と考え直すことにした。
まあ昨今のアルピナのラインナップの中には、より大きな「グランクーペ」ベースのものや、今や主流になっているといわれるSUVアルピナも多数あるわけで、その流れの一台と理解すればいいのかもしれない(と、まだ今でも自分に言い聞かせてはいるのだが)。今回のAUTO BILDのレポートを読む限りでは、その成り立ちやアピアランスはともかくとして、乗ってみればホンモノのアルピナらしい一台らしい。個人的にはそれでもやっぱり、「B4グランクーペ」ならば「B3セダン」を選びたい、という気持ちは強いものの、2026年までの限定のホンモノのアルピナであることは間違いなさそうである。2026年まで4年。その間にどんな発表がアルピナ(とBMW)からされるのか、アルピナファンとしては目が離せない。買えないけれども・・・。(KO)
Text: Jan Horn
加筆: 大林晃平
Photo: Alpina