【初テスト】フェイスリフトされて新鮮になった新型トヨタ カローラは足回りのファインチューニングでよくできたクルマになった
2022年8月3日
どこもかしこもちょっと新鮮: トヨタ、カローラがマイナーチェンジされた。トヨタは新モデルイヤーで、カローラの外装と内装をモダンにした。我々は日本車のベストセラーをテストした。
世界的なベストセラーにも注目は必要だ。そこでトヨタは、カローラ(1966年以来、世界で4,750万台販売)を、全面的にモデルチェンジさせることにした。フロントには、新しいライトグラフィックスを採用したLEDヘッドライト、シャープになったラジエーターグリルなど、外装には多くの工夫が凝らされている。写真は一部偽装のついたもの。
リアでは、リアディフューザーが目を引く。たとえトヨタがテスト車両を軽いカモフラージュフィルムで飾っていたとしても、だ。また、新しい塗装色も3色ある。ジュニパーブルー(写真)、ミッドナイトティールグリーン、そして定番のメタリックグレーの3種類だ。ノーマル「カローラ」のデザインがスポーティなGRバージョンをベースにしただけでなく、パワートレインも4気筒ハイブリッド2種が大きくグレードアップされ改善された。
カローラの両ハイブリッドがパワーアップ
2リッターのフルハイブリッドは184馬力から196馬力に、小型の1.8リッターは122馬力から140馬力に、それぞれ若干のパワーアップが図られている。これにより、0から時速100kmまでを先代モデルよりも1.7秒速い9.2秒で駆け抜け、機敏さも明らかに向上している。平均燃費は1リットル当たり22.2kmとされているが、テスト終了時のデジタル燃費表示は17.5kmを示していた。
足回りのチューニングが行き届いている
「カローラ」のステアリングとサスペンションはきれいに機能し、シャシーはでこぼこの石畳のセクションさえもマスターすることができる。ハイブリッド車には、必ず無段変速機(CVT)が組み合わされる。良い点としては、エンジンの減衰力が高く、パワー要求が高いときでもエンジン回転を上げてイライラすることがあまりないことだ。
【車両データ】
モデル | トヨタ カローラ1.8ハイブリッド ツーリングスポーツ |
エンジン | 4気筒(98PS) |
排気量 | 1798cc |
システム最高出力 | 140PS |
最大トルク | 142Nm@3600rpm+185Nm |
駆動方式 | 前輪駆動、無段変速機 |
全長/全幅/全高 | 4650/1790/1460mm |
0-100km/h加速 | 9.2秒 |
最高速度 | 180km/h |
平均燃費 | 22.2km/ℓ |
CO2排出量 | 102g/km |
価格 | 28,750ユーロ(約402万円) |
室内、主にインスツルメンツパネルには、ところどころに硬質なプラスチックが感じられるものの、それが気にならないほどきれいに仕上がっている。高解像度で簡単操作の10.5インチインフォテイメントとフルデジタルメーター(12.3インチ)を新たに採用している。今回のアップデートで、「カローラ」は文字通り新しいモデルイヤーに対応したことになる。
ドライブレポート: トヨタカローラ(2023)
結論:
この新型の「トヨタ カローラ」は2022年秋から注文を受け付ける予定だが、トヨタはまだ価格を明らかにしていない。おそらく29,000ユーロ(約406万円)前後にとどまるだろう。
AUTO BILDテストスコア: 2
【ABJのコメント】
マイナーチェンジされた「カローラ フィールダー」、とはいっても正直どこがマイナーチェンジされたのか「カローラ エンスージャスト」ではないため内装・外装とも明確には判別できないのだが、おそらくマイナーチェンジの主眼点は「見える」部分ではなく、もっと内側の見えない部分なのではないだろうかと推測される。
おそらくハイブリッドシステムは日に日に改良され、その効率を上げていっているものと思われるが、そういう見えない部分での開発も怠らないところがトヨタのトヨタたるゆえんなのではないだろうか。
そしてそういったハイブリッドモデルの一方で、「カローラ」には話題になっているGRのようなモデルも用意されるし、「カローラ クロス(こういう派生車種もカローラとひとまとめにすることが正しいかどうかは別として)」も、水素でレースに出ている「カローラ」もいる。全方位的に「カローラ」を進化させていく、そんな方策もこれまたトヨタらしいし、その発展形が今回発表された「クラウン」に結び付くような気がしてならない。(KO)
Text: Jan-Menno Gebhardt
加筆: 大林晃平
Photo: Toyota