【チューニング特集その4】MTMビモートのチューニングした1020馬力アウディTT そのワイルドでアグレッシブな走りとは?

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アウディTTエンジン2基で1,020馬力を達成: ナルドサーキットで最高速の記録を追う。我々の高速テストでも、MTMビモートは最速の中の最速を誇っている!

「AUTO BILD SPORTSCARS」誌の20年間で、先見性のある大胆さと完璧な技術、そして狂気を兼ね備えたクルマがあるとすれば、それはビモートだろう。

チューナー、MTMの創設者ローランド メイヤーは、当時低迷していた「アウディTT」のイメージアップも兼ねて、「アウディTT」をベースにした記録更新車を開発することを思いついたのだ。2002年に最初の「ビモート」が完成し、数回の開発段階を経て、2007年にナルドサーキットで開催された「アウトビルト スポーツカーズ コンチネンタル ハイスピードイベント」に出場したモンスターだ。

MTMのチューニングを除けば、これが初代アウディTTクーペのエンジンルームの姿だ。

当時の目標は、時速400kmを突破すること。アウディの風洞実験での測定と計算が示したものだ。2基のTTエンジンによる1,020馬力と、改良されたエアロダイナミクスにより、420km/hが可能なはずだった。

目標: ナルドサーキットでのトラックレコードを更新すること

このように、想像力と技術力のある調律師による、当初は「無茶な」プロジェクトが、突然注目を集める可能性が出てきたのである。2007年のナルドサーキットのコースレコードは403.978km/hだった。

フロントとリアに搭載された2基のエンジンは独立していて、ビモートには2つのレブカウンターと2つのスタートボタンがあった。

記録更新は期待された。それは、外気温が非常に低く、ターボにとって理想的なコンディションだったからだ。序盤はイタリア製のブーツのかかとが凍ってしまうほどだった。武者震いするような「ビモート」も、技術的な問題を起こすことなく、好調に走行していた。

最後は390.6km/hで終了

結局、突風がフィン状のスポイラーに巻き込まれて、刺激と横方向の力が加わり、テストドライバー、フロリアン グルーバーは、記録への挑戦を断念せざるを得なかった。時速390.6kmで!

空中演技はしない。巨大なフィンが矢のようにまっすぐ走るビモートを、シュノーケルがリアエンジンを呼吸させる。

それでも、390.6km/hは、現在に至るまで、ナルドサーキット開催された「アウトビルト スポーツカーズ」の高速イベントにおいて、史上最高値の走行記録だ。そして、おそらくこれからもずっとそうであり続けるだろう。

技術データ: MTMビモート
エンジン: 直列4気筒ターボ×2基、リアセンター前後、横置き
排気量: 1796cc×2
最高出力: 510PS@8250rpm×2
最大トルク: 518 Nm@6300ropm×2
駆動方式: 全輪駆動、6速マニュアル
全長/全幅/全高: 4041/1764/1346mm
乾燥重量: 1,490kg
0-100 km/h加速: 3.1秒
最高速度: 400km/h
価格: 約60万ユーロ(約8,400万円=2007年当時)

Text: Ralf Kund
Photo: MTM