【レストモッド】続報「プロドライブ P25」伝説の名車スバル インプレッサ22B STIが帰って来る!
2022年7月12日
伝説のスバル インプレッサ 22B STIがレストモッドとして帰ってきた。ブルーペイント、ゴールドリム。400馬力を超えるエンジンを搭載して、25台のみ生産される。
すでにお伝えしたとおり、またグッドウッドで実際に走行したところの動画をご覧の方もいるだろうが、伝説の22B STIがレストモッドとして正式に復刻されることになった。このプロジェクトを担当したのは、1990年代にスバルのラリーカーを開発・製造したプロドライブ社だ。
レストモッドにはすでに「プロドライブP25」という名前がついている。この数字は、25年前のスバルのWRC初優勝を思い起こさせるだけでなく、英バンベリーで最大25台の「P25」を手作業で製造するため、その限界を示すものでもある。
オリジナルはわずか424台しか製造されなかった
デザインは、プロドライブの初代WRCカーのデザインも手がけたピーター スティーブンス氏が担当した。プロドライブはすでにファーストレンダリングを公開しており、そこでは「P25」は非常に人気の高い「インプレッサ22B STI」とほとんど見分けがつかない外観を纏っている。
1997年の東京モーターショーでコンセプトモデルとして発表され、1998年春から販売された特別モデルだ(ただし、ヨーロッパでは正式に販売されなかった)。
最も顕著な違いは、他のインプレッサWRXがすべて4ドアモデルであるのに対して、「22B STI」はクーペであることだ。現在では、わずか424台しか製造されなかった300馬力の「22B STI」は、絶対的なコレクターズアイテムとして、最高値がつけられている。
プロドライブだからできる
そして、プロドライブが取り上げたいのは、まさにそこなのだ。もちろん、ニューバージョンは、オリジナルをレストアするのではなく、現代のテクノロジーを採用して作り上げることを意図している。「P25」は、24年前の「22B STI」より強力で、軽くすることがメインテーマだ。
ラリーで活躍する2ドアWRXのオリジナルシャシーをベースとしている。ボンネット、ルーフ、ウイング、サイドパネルなどがカーボン製。プロドライブによれば、目標重量は1200キロ以下だという。
そして、4気筒のボクサーエンジンが必要な推進力を提供する。2.5リッターエンジンは、オリジナルブロックをベースに、「P25」用に全面的に改良されたものだ。プロドライブは、ボクサーエンジンから400馬力以上を引き出したいと考えている。アクラポビッチ製エキゾーストシステムによるラリーサウンド、シーケンシャル6速ギアボックスによる動力伝達を採用した。リミテッドスリップデフを備えた全輪駆動が装着されていることも、スバルの名誉のために書き記しておく。
400馬力を超えるP25
WRCマシンから直接導入したアンチラグ付きローンチコントロールのおかげで、「P25」は0-100kmを3.5秒で加速する。そして、公道以外では、「フライオフハンドブレーキ」が運転する楽しみを与えてくれるはずだ。通常、「P25」はすべて4人乗りだが、プロドライブはリクエストに応じてリアシートをハーフケージに交換する。
もちろん、これだけのラリー技術や遺伝子は、バーゲンプライスで手に入るものではない。「インプレッサ22B STI」の中古車は、市場に出回ったとしても30万ユーロ(約4,200万円)以上で取引されているのが現状だ。そして、JDM伝説のニューエディションはさらに高価になる。基本価格は正味460,000英ポンド(約7,600万円)相当となっている。ドイツの付加価値税を含むと、「P25」は625,000ユーロ(約8,750万円)弱となる。
権威ある「グッドウッド フェスティバル オブ スピード」での発表を経て、最初の顧客車両は2022年内に納車される予定だ。
Text: Jan Götze
Photo: Prodrive