【グッドウッド ハイライト その3】新型ルノー5(サンク)プロトタイプ グッドウッドでお披露目 EVはこうでなきゃ 全ての情報!

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ルノー5(サンク)の名をつけるなら、こうでなきゃダメなのではないだろうか。電気自動車として楽しい小型シティカー、というジャンルにR5プロトタイプは希望を与えてくれる。グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの会場でお披露目されたプロトタイプは魅力あふれるものだった。

エレクトロモビリティを義務や強制だけで実現させないためには、「ルノー5プロトタイプ」のような形にしなければならないのではないだろうか。この車は高性能なE-Carではなく、まったくその逆なのだ。テスラからワーゲンまで、提供するメーカーの幅は広い。パワー、ラグジュアリー、進化し続ける航続距離・・・。

しかし、そこには大きな問題がある。手頃な価格で電気自動車を楽しみたいと考えている人は、現在、メーカーや市場の動きを様子見しているのだ。テスラモデルS?ポルシェ タイカン?メガな速さ、メガな価格。中国製EVはといえば、メガ安だが、でもメガダサい。「オペル コルサe」、「プジョーe-208」?条件付きでスポーティーなだけだ。本当の電気自動車のドライビングプレジャーは5万ユーロ(約700万円)からなのだろうか?

R5ではレトロの仕組みがわかる

ルノーがかつての「サンク(5)」の持っていたレシピが現在でも通用すると考えているのは明らかだ。フランスは伝統のボックスを深く掘り下げ、「R5」を復活させたのだ。当面は、残念ながらプロトタイプのみ、なんとプロトタイプのみだ。キューブは随所に先人の言葉を引用しながらも、キッチュに流されることはない。先代からの借用でモダンに、それがレトロというものだ。

ボディはオリジナルとよく似ていて、コンパクトだが、かなり肉付きが良くなっているように見える。

このスタディモデルでは、4メートルクラスのシティランナバウトとしては十分すぎるほどの99kW(134馬力)というパワーを発揮する。特に、シャシーとステアリングがちょうどいい具合になったときに。過去の様々なルノースポールモデルが、これを極めることができることを示している。子会社であるアルピーヌも開発に貢献してくれるだろう。さらには、20,000~25,000ユーロ(約280~350万円)という魅力的な価格で、このパッケージを提供する。そうすれば、経済的余裕のないクルマ好きも、手に入れ楽しむことができるだろう。

作れ、ルノー!

R5ロゴをオフセンターに配置し、イルミネーションを施したディテールが素晴らしい。これがシリーズ化されるかどうかは疑問だが。

このEV「ルノー5」がこのプロトタイプの通りに作られるかどうか、またどのように作られるかは、まだ完全に明らかになっていない。しかし、「R5」のプロトタイプは良いモデルになることは確実だ。かっこいい、コンパクト、チャーミング、楽しい、お手頃価格。そのレシピは80年代でも通用したし、今も同じように通用するはずだ。ルノーの新しい「サンク(5)」、今度は君の番だ!

【ABJのコメント】
人生で乗り損ねた(あるいは所有しそこねた)車、といえば僕の場合はこの「ルノー シュペール5」である。思い返せば、人生で最初に海外で運転した車は、「ルノー サンク(5)」で、この良さと楽しさといったら、今でもあの車のことを思い出すと胸がキュンとなる。

その旅行の帰国後に、さんざん悩んだ挙句、購入したのはシトロエンBXだったが、今でもどちらかを選べと言われたらものすごく悩む。なかでもエレガントな「5バカラ」が僕は欲しかったのだが、当時275万円という高価格で、どうにもこうにもならなかったのであった。そんな「5」の一番の魅力はもちろんこのスタイリングで、世の中で一番魅力的で素敵なデザインの2ボックスカーは、この「サンク」だと今でも迷わず答えられる。そんな「サンク」がBEVになったら・・・。この写真の通りであればちょっと正直欲しい、という気持ちだし、それが買いやすい価格であったらなおさら、である。

もちろんこのままの姿で出てくるほど世の中は甘くはないと思うし、現実の姿になったときに、どうなのかはまだ予断を許さないかもしれない。だがルノーの人たちだって「サンク(5)」は大好きだと信じているし、「サンク」の魅力がこのスタイリングになるということは、僕よりもきっと理解していることだろう。だからBEV「5」が魅力的なスタイリングのまま、路上にデビューすると信じているし、そうしたら僕は真剣に購入を考えると思う。(KO)

Text: Moritz Doka
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de