ポルシェの歴史を写真と短いキャプションでたどる(1950~2005)Part3

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1950年から2005年まで55年間のモデルを通してポルシェを振り返る

ポルシェ911カレラ4は、ポルシェとしてフルタイムの4輪駆動を備えた最初の生産用モデルだった。またカレラ2には自動変速機(普通の4ATに、マニュアルモードをつけただけのもの、ではあったが)「ティプトロニック」を備えたものも用意された。
ポルシェ959。1987年に450馬力のツインターボ6気筒、4輪駆動、最高速度315km/hという組み合わせで多くの記録を塗り替えた、実験的な意味の多いポルシェのスーパーモデルだ。いくつかのグレード違いがあったが購入価格は42万ドイツマルクからだった。 (Photo: Werk)
最速かつ最も高価なプロダクションスポーツカーは合計286台が製造された。投機家たちは80年代の959の価格を100万ドイツマルク以上に押し上げた。当時日本でもバブル期の真っただ中ということもあり、1億~2億円という価格で数台が取引されたが、タレントのビートたけしがその中の1台を所有していたことは有名である。また日産自動車も、スカイラインGT―Rの開発用に1台を購入し、様々なデータを採取していたらしい。(Photo: Werk)
1993年末から生産開始された993は、フロントフェンダーがよりフラットになったが、911のクラシックなプロファールが維持されていた。洗練されたスタイルとして今でも人気が高い。(Photo: Werk)
993カブリオレ。背中から聞こえる6気筒ボクサーの音が最高に楽しめる。993が空冷式の最後の911!
新しい時代の始まり。ついに空冷に別れを告げ、996型911で水冷ポルシェが初めてデビューした。ポルシェファンは、ヘッドライトを「目玉焼き」と呼んでいる。(Photo: Werk)
インテリアも一新されたが、古典的な丸いメーターはそのままだし、センターコンソール部の各種スイッチやエアコン操作系などはボクスターと共用パーツであった。(Photo: AUTO BILD TEST & TUNING / Stephanie Bock)
1996年に導入されたボクサーの需要は非常に大きく、販売開始前に1万件の注文が入り、それはポルシェ社内のエキスパートたちでさえ驚かせた。
2004年、ポルシェ ボクスターは大きく改良された。トップバージョンのボクスターSは295馬力を発揮した。数年でカバーが曇り劣化してしまうなど評判が悪かった「目玉焼ヘッドライト」は、従来の丸いライトに取って代わった。
2005年、ポルシェファミリーにさらに新たなメンバーが加わる。ミッドエンジンクーペのケイマンは、ボクスターと911の間のギャップを埋めるモデルだ。
そしてポルシェは未知の領域への1歩も踏み出した。ライプツィヒの新しいポルシェ工場ではカイエンを製造している。この新しい四輪駆動車は、SUVの世界ではこれまであまり興味のなかったダイナミックな走行性能で一際輝く存在となった。そしてこのジャンルへの参入は大正解であったことが判明する。今や911、ケイマン、ボクスターといったスポーツモデルよりも、SUVモデルの生産数の方がはるかに多いのだから。
2002年以降、ポルシェは子ども連れの家族向けにも販売網を広げた。父親がスキー、息子がスノーボードというジェネレーションギャップのある写真となっている。そしてこの後、カイエンに弟が登場することになろうとは……。(Photo: Werk)
ポルシェ911の第6世代は、丸いヘッドランプでシリーズのルーツに戻った。
997のシルエットは、オリジナルポルシェ911のシルエットにより似ている。もはや素人にはどこが違うのか判別が難しいほど、確立された「ザ ポルシェ」の形である。
いつの間にか豪華に、洗練され、ナビも収まった室内。ダッシュボードの中央には数多くのオーナーがオプション装備する「クロノパッケージ」のストップウォッチが見える。
純粋主義者向けのポルシェ。911 GT3モデルは、快適な装備を省いた愛好家向けのポルシェであり、レースにも適している。いつの時代もGT3はプレミアムが付くほどの高値で取引されるコレクターズアイテムだ。
コードネーム「980」を与えられた限定車、カレラGT。2005年に発表されたが、ミドエンジンのカレラGTのシャシーはモノコック構造で作られ、V10エンジンは612馬力60.2mNを発揮する。当初1500台が限定生産される予定であったが、結局1270台が生産された時点で販売を終了した。俳優故ポール ウオーカーが事故死した車としても知られているが、日本では黒沢元治氏が短期間所有していたこともある。
カレラGTのシフトノブは、ステアリングホイールからの距離をできるだけ短くするために高くに備えられている。シフトノブはアッシュ材と欅(けやき)をサンドイッチしで作られており、伝説のレーシングポルシェ917を彷彿させる。
1955年の550スパイダーと2005年のカレラGTの出会い。リアカウルの開き方が対照的なのが興味深い。両方のポルシェは最高レベルの技術的卓越性と俊敏性を実証する。なお、カレラGTには6MTのみが用意され、ATやツーペダルのミッションは用意されなかったが、このことは当時セミATのみを用意していたフェラーリ エンツォと対照的であることが、互いの持つスポーツカーに関しての哲学の違いのようで面白い。

Text: autobild.de

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