ポルシェの歴史を写真と短いキャプションでたどる(1950~2005)Part2

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1950年から2005年まで55年間のモデルを通してポルシェを振り返る

1972年、911ウィングが生まれた。カレラという名前をスポーティなトップモデルのために復活させた。ファンたちはリアウィングのことを「ダックビル”duckbill”」(日本ではダックテイル)という愛称でも呼ばれる。写真はあまりにも有名な「ナナサンカレラ」。(Photo: Werk)
1967年、ポルシェはアメリカでのセキュリティに関する議論にタルガで応えた。固定ロールバーのおかげで、タルガはコンヴァーティブルより安全になった。ちなみに当時のリヤウインドーは、温室のようなビニールで劣化しやすい。(Photo: Werk)
1969年以前の911のワイパーは、右に配置されていた。コンチネンタルのロゴが目立つコントローラータワーと掃除用のバケツが置かれたままの送迎バス。ホッケンハイムだろうか。(Photo: Werk)
1968年、69年、70年、そして78年と、911はモンテカルロラリーで4回優勝した。屋根の上にポツンと設置されたランプがユーモラスではあるが、ナイトステージを勝つためにはなりふり構っていられないのである。ちなみにこうしたランプが闇を切り裂く光景を「Night of the long knives」(長いナイフが切り裂く夜)と当時は表現された。
70年代最も成功したレーシングマシンの1台:1969年に発表されたポルシェ917。ル マン24時間耐久レースで2度優勝した。 (Photo: Werk)
ヒストリックモータースポーツでも大活躍。ニュルブルクリンクのオールドタイマーグランプリでの1965年ポルシェ911 2.0。
911T 2.4の気高い「シグナルオレンジ」(ポルシェ指定オリジナルカラー)ボディ。ヘラと思われる四角いフォグランプが懐かしい。当時は助手席のドアミラーはオプションだったものである。(ヨーロッパの規則で、なくても良かった)
そして斜めの「ライトイエロー」の911タルガ。1974年以来、カレラモデルは、バンパーとサイドミラーをボディと同じ色で塗装している。こうすることで、いっきに近代的なルックスになるのが面白い。
高い中毒性。空冷6シリンダーボクサーエンジンからの紛れもない唸り。それにしてもイグニッションコードのなんとなく乱雑な感じや、イグニッションコイルの取り付け方など、当時のポルシェの経済状況を表しているよう気もするが……。
1974年、ポルシェは911ターボという高性能アスリートを作った。ターボチャージャーは、このスポーツカーをこれまで想像もできなかったパフォーマンスの次元にまで押し上げた。ターボはいつの時代も911のラインアップでは豪華で高価な最高級車という位置づけである。(写真:Werk)
ターボチャージャー付きエンジンを搭載した世界初の量産スポーツカーとして、911ターボは当時最速の量産車だった。オーディオや豪華な内装なども、ターボでは標準となり、それがポルシェに新しい市場(つまりは豪華なスポーツカーがお金になる)の可能性を教えることとなったのは興味深い。(Photo: Werk)
新しい家族。1976年、ポルシェは924を発表した。フォルクスワーゲンと共同で開発され、当初は125馬力のアウディ製エンジンを搭載し、ネッカーズルムのアウディ工場でも製造された。
「煉瓦職人”bricklayer”」または「主婦”housewife”」に変装した小さな4気筒ポルシェは、それでも販売では成功をもたらした。1988年までに、ほぼ15万台の車両が製造された。それにしても現在の目からすると、小さく、スリークで、シンプルな自動車である。
924のフロントエンジン、リアドライブ、トランスミッションのトランスアクスル構造により、スポーツカーにファーストクラスのドライビング特性が与えられた。
80年代の外観。テレフォンダイヤルデザインの合金ホイールと折りたたみ式ヘッドライトは、新時代ポルシェスタイルのファッションだった。スポイラーとデザインされたホイール、そしてカラードドアミラーだけで、前の写真のシンプルな車輛と大違いの雰囲気になるのは面白い。
1981年9月からは、ポルシェも自社生産の2.5リッッターエンジンを搭載した944を製造販売し始めた。924の発展版と言えよう。
944は視覚的には924より広いフェンダーによって区別される。944S2はトルクが太かったため、エンジンを回さなければ驚くほど経済的だった(Photo: AUTO BILD / Holger Schaper)
V8を搭載したポルシェ928はもともと911の後継モデルとすることを目的としていたが、顧客はポルシェの希望どおりには928を受け入れなかった。大きくなったボディと911とはあまりにも異なった未来的なスタイリングが販売不振の大きな理由と言われている。
卓越したグランツーリスモ。928のスポーツシートは、高速道路での長距離走行をストレスのない快適なものにしてくれる。ステアリングコラムと一体で上下するメーターパネルなども革命的な装備ではあった。サイトブレーキレバーがサイドシル側にあることにご注目。(写真:Angelika Emmerling)
928 GTの5リッター8気筒エンジンは、330馬力、時速275kmを発揮した。またヴァイザッハアクスルを採用したサスペンションにより、911と比較すると簡単にコーナーを曲がれたが、その簡単に曲がりすぎることも不評となってしまったのだから、人間とはなんともわがままなものである。(Angelika Emmerling)
1982年、911カブリオレは久しぶりのカブリオレ復活ということもあり、ポルシェファンから熱狂的に受け入れられた。
911スピードスターは、ドライビングプレジャーを追求したモデルである。低められたフロントウインドー、簡易的な幌、同色で塗られたホイールや、簡易的な室内ドアオープナー(写真では見えないが)、薄いバケットシートなども特徴であり、コレクターズアイテムとしても評価が高い。
1991年は4気筒ポルシェの進化への最後ステージとなった。IAA(フランクフルトモーターショー)で、968カブリオレと968クーペがデビューした。フロントが911と928に似ている。妙にハイテクなフロス(おそらく)の照明器具を用いた写真が、ポルシェの狙いを表している。
968ターボSは、4気筒エンジンとして印象的なパフォーマンスデータを示した。ターボエンジンは、約3リッターの排気量から、ほぼ500Nmのトルクと305馬力を生み出した。リアウィングが破損しているように言えているが、これはあえてこういう形状なのである(空力学的にはこれが正解なのだろう)。
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