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【初テスト】新型BMW M2クーペのプロトタイプに初試乗 そのドライビングインプレッションと最新情報!

2022年6月27日

次期M2は再び本物のBMW Mモデルとなる。M4の直列6気筒、後輪駆動で450馬力を実現。最新情報とプロトタイプで初ドライブ!

ほとんどのモデルでキドニーグリルがXXLサイズになっているし、現行1シリーズ(F40)は横置き3/4気筒エンジンのみ、後輪駆動なしと、最近のBMWファンは楽しみが少ない。また、非常に大胆なデザインの電気自動車SUV、「BMW iX」もある。しかし、遅くとも2022年秋までには、旧来のBMWファンも和むような真の内燃機関の目玉モデルが登場する。それが新型「M2(G87)」だ!

BMWは現在、新型「M2」を公式に予告し、独自のウェブサイトを開設している。外観の予告に加え、コンパクトスポーツカーのエンジンについてもヒントを与えている。新型「BMW M2」のこれまでの情報をおさらい!

エンジン: 新型M2では490馬力の可能性あり

ひとつだけ確かなことがある。ニュー「BMW M2」もまた運転する楽しさを保証してくれる。旧型「M2コンペティション」は、すでに「S55」型直列6気筒で410馬力を発揮していたが、後継モデルはさらに数十馬力を上乗せする。

パワートレイン面では、「G87」に、「M3」や「M4」に搭載されている排気量3リッターの新型エンジン「S58」が採用されることが明らかになっている。「ノーマル」バージョンで480馬力、「コンペティション」バージョンで510馬力を発揮する。

新世代のBMW M2は「M3」や「M4」に搭載されている排気量3リッターの新型エンジン「S58」が採用される。

しかし、今度の「M2」は、その大きな兄弟モデルに対して、ある種の敬意を払って距離を置いている。とはいえ、ベーシックバージョンでは、最高出力450馬力、最大トルク550Nmが後輪で裂ける。ギアチェンジは標準でマニュアルミッションと、オプションでお馴染みのZF製8速オートマチックが用意されている。

「M3」や「M4」にオプションで用意されている全輪駆動はなく後輪駆動のみのようだ。「xDrive」を搭載しないことで、より軽量化されたM2は、大きな兄弟モデルを性能面で凌駕し、シェアを奪うと推測される。

ドライビング: カモフラージュされたM2でアクセルを踏み込む(アップデート情報!)

我々は今回まだ厳重にカモフラージュされたプロトタイプで最初の周回をすることを許された。高速走行時には、「M2」は先代モデルよりもはるかに方向安定性が高く、同時に短いホイールベースによって縦軸方向の動きも十分に確保されている。クーペは約4秒で0から100km/hまで加速し、最高速度は280km/hに設定されている。

M2には、クラシックなエキゾーストシステムが残されている。ただし、オプションで「Mパフォーマンスパーツ」も用意されている。

この敏捷性は、自発的でありながら予測可能なセルフステアリング挙動も決定する。新型「M2」のターンイン挙動は、フロントアクスルに装着された275タイヤのおかげもあって、さらにシャープになっている。

限界域での反応も、よりプログレッシブになっており、調整可能なスプリングとダンパーのセットアップが成功している。そして450馬力の直6の音は? 穏やかなものから猛烈なものまで、あらゆるものが揃っている。だから、新しい「M3」や「M4」は高すぎる、あるいは気取りすぎだと思う方は、2023年に登場するこの「M2」を待ったほうがいいだろう。この価格帯でこれ以上のものはない。

デザイン: フレア状のウィングと4本のリアルテールパイプを持つBMW M2

新型「M2」のウィングは、先代の「M2(F87)」や、伝説の「1シリーズMクーペ」と同様に、真のMモデルにふさわしく、フレア形状を採用している。リアでは、トップモデルが4本出しのエキゾーストによってその姿を現す。この4本のテールパイプがフェイクでなく本物であることは、「M2」にとっては名誉なことなのだ。

重要なのは、BMWがM2にどのサイズのキドニーグリルを選ぶか、ということだ。

話題の「ビーバーキドニー」は、Mバージョンとノーマルモデルの区別をより強くするためのものだそうだ。しかし、「普通」の「BMW 2シリーズクーペ(G42)」の現行モデルは比較的ワイドなキドニーを装着しているが、「4シリーズ」とは異なり、大きさはそれほどでもない。「M2」に関しては、大型のキドニーグリルの採用を批判する人たちの、コンパクトサイズのキドニーグリル採用に対する大きな期待を集めているのは確かだ。

また、BMW M社は、すでに「Mパフォーマンスパーツ」の予告を行っている。どうやら、上位の「2シリーズ」には、将来的に、リアにスポイラーやカラーリムを装着することも可能なようだ。カモフラージュされたプロトタイプでは、テールパイプが斜めにオフセットされ、1本ずつ上に配置された、「M3」や「M4」でおなじみのパフォーマンスエキゾーストシステムも確認することができる。

価格: 新型BMW M2は先代より高価になる予定

2022年秋に新型「BMW M2」がディーラーに登場するとき、おそらく先代モデルよりも少し高価になることだろう。410馬力の「M2コンペティション」は、前回は約62,500ユーロ(約875万円)から販売されていた。次期「M2」のエントリー価格は、おそらく65,000ユーロ(約910万円)程度になると思われる。楽しみに登場を待っていたい。

【ABJのコメント】
「BMW 2シリーズ」の「M」って、ついこの間出てなかったっけ? と、もはや車種が多すぎて混乱してしまうが、とにかくこの秋には新しい「M2」がディーラーに並ぶことになる。街中でももてあまさず、毎日使えるサイズの上限としてはこのくらいのクーペというのは貴重であり、特に今のように内燃機関が貴重な存在となりつつある現状ではこの新しい「M2」も人気を博すことは間違いないだろう。

それにして興味深いのは昨今の大型キドニーグリルがどうやら世界中で不評のようで、「普通の大きさのキドニーグリルがついていてほしい」のような記述が今回のレポートの中に見られたことである。確かにあの「7シリーズ」のマイナーチェンジを発端とする、超特大キドニーグリルも、「M」シリーズの無骨ともいえる大型キドニーグリルも随分見慣れたとはいえ、BMWの端麗なボディデザインにあっているかというと、どうも素直にはうなずけない部分が多い。世界的にもあの威圧感のある大型キドニーは不評なのか・・・と、ちょっと安心すると同時に、自分の感覚もそんなに間違っていなかったのかなと、うれしく感じたレポートであった。新しい「M2」が小さいキドニーグリルで出ることを期待していたい。(KO)

Text: Katharina Berndt, Andreas Huber and Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: BMW AG