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【ニューモデル情報】新型メルセデスGLC登場 プラグインハイブリッド仕様SUVの電動航続距離は100km以上 その全容をレポート!

2022年6月25日

メルセデスの新型SUVであるGLCは素晴らしい気品を備えている。メルセデスはGLCをリニューアルし、ワールドプレミアした。新しいGLCはマイルドハイブリッドまたはプラグインハイブリッド専用で、電動航続距離は100km以上だ。シートチェックを含む全情報!

プレゼンテーションと外観: デザインの進化、休息の革命

一目見て、これが「GLC」の新型だと気づかない人もいるのではないだろうか? 実はこれは意図的なもので、ちゃんとした理由があるのだ。なぜなら、2022年だけで、メルセデスは33,719台の「GLC」を我々の道路に投入し、これはドイツにおけるメルセデス車全体の15パーセントを占めているからだ。

そこで、人気の「GLC」のイメージを維持すべく、メルセデス・ベンツでは「デザインの進化、休息の革命」をモットーにしたのだ。そして、「GLC」の進化をいち早く解説している。メルセデスは「GLC」に6cmの外板延長を与えたが、これはホイールベースとオーバーハングで共有されている。

2分割されたテールライトの中央にはブラックのトリムが施され、GLCの幅を視覚的に強調している。しかしその変化は最小限。

外観では、「アバンギャルド」トリムが標準装備され、表示されたアンダーライドガードやフロントガラス周りなど、より多くのクロームパーツが標準装備となった。

立体的なライトグラフィックスを採用した新型リアライト

フロントで最も印象的な革新は、中央に向かって細くなり、ラジエーターグリルの中に入り込んでいる新しいヘッドライトだ。また、装備ラインによっては、グリルの形状も異なっている。

「アバンギャルドライン」では、よりクラシックにクロームで縁取られ、よりスポーティな「AMGライン」では、外に向かって引き下げられたグリルと異なるバンパーがマッチングされている。その一方で、一見すると、サイドはほとんど変わっていないように見える。リアに向かってわずかに上昇するウィンドウラインに加え、18インチから20インチまでの新型ホイールが採用されている。

「GLC」では4.5度のリアアクスルステアリングシステムをオプションで注文することができ、これにより、回転半径を大幅に減らすことができるはずだ。2分割されたテールランプには、立体的な光のグラフィックが施され、ブラックのトリムエレメントがリアの幅を強調している。

【サイズ一覧】
• 全長: 4716mm
• 全幅: 1890mm
• 全高: 1640mm
• ホイールベース: 2888mm
• ラゲッジコンパートメント容量: 600~1640リットル(プラグインハイブリッドは463リットル~)

インテリア: GLCのレッグルームが広くなった

新型メルセデスGLC(ファクトリーコードX254)は、新型Cクラスの「MRA2」プラットフォームを採用し、先代モデルから全面的に改良されたモデルだ。より広いスペースを求めているユーザーに応えるかたちで、6センチも広くなり、その結果、足元も広くなっている。外観もミッドサイズサルーンを彷彿とさせるものが多い。我々はすでに中に入ってシートチェックすることを許された。

大型ディスプレイと最先端のMBUX技術を搭載。新型GLCで、SUVとしてさらに大きな飛躍を遂げた。

すでに量産されている新型「GLC」の装備ラインは「アバンギャルド」で、航空機のエンジンナセルを想起させるエアベントが特徴的だ。

新型「GLC」では、「Cクラス」と同様に、ドライバーの真正面に独立した12.3インチのデジタルコックピットを採用している。また、中央のディスプレイはドライバー側に少し傾いており、サイズは11.9インチだ。

もちろん、最新世代のMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンス)システムも搭載している。そして、この技術は、第一に人間工学に適合していること、第二にアイコンが巨大で運転中に直感的に操作できること、といった基準を設けている。3つ目は、ボイスコントロールが優れていることだ。

トランクに最大600リットルの収納スペース

そして、その室内空間も優れたものとなっている。「AMGライン」の快適なシートは、フロントだけでなく、リアにも十分なレッグルームを確保し、快適な座り心地を実現している。

トランクルームを増やしたいということで、先代に比して50リットル増えて600リッターとなっている。しかし、ハイブリッドモデルでは、数リットルの収納スペースを、より大きなバッテリーのために譲らざるを得なくなった。バッテリーは12.8kWhから32.2kWh以上となり、ラゲッジルームは463リットルに減少し、内燃機関モデルに比べて狭くなっている。

ドライビングインプレッション: カモフラージュされたGLCでのファーストラップ

SUVとは言え、メルセデスも昔とは違う! 「スポーツモード」にセットアップされた、この全長4.72メートルの「GLC」は、次のコーナーに向けて一気に加速し、カーブに沿って強力かつスポーティなコーナリングをみせる。我々のテスト車は265馬力の4気筒ディーゼルと23馬力の追加電力を搭載し、トルクは550Nmに達した。そして、より良い発泡材、より高い断熱性、より良いドアシールのコンセプトなど、全体的な音響のハーモニーに取り組んできていることが実感できた。

カモフラージュされたGLCの路上テスト: 265馬力の4気筒ディーゼルは、23馬力の電動モーターでアシストされる。その力は、引き離しや加速時に顕著に現れる。

エンジン: 新型GLCに搭載される電動パワートレインのみ

メルセデスは、ガソリン車、ディーゼル車ともに2リッター4気筒エンジンが選択されている。48ボルトの電動システムを持つ3つの内燃機関がありメルセデス・ベンツは4つのプラグインハイブリッドも用意した。

広々としたラウンジ: GLCのリアでは体を伸ばすことができる。優れたアクセス、頭や足のための十分なスペース、良好な着座位置だ。

ガソリンモデルは、204馬力の「GLC 200」、ディーゼルは197馬力の「220 d」がエントリーレベルのとなる。全車種に全輪駆動を標準装備。プラグインハイブリッドは3つのバリエーションがあり、そのうち1つはディーゼルエンジンを搭載している。ガソリンハイブリッド車は「GLC 300 e」から始まり、4輪に最大313馬力のシステム出力を発揮し、より大きな「GLC 400 e」は最大381馬力まで発揮する。

システム出力333馬力のディーゼルハイブリッドは、電動化された内燃機関の間に配置されている。0から時速100kmまでの加速は標準で6.4秒、「GLC 400 e」は5.7秒しか必要としない。

バッテリーの容量が大幅に増えたことで、メルセデスは最大120kmの純粋な電動航続距離を可能としている。これはメルセデスが先代ではまだ50kmの航続距離を約束していたことに比べれば、画期的な進歩だ。

市場投入と価格: 新型GLCはやや高価になる可能性が高い

最後に価格の問題だ。メルセデスがこれらを明らかにするのは、2022年6月末の販売開始時となっている。しかし、ひとつだけ、すでに確かなことがある。新型「GLC」は少し高くなる。現在、「GLC 200」は48,141ユーロ(約670万円)から、ハイブリッドは最低でも56,109ユーロ(約785万円)となっている。我々は、4000~5000ユーロ(約56~70万円)程度の値上がりを予想している。

なぜ価格が上がったのか? まあ、もちろん、大きくなったことも事実だが、一方で、新型「GLC」では、テールゲートが電動で作動するようになったほか、インダクティブチャージやシートヒーターが標準装備されるなど、装備もより細かく配慮されているからだ。さらに最大4.5度のステアリングロックが可能な、リアアクスルステアリングも搭載されている。

【ABJのコメント】
「メルセデス・ベンツGLC」がマイナーチェンジを受けた。その内容は予想できたもので、MBUXの搭載と大きなディスプレイを採用した大幅な内装のアップグレードと、ハイブリッドシステムのアップグレード、という世の中とメルセデス・ベンツの流れに沿ったものとなっている。どちらもこのセグメントで走り続けるためには必須のマイナーチェンジであり、少しでも油断すると他社に追い抜かれてしまう、そんな世界なのである。

その一方で、今回のレポートを読んでちょっと驚いたことは、「メルセデス・ベンツGLC」がヨーロッパだけで33,000台以上も売れているということで、ざっと毎月3,000台弱が売れているということに軽いショックを受けた。何故ならば言うまでもなくメルセデス・ベンツには、ほかにもGLシリーズは覚えきれないほどあり、その中でも「GLC」は今や700万円以上必要とされるセグメントのSUVだからで、それが毎月コンスタントにこれだけの数が売れているということに驚いたのである。もはやメルセデス・ベンツも「C」や「E」という定番メニューだけではなく、SUVも稼ぎ頭になっている、そんな当たり前のことに今更ながら気が付かされた台数である。(KO)

【フォトギャラリー: 新型メルセデスGLC】

Text: Andreas May and Sebastian Friemel
加筆: 大林晃平
Photo: Mercedes Benz AG