【比較テスト】歴代ポルシェ911 11台乗り比べ

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本当に最新のポルシェは最良のポルシェ?  どのくらい価値があるの?

50年以上にわたり、ポルシェ911には様々なバリエーションが生まれ続けてきた。最新のポルシェは最良のポルシェは本当なのか??911×11歴代モデル比較テストとその価値とワンポイントアドバイス!

大比較テスト

11台の911が対決する。運転して最も楽しいポルシェはどれか?どれが日常使用に最も適しているか?最も今後も価値の高いのはどれか?

半世紀以上にわたるポルシェ911。しかしその実、ファンたちは純粋な意味で911を十分に把握できていない!彼らは911を愛し、恐れ、尊敬する。911は何年の何型に関係なく、人々をからかい惑わす。当初911に一目惚れという人はほぼいなかった。最初の数年は、うるさすぎる、不安定すぎる、不機嫌すぎると評された。リアアクスル上に空冷ボクサーエンジンが配されているため、絶えずフロントが宙に浮きそうになる。ダイナミックなドライビングの悲劇だ。生みの親であるフェリー ポルシェでさえ911にはまずは「慣れる」ことが肝要だと気付いていた。

なによりも重要なのは運転する喜びだ

しかし、ポルシェ911は自身に忠実であり続け、信念を貫き通し、世界のスポーツカーエリートとして勝ち残った。開発のための無数のステップ、バリエーション、およびハイライトが数十年にわたってその道を切り開いてきた。そして我々はその一部である11モデルをセレクトした。11台の誘惑者たちだ。これらのクラシックのどのモデルがあなたを魅了するだろうか?その真の魅力とは何だろうか?以下のリストは、良い意味でも、悪い意味でも、すべてクラシックに関するものだ。その上でなによりも重要なのは運転してみて喜びを得られるかどうかだ。そして、それは馬力だけでなく、性格(キャラクター)、日常使用への適合性、価値、そしてモデルの歴史的意味に依存する。さて、あなたにぴったりのポルシェ911はどれだろうか?

①ポルシェ911 2.0(1965)

始まりはすべてシンプルだ。356に馴染んだ人たちにはショッキングで、誰でも目を見張らずにはいられなかった。ポルシェは画期的なクルマを完全にデザインしてみせた最初のメーカーとなった。バックミラーにはもうビートルの姿はない。新しいポルシェは現実的で合理的だった。このモダンなポルシェ911は軽量の自動車だった。そして強力だった。なぜならリアに置かれた空冷6気筒ボクサーエンジンは魅惑的なサウンドとともに130馬力を発揮するからだ。最高時速は210km/hに達した。しかしそれらの性能は今日でこそ必要とされるが、当時はそれほど重要な要素ではなかった。なぜなら、発売当初の1960年代半ば、ポルシェ911 2.0は深刻な問題をかかえていた。少しでも風が吹くと、新しい911は10センチほどしかまっすぐ走っているように感じられなかった。カーブでは、常時、高い警戒心としっかりしたハンドリングが求められた。しかし、量産が開始される頃にはポルシェは問題を克服していた。特筆されるのは、フロントバンパーの中に22キログラムのキャストアイアン(鋳鉄)のバラストを配したことだ。そのことによって911の挙動は非常に落ち着いた。そしてそのことにより多くの人が一目で恋に落ち、生涯をともにした。

データ – 排気量: 1,991cc; 最高出力: 130ps@6,100rpm; 最大トルク: 176Nm@4,200rpm; 乾燥重量: 1,080kg; 加速: 0-100 km/h 9.0秒; 最高時速: 210km/h; 時価(2012年8月時点、状態レベル2): 54,800ユーロ(約685万円)

ビッグバン(Big Bang!)。すべての911の起源となるポルシェ911 2.0。 素晴らしい形状だが、当初ハンドリングなど完成度は高いとは言い難かった。

②ポルシェ911T/2.2(1970)

ポルシェ911 T/2.2は、よりマナーのよいクルマとして開発された。911Tはエントリーレベルのモデルで、より強力な911Eおよび911Sの下にラインアップされていた。また1968年以降、ホイールベースが長くなった。そして911Tだけが依然2つのトリプルキャブレターを搭載していた。控えめな125 PSにもかかわらず、911Tもまだ挙動は不安定だった。

911Tは、オリジナルの911よりもコーナリングが良くなったとは言い難いものの、コーナーでの安定感は若干増した。911Tは、エレガントな木製のリースではなく、ブラックレザーのビーズを着用している。粒状のダッシュボードもブラックだ。

データ – 排気量: 2,195cc; 最高出力: 125ps@5,800rpm; 最大トルク: 177Nm@4,200rpm; 乾燥重量: 1,100kg; 加速: 0-100 km/h 10.0秒; 最高時速: 205km/h; 公正市場価値: 88,000ユーロ(約1,100万円、状態レベル2)、66,000ユーロ(約825万円、2019年10月時点、状態レベル3)

ポルシェ911T/2.2はエルファー(ドイツでは911愛好家のことを“Elfer=エルファー”と呼んでいる)たちにとっての最後のキャブレターヴァージョンだ。響きも良く、ルックスもナイスだ。このメーター配置こそが911、という方も多いはず。

③ポルシェ911カレラRS(1973)

ポルシェ911カレラRS。文字通り路上のエクスタシーだ。この911で、ポルシェは可能性を追求した。カレラRSは、軽く、強く、速く、過激だ。最大300km/hの速度計、レヴカウンターの針は7,250からようやくレッドゾーンに入る。セクシーでありながら親しみやすい。カレラRSは、ラフなエンジンの音色とともに、カーブをしなやかにクリアしていく。彼らRSはリアのタイヤがフロントよりもワイドな最初のモデルだ。210馬力、0-100km/h加速は5.8秒、最高時速245km/hは、当時の他のどのドイツメーカーの作るモデルよりも速かった。

73年カレラはいまやコレクターたち垂涎の的で、わずか1,525台という総生産モデルの1台、1台を争って欲しがり、1台当たりの値段を日本円で1億円(!)以上にまで引き上げてしまっている。この911はいまや高根の花、ドリームカーだ。しかし、その一方で、ほとんどのオーナーが、カレラRSとは別に、911のツーリングパッケージを注文したという事実は、スポーティだが過度に禁欲的ではないモデルこそが理想的な911だという証拠に他ならない。

データ – 排気量: 2,687cc; 最高出力: 210ps@6,300rpm; 最大トルク: 255Nm@5,100rpm; 乾燥重量: 960kg; 加速: 0-100 km/h 5.8秒; 最高時速: 245km/h; 公正市場価値: 45万ユーロ(約5,625万円、状態レベル2)、32万ユーロ(約4千万円、2019年10月時点、状態レベル3)

ポルシェ911カレラRSは、911による体験を究極のポイントにまで高めた。強く、軽く、機敏。信じられないほどセクシーであり、高価でもある。73と言えば伝説の一台ではあるが、単なる過渡的なモデル、と皮肉を込めて言うマニアもいる。

④ポルシェ911 SCタルガ(1980)

ポルシェはどんどん成長する。だんだん大人になった911は落ち着いた。6気筒ボクサーエンジンは、舌の上でバランスの取れたワインのように、耳に心地よく響く。パンチには若干かけるが確かに、真のアスリートは噛み付いたりしない。911 SCタルガは過激ではないものの、依然後部にエンジンを備えている。コーナーに入る前に優れたブレーキを使用しなくても、冷静にコーナリングができる。当時、オープンモデルはGDR(東ドイツ)でのバナナと同じくらい珍しくは多くの人々から注目を浴びた。

一方、タルガ式ルーフは決して快適でもエレガントでもなかった。しかし、1980年にそのようなものを備えたモデルは他に存在していなかったので、珍重されたとはいえる。タルガは他にも喜びを提供した。長い旅でも飽きない高速で快適で開放的な旅行を提供してくれた。ズィルト島やコートダジュールへ。あるいは、都会から郊外のテニスコートまで。爽快な旅は第1セットが始まる前に勝利をもたらしてくれる。

データ – 排気量: 2,994cc; 最高出力: 204ps@5,900rpm; 最大トルク: 265Nm@4,300rpm; 乾燥重量: 1,180kg; 加速: 0-100 km/h 6.5秒; 最高時速: 235km/h; 公正市場価値: 43,000ユーロ(約537万円、状態レベル2)、3万ユーロ(約375万円、2012年8月時点、状態レベル3)

成熟したタイプのポルシェ911 SCタルガ。そして、屋根のない長旅に理想的な素晴らしい旅行車。928にもあった、グランプリチェック柄のシート。これこそがポルシェの布地である。タルガは実用的であり、いつの時代も趣味人で通のチョイスだ。

⑤ポルシェ911カレラGモデル(1983)

時代の頂点。 911はすでに死んでいたのだろうか? いや911は永遠だ! 1983年当時、10年もの間、911は依然同じコンセプトとスペックの下で研究が繰り返され、次のレベルの開発を目指していた。カレラモデルは1989年まで存続した。それだけ長けりゃ成熟する(しすぎる)のも無理はない。しかし、メルセデスと同様には行かないのも事実である。

ツッフェンハウゼンで作られるポルシェは、人々は1台1台の911が完成するまで注意と経験をもって作業する。良い伝統ではあっても、ポルシェのためにはうまく機能していなかった。当時、同社は破滅の危機にひんしており、ドルの為替レートはポルシェサイドにとって最悪の状態だった。

この頃の911は長い進化の末にたどり着いた頂点モデルとして今日、愛好家たちから特に愛されている。それはクラシックなように見えても、高速ドライブに適し、多くを必要とせず、安定していて貴重だからだ。「スポーツ」という概念をイタリア人ほど厳しく定義していない非常にドイツらしい自動車だ。もちろん、ポルシェのエンジニアこの911をちゃんと改良している。排気量3.2リッター、ロングストローククランクシャフト、ゆるい感じの231馬力。これは、このカレラがアウトバーンを最大250 km/hでかっ飛ぶことを意味する。実際には燃費は10パーセントしか向上していないものの、パフォーマンスもほぼ同じ量でアップしている。だがこの頃のクルマが真に最高かというと、それも違うと思う。

データ – 排気量: 3,164cc; 最高出力: 231ps@5,900rpm; 最大トルク: 279Nm@4,800rpm; 乾燥重量: 1,200kg; 加速: 0-100 km/h 6.5秒; 最高時速: 247km/h; 公正市場価値: 53,000ユーロ(約662万円、状態レベル2)、38,000ユーロ(約475万円、2019年10月時点、状態レベル3)

ポルシェ911カレラGモデルは進化の頂点だ。それはお金と妥当性を超えた美的声明でもある。まだまだ手が入りそうなルックスのエンジン。どことなくドイツの機械っぽいのがまた魅力である。

⑥ポルシェ911(930)ターボ3.3(1988)

そのエンジンは途方もなく強烈に炸裂する! 最高のドライバーだけがこのターボを迅速かつ安全に運転できる。ポルシェが世界中の、他のスーパースポーツカーを初めて怖がらせたこの911は、ドライバーよりもはるかに優れた物理の法則に従っていた。それは以前に比べてさらに後部が重くなったことだ。(つまりトラクションが良い)そしてこのポルシェの有名なターボの爆発力がカウンターステアリングをとてつもなく難しいものにした。バランスを保つには芸術的なテクニックを要した。

写真は5段ギアを備えた3.3リッターの後期型ターボだ。太いターボの頬こそ派手だが、それを除けばこのポルシェは素晴らしく繊細なままである。タイヤ(フロント205/55、リア225/50 VR 16)でさえ、今日では非常に細く見える。

ボクサーエンジンでまず低速域を散歩する。その後、ブレーキペダルを踏んで一時停止。3つ数えて、一気に加速。300馬力が爆発し、ドライバーはステアリングで一生懸命コントロールに取り組む。ターボはうさぎのように波状の道路を駆け巡る。すべてのカーブが尋ねる。いつまでアンダーステアし続けるのか? お尻の部分はいつコースアウトするのか? と。ターボの適切なハンドリングは、今日の臆病な社会の車がもはや提供しない、すばらしい成功体験の1つだ。この理由だけでも、オリジナルのターボは911のオリュンポス(ギリシャ神話の神々が住んだ山)的地位を保証されるべきだ。
ただし運転することにテクニックが必要不可欠なことは言うまでもない。

データ – 排気量: 3,299cc; 最高出力: 300ps@5,500rpm; 最大トルク: 430Nm@4,000rpm; 乾燥重量: 1,335kg; 加速: 0-100 km/h 5.2秒; 最高時速: 260km/h; 公正市場価値: 11万6千ユーロ(約1,450万円、状態レベル2)、83,000ユーロ(約1,037万円、2019年10月時点、状態レベル3)

ポルシェ911ターボ3.3(930)は、強烈なインパクトを与えた元祖モデルだ。お金にみあった多くの馬力数。内装なども豪華ではあるし、今日でも911でもっとも高価なモデルはターボなのである。

⑦ポルシェ911スピードスター(1989)

太陽の日差しをいっぱい浴びよう。スピードスターは、1950年代にポルシェ356をモチーフとオマージュにして米国の西海岸で発明されたといえる。スピードスターとしての911は、先代のような非常に平らなフロントスクリーンとその後ろの瘤を備えている。おそらく、論争の的にならない911は存在しない。筋金入りのポルシェ派は、ばかげたことと一笑に付すが、他の人日にとって、2つの瘤の付いたヒップは醜い、の一言だ。しかし、スピードスターは入念に計画された希少モデルであったため、賢い人々はすぐに手に入れた。1000台未満(スリムなボディを持つ171台+ターボ風の823台)が工場をあとにした。

いわゆるGモデルに基づく最初のヴァージョンは、独自の技術を備えた最後の911であり、純粋な911体験と最大のオゾンシャワーを提供する。狭くカットされたフロントガラスは、純粋に新鮮な空気の喜びをもたらしてくれる。ドライバーは通常よりも低い位置に座っているが、視界は良く、周囲や道路とのコンタクトはより密接で、スピード感ははるかに強烈だ。したがって、231馬力であっても、現代の甘やかされた911ドライバーたちをも問題なく酔わせる。911スピードスターは、パフォーマンスを披露しなくても、運転の喜びを提供する。
だが雨の日には無力に近い車である。

データ – 排気量: 3,164cc; 最高出力: 231ps@5,900rpm; 最大トルク: 265Nm@4,800rpm; 乾燥重量: 1,250kg; 加速: 0-100 km/h 6.5秒; 最高時速: 240km/h; 現在の市場価値: 155,000ユーロ(約1,937万円、状態レベル2)、98,000ユーロ(約1,225万円、2019年10月時点、状態レベル3)

ワインセラーから選び抜かれた極上の1台、ポルシェ911スピードスター。純粋なエルファー(ポルシェ愛好家)の喜びと、の美しいカブリオレとの組み合わせだ。幌は簡易的なので、実用性をもとめてはいけない。

⑧ポルシェ911(964)ターボS(1992)

豪華さ、快適さを剥ぎ取って活を入れた。1988年、ポルシェは911を全面的に変更した。パワーステアリング、ABS、コイルスプリング、触媒コンバーター、このモデルは964というコードネームで呼ばれていた。最初は、全輪駆動の4S(旧911と並行)が発表され それは「冒涜」、「退廃的」、「アウト&終わり」が抗議の的だった、そして、それはかつてポルシェが911を変更したときとほぼ同じように。そして1991年、964にRSヴァージョンが登場。流線形化、スリム化され、今ではエキスパートたちから高く評価されている。

その少し後に、スーパーハンマー登場。カーボンリアウィングを備えたターボSによって、190kgもの減量に成功したのだった。レーシングシャシーとともに、リアには、有名な3.3リッターターボエンジンがあり、381馬力を発揮した。ラジオ、エアコン、アームレスト、ウィンドーハンドルこそないものの、すべての手が触れる部分には最高級のレザーが使われている。低速域で通常の慣性をオフにすると、マッチョ911は発射体のように飛んでいく。あまりにもワイルドで、日常生活には適さないものの、911レンジの中では、脈拍数加速モデルとして上位にランキングしている。

データ – 排気量: 3,229cc; 最高出力: 381ps@6,000rpm; 最大トルク: 490Nm@4,800rpm; 乾燥重量: 1,290kg; 加速: 0-100 km/h 4.7秒; 最高時速: 290km/h; 公正市場価値: 118,000ユーロ(約1,475万円、状態レベル2)、87,000ユーロ(約1,087万円、2019年10月時点、状態レベル3)

チリペッパーのようにスリムで、スリムで、ホット。ポルシェ911ターボSは、非常にハードコアな究極のターボだ。いよいよ扁平率も40に突入したタイヤはミシュラン。

⑨ポルシェ911(993)カレラ(1997)

最後だが大事なことは。一部の人々は、このモデルを最後だけでなく、最高の、そして「真の」911と位置付けることだ。その理由はもちろん最後の空冷ということと、ナローボディ、ショートホイールベース、直立のシートポジション、スタンディングペダル、古典的なコックピットだからである。コードネーム993は1993年に誕生し、1998年に生産終了した。

リアは一部の人にとってはぽっちゃりしすぎていて、他の人にとってフロントはフラットすぎると不満を述べる。そして多くのポルシェファンは、旧型のオーバーステアしたときのあの素晴らしい感覚を捨ててまで、あえて新しいファッショナブルなマルチリンクアクスルを採用するのはなぜ? と問いかける。

しかし、その実、この911は、大多数のユーザーが長い間待ち望んでいたとおりの挙動を示した。993ポルシェは以前のモデルに比べてはるかに静かで、スプリングも改良されていて、より快適な設備を提供し、さらに悪いことに、素晴らしい走りを見せた。新しく油圧タペットを備えた3.6リッターエンジンは、新しい6速ギアボックスを介して272馬力を発揮し、1996年からは286馬力までにアップした。電動ルーフを備えたこのコンヴァーティブルは、すべてを兼ね備えた911としての役割を見事に果たしている。エンジン音、豊かなフィードバックを備えた敏捷性の高いドライビング挙動、狭い道路での扱いやすさ、グリップ力の強さ、熟練したハンドリングに対するご褒美、さらには日常的な使用に対する典型的な堅牢性と高い適合性を、この純粋な911は提供してくれる。

データ – 排気量: 3,600cc; 最高出力: 286ps@6,500rpm; 最大トルク: 340Nm@5,250rpm; 乾燥重量: 1,400kg; 加速: 0-100 km/h 5.4秒; 最高時速: 267km/h; 公正市場価値: 75,000ユーロ(約938万円、状態レベル2)、53,000ユーロ(約663万円、2019年10月時点、状態レベル3)

最適な形のクラシック911。 これが私たちからの一押し:購入し、維持し、愛用し、お楽しみあれ。誰もが満足すると思う。

⑩ポルシェ911(993)ターボ(1998)

ついに400馬力超の911登場。もうカーブでの追い越しでステアリングホイールを必死に操る必要はなくなった。オリジナルの911と993タイプの911ターボとの間には約30年の歳月が存在するが、このポルシェはその間のすべての機能を備えた911といえる。911以上の911だ。408馬力(パフォーマンスキットを備えたこの430馬力モデルもある)911ターボには、すべての993の改良点に加え、2つのターボチャージャー、ターボとして全輪駆動システムが初めて搭載されている。カーブでもアクセルペダルを踏むことができる。典型的なオーバーステアは、ステアリングエイドによって軽減され、ブレーキは物理的なリミットを無効にしているようだ。200km走行時でも、スピードメーターの針は回転カウンターと同じくらい速く動く。しかし、非常に多くの完璧さにはマイナス面もある。スタート時のキックバックはないかわりに、馬力中毒者が通常望んでいるような、圧倒的な速さのドラマは少ない。

データ – 排気量: 3,600cc; 最高出力: 408hp@5,750rpm; 最大トルク: 540Nm@4,500rpm; 乾燥重量: 1,500kg; 加速: 0-100 km/h 4.3秒; 最高時速: 291km/h; 公正市場価値: 135,000ユーロ(約1,688万円、状態レベル2)、106,000ユーロ(約1,325万円、2019年10月時点、状態レベル3)

空冷のトップモデル、ポルシェ911ターボ(993)は、ファミリー使用に最適化された最高のパフォーマンスを提供する(つまり、やや迫力にはかけるのである)。

⑪ポルシェ911(996)GT3(2000)

若い野蛮人、古い精神。1998年モデルのポルシェは、基盤を整理した。新しい911、コードネーム996はまだ911のように見え、リアにボクサーエンジンを搭載していた。しかし、それ以外の点では、すべてがより大きく、より強力で、より快適で、もちろんよりモダンに仕上がっていたのは、より重く、そして何より衝撃的だったのは水冷式に生まれ変わっていたことだった。
水冷。長い間ポルシェが快く両手を広げて歓迎できなかったロジックだ。一方でポルシェは非難の炎をかわすためのスポーティなモデルを周到に用意していたのだ。そのモデルはGT3と呼ばれた。GT3は、ル マンで戦ったエンジンに近い純血種のスポーツエンジンをリアに備えた高性能モデルだ。今日、我々はGT3が生まれつきのクラシック911だと納得している。この初期のモデルは、3.6リッターエンジンから360馬力を熱狂的に発揮し、7800rpmでピークに達する。優れたハンドリング、巨大なコーナリングスピード。しかし、911の古典的なコーナリングの精神に従うことにはまだ価値がある。ストレートでブレーキをかけ、頂点であまり生意気にならず、その後で巨大なグリップを活用してパンチを早く繰り出す。これぞ真の911。そのことは間違いない。

データ – 排気量: 3,600cc; 最高出力: 360hp@7,200rpm; 最大トルク: 370Nm@5,000rpm; 乾燥重量: 1,350kg; 加速: 0-100 km/h 4.8秒; 最高時速: 302km/h; 現在の市場価格: 82,000ユーロ(約1,025万円)

ポルシェ911 GT3(996)は、新しい時代の最もエキサイティングなモデルだ。そして、古い911の精神が生き残っている証拠となるモデルでもある。今でもこのGT3は最高だというファンも多いことはその証明である。

さああなたは、どの911を愛するのか?

田舎道であろうとル マンであろうと、911は引っ張ることはせず、後ろから強力にプッシュする。
進化と圧倒的なパワーは、911のオリジナルの細胞がVWビートルの構造から発芽したと信じることを難しくする、がしかし、事実はそうなのだ。

振り返れば、今日最も重要なことは、ポルシェがすべてを正しく行っているということだろう。常に発展し、しかし時にはしばらく放置することもあって、バラエティーに富んだモデルを生み続けている。時はスポーツグッズとして、時には活発なツアラーやヴィンテージカーとして納得させる魅力がどの911にもある。そして常に喜びのオブジェクトとしての911が。911は、どれもやはり911なのである。
なお、私の今回のパーソナルチョイスは993カブリオレだ。

Photos: Jens Mönnich
Text: autobild.de