【このクルマなんぼスペシャル】ほぼ新車の1500馬力スペシャルモデル ブガッティ シロン ピュールスポールがオークションに その価格は?

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貴重な機会: ほぼ新車のブガッティ シロン ピュール スポールの「中古車」が米国でオークションに出品されている。1500馬力の限定スペシャルモデルの現在の入札価格は、すでに元値を上回っている。

公式には、「ブガッティ シロン」は完売している。500台の予定生産台数がすべて納車されたわけではないものの、ディーラーに行って新型シロン(スポール、ピュールスポール、スーパースポーツのいずれでも)を注文することは、もはや無理なのだ。米国のオークションサイト、bringatrailer.comでは、現在1500馬力の「ブガッティ シロン ピュールスポール」がオークションに出品されている。値段は? お買い得以外の何物でもない!

ドイツでは、60台限定の「ブガッティ シロン ピュールスポール」の新車価格は357万ユーロ(約5億円)だった。むろん、アメリカでも、「シロン ピュールスポール」を自分のものにするには、モールスハイム(フランス)に、米ドルで同等の金額を送金しなければならないことに変わりはなかった。外装色「レイクブルー」と「ブガッティライトブルースポーツ」のこの個体の、最初で唯一のオーナーは、いくつかのエクストラ装備も注文し、そのうちのいくつかは高価なものだった。

壮観: 通常のシロンの格納式ウイングではなく、XXLサイズのリアウイングが鎮座している。

贅沢なエクストラ装備

米国で人気の「ウィンドウステッカー」を見ると、例えばブレーキキャリパーのブルーは6,200米ドル(約80万円)、ヘッドレストのEBロゴは3,100米ドル(約40万円)、シートベルトのブルーは2,500米ドル(約33万円)の追加料金がかかっている。

少し高価なのは、3Dプリンターで作られたテールパイプ(黒)で、15,000米ドル(約198万円)だ。60,000米ドル(約790万円)の「ピュールスポール インテリアパッケージ」や、62,000米ドル(約815万円)と新車の「VWゴルフR」よりも高い「スカイビュー(Sky view)」というガラスルーフは、本当に高価なものだ。

ビジュアリーカーボン仕上げのような高価なオプションが注文されなかったにもかかわらず、総価格は3,871,500米ドル(約5億1,100万円)に相当する。2色のブルーは、ブラックレザーとアルカンターラにブルーのアクセントを加えた控えめなインテリアとの相性も抜群で、全体的にクラシックな仕様となっている。

ノーブル: ブラックのコックピットにブルーのアクセント。ドアパネルの模様は、シロンピュールスポールのみだ。

ところで、「ピュールスポール」は、「シロン」に新しいホイールと大きな翼をつけただけだと考えている人は、完全に間違っている。「ピュールスポール」の変更点は、まったく新しいクルマといってもいいほど多岐にわたっているのだ。シャーシ、エンジン、ギアボックス、デザインは広範囲に渡って最適化されている。「ピュールスポール」のプレスリリースには、「これまでで最も妥協のない、同時に最も俊敏な現代版ブガッティである」と書かれている。

ピュールスポールはシロンより50kg軽い

ブガッティは合計で50kgの軽量化を実現した。1,980kgという車重の割には、50kgの軽減はたいしたことはないと思うかもしれないが、この節約にかけた努力は大変なものだった。エクストラソフトセミスリックのミシュラン製スポーツカップ2Rは、「ピュールスポール」のために特別に開発された。これに併せて、ブガッティはシャーシセッティングを再調整した。その結果、フロントスプリングは65%、リアスプリングは33%剛性が向上した。

カーボンスタビライザーはロールを最小限に抑えるよう設計され、2.5度のネガティブキャンバーは、より優れたコーナリング性能を確保するよう意図されている。同時に、タイヤと極端なキャンバーの組み合わせにより、最高速度は「わずか」350km/hに抑えられ、「ピュールスポール」はシロンの中で最も遅い車となった。

軽量: 20/21インチのマグネシウム製ホイールにより、合計16kgのバネ下重量を軽減。

しかし、ブガッティは、軽量化、シャーシの改良、完全な新タイヤにまだ満足せず、記念碑的な「W16」エンジンとトランスミッションも最適化し、「シロン ピュールスポール」の適用分野に特別に適応させた。定格出力は1500馬力、1600Nmと書類上は変わらないが、最高回転数は6700rpmから6900rpmに引き上げられた。

同時に、ギアボックスが見直され、変速比が15%短縮されたため、弾性値は「シロン」より40%高くなっている。数字にすると、6速で時速60kmから120kmまで加速するのが、「シロン」よりも2秒近く速いということになる。

このブガッティはわずか771kmしか走っていない

この「シロン ピュールスポール」の最初で唯一のオーナーが、その性能をフルに発揮したかどうかは疑わしい。スピードメーターはわずか479マイルを示しており、これは約771kmに相当するからである。しかし、ブガッティは納車前にテストベンチや路上で数々のテストを行い、その後走行距離をゼロにすることはないため、ほとんどのモデルが300~600kmの走行距離で納車される。そのため、オーナーはこの「シロン ピュールスポール」に、ほぼと言っていいほど、乗っていないと思われる。

クラシック: 最初のオーナーは、ブガッティ特有の「デュオスプリット」(2色のブルー)を選択した。

したがって、「ピュールスポール」が最高のコンディションであることは、驚くには値しないだろう。使用感やダメージの痕跡を探しても無駄で、もちろんハイパーカーには事故も再塗装もない。文字通り、このブガッティは新品の状態だ。販売価格には、カーボン製のカーカバー、充電器、ナンバープレートホルダーが入ったオリジナルアルミボックスと、スペアキー、USBメモリ、書籍が入った高貴なカーボンキャスケットが含まれている。

現状での最高入札価格はすでに元の価格を上回っている

オークションはまだ数日続くが、現在の最高入札額はすでに390万ドル(約5億1,500万円)で、元値をわずかに上回っている。しかし、オークション終了まで、まだ時間があることは確かだ。これが、今日、「ブガッティ シロン ピュールスポール」の(ほぼ)新車を所有しようとする顧客が支払わなければならない価格だ。そして、このような車は、たとえあったとしても、通常、テーブルの下で売買されるため、このような機会はあまりありえない。オークションに参加するなら今のうちだ(笑)。

Text: Jan Götze
Photo: bringatrailer.com