【初テストとアップデート情報】マセラティの新型SUV マセラティ グレカーレ トロフェオに初試乗 最新情報とともにレポート
2022年5月13日
この三叉路が刺す: マセラティ グレカーレ トロフェオのファーストドライブ。グレカーレという名は、マセラティの伝統に従って、地中海に吹く強い風に由来しており、まさにこの新型マセラティがそうでありたいと願っている – 少なくともトロフェオのトリムでは。新型SUVでファーストドライブ!
デザイン: レヴァンテの小さな兄弟で独立した外観
ライトや立体的なグリルは明らかに「MC20」からインスピレーションを受けており、新型「マセラティ グレカーレ」のデザインは明らかに機能に適応したものとなっている。マセラティのSUVはスポーツカーのようにダイナミックであってはならず、そうでなければこのブランド独自のSUVとは言えない。
そのため、チーフデザイナーであるクラウス ブッセのジレンマは明確だった。「グレカーレは、実用的でありながら洗練されたデザインでなければならないのです」。そして、彼は成功した。そのデザインに対して、フロントは「フォード プーマ」、リアはジャガーだと、嘲笑する人もいるかもしれないが・・・。「グレカーレ」がステランティス グループの「ジョルジオ」プラットフォーム(アルファ ステルヴィオもこのプラットフォームの上に載っている)をベースにしていることを考えると、その外観は非常に特徴的である。
リアでは、象徴的な「3200GT」を彷彿とさせるようなライトデザインを想定している。しかし、そのことは、プレスリリースに書かれていなければ、想像もつかなかっただろう。カーボンディフューザーと4本出しパイプがさらなるスポーティさを演出し、フロントはSUVとしてはスポーティなフラットボンネットを採用している。
エンジンと価格: グレカーレは71,000ユーロから
エントリーグレードのエンジンは、2リッター直列4気筒で、「グレカーレGT」と「グレカーレ モデナ」に搭載されている。ターボチャージャー付きユニットは、「GT」バージョンで300馬力、「モデナ」バージョンで330馬力を発揮する。最大トルク450Nmは、8速オートマチックトランスミッションを介して4輪に供給される。「GT」のベース価格は71,519ユーロ(約970万円)で、よりパワフルな「モデナ」バージョンを求める人は最低でも81,991ユーロ(約1,110万円)が必要となる。
【車両データ】
モデル | マセラティ グレカーレGT | マセラティ グレカーレ モデナ |
パワーユニット | 直4ターボ、フロント縦置き | 直4ターボ、フロント縦置き |
排気量 | 1995cc | 1995cc |
最高出力 | 300PS@5750rpm | 330PS@5750rpm |
最大トルク | 450Nm@2000~4000rpm | 450Nm@2000~5000rpm |
駆動方式 | 全輪駆動、8速オートマチック | 全輪駆動、8速オートマチック |
全長/全幅/全高 | 4846/1948/1670mm | 4847/1979/1667mm |
平均燃費 | 10.8km/ℓ | 10.7km/ℓ |
CO2排出量 | 208g/km | 210g/km |
0-100km/h加速 | 5.6秒 | 5.3秒 |
0-200km/h加速 | 23.7秒 | 21.9秒 |
最高速度 | 240km/h | 240km/h |
価格 | 71,519ユーロ(約970万円)より | 81,991ユーロ(約1,110万円)より |
【車両データ】
モデル | マセラティ グレカーレ トロフェオ |
パワーユニット | V6ツインターボ、フロント縦置き |
排気量 | 3000cc |
最高出力 | 530PS@6500rpm |
最大トルク | 620Nm@3000~5500rpm |
駆動方式 | 全輪駆動、8速オートマチック |
全長/全幅/全高 | 4859/1979/1659mm |
平均燃費 | 8.9km/ℓ |
CO2排出量 | 254g/km |
0-100km/h加速 | 3.8秒 |
0-200km/h加速 | 13.8秒 |
最高速度 | 285km/h |
価格 | 111,003ユーロ(約1,500万円)より |
最上級の「トロフェオ」エンジンのボンネットの下には、F1のツインターボ充電と革新的なプレチャンバー点火を備えた3リッターV6が搭載されている。「MC20」の報道を見てきた人ならこの時点で思い起こすかもしれない。これは「マセラティ ネットゥーノ(Nettuno)V6」というパワーユニットではないかと。だがそれは間違っている。ボアやストロークが同じであるなど、ハイエンドエンジンのディテールを踏襲してはいるものの、モータースポーツ用のドライサンプ式潤滑装置は搭載していない。
このエンジンは、部分負荷領域で右バンクを停止させる気筒休止システムを搭載している。もちろん、そのためには別のオイル回路が必要であるため複雑な仕組みが用意されている。そんな「グレカーレ トロフェオ」の価格は111,003ユーロ(約1,500万円)からとなっている。
0-100km/h加速: グレカーレ トロフェオで4秒を切る
「トロフェオ」の最高速度は3.8秒、最高速度は285km/hである。シャシー面では、「トロフェオ」にロールスタビライザー付き可変エアサスペンションが標準装備されている。小型モデルの「GT(300馬力、直4マイルドハイブリッド)」、「モデナ(330馬力、直4マイルドハイブリッド)」にはオプション設定されている。オフロードモードでは通常よりプラス60mm、コルサモードではマイナス40mmと、走行モードに応じて最大10cmの地上高を変化させることができるようになっている。
インテリア: トロフェオの出来映えは、驚くほどしっかりしている
「トロフェオ」のインテリアは、シンプルなエレガンスと驚くほど強固なワークマンシップで我々を魅了する。中央のディスプレイは対角12.3インチで、その下に8.8インチのセカンドスクリーンがある。タッチ操作だけでなく、音声による操作も重要な要素となっている。そこでは、デジタル化されたセントラルクロックが活躍し、ボタンひとつでパーソナルアシスタントになる。
ドライビングインプレッション: シャープなグレカーレ トロフェオで初スピン
我々は、すでに530馬力の「グレカーレ トロフェオ」のハンドルを握り、マセラティの小型SUVを初めて走らせることが許された。まず驚かされるのは、インテリアの品質とワークマンシップの面で、マセラティが計り知れない進歩を遂げていることだ。きしむ音もなく、素材の選択も仕上がりも最高水準だ。
さらに、SUVは実に現代的で、多くの機能をタッチやボイスコントロールで入力することができるようになっている。12.3インチのメインディスプレイの下には、エアコンをコントロールする8.8インチのスクリーンがもう一つ備わっている。
デコボコ道はグレちゃんの敵
田舎道ではそのポテンシャルを十分に発揮できないものの、6気筒エンジンに眠る素性の良さをうかがわせる。なにしろ、このSUVは285km/hに到達し、わずか3.8秒で100km/hの大台を突破することができるのだ。本革シートは、座り心地と横方向のサポート力を両立しているので、長時間の移動も問題ない。ステアリングは直感的に操作できるが、車体側ではアスファルトの鋭いエッジが「グレカーレ」の敵だ。特にシャープな設定はもちろん、ノーマルモードでもSUVの跳ね返りが非常にラフだ。
結論:
マセラティは、実績あるベースに、エモーショナルなSUVを乗せることで、成功のレシピを得たような気がする。価格、性能、広さ、大きさにおいて、「グレカーレ」はポルシェ マカンの上に位置するほどだ。
Text: Alexander Bernt and Sebastian Friemel
Photo: Maserati S.p.A.