【このクルマなんぼ?】90年代の高性能セダン×7台 その価格は上昇中? 現在の値段は?

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こうした高性能なヤングタイマーリムジンはとても価値がある。特に1990年代のパワーセダンは、若いクラシックカーファンにとっては魅力的な存在だ。現在需要の高まりとともに、価格も上昇している。我々は7台の強力な候補車を紹介する。

ヤングタイマーパワーリムジンがかっこいい。強力なエンジンとスポーティな特別仕様車が、90年代のサルーンの需要と価格を牽引している。「特に若い購買層がこれらの車を求めている」と、市場分析会社「クラシックデータ」のマリウス ブルーネは言う。

品質が悪く、メンテナンスが滞っているエキゾチックカーでさえ、最近また価値が上がっている。おそらく、ブルーネ氏が推測するように、今、クラシックカー市場の「全般的に良い雰囲気」という結果なのだろう。

多くの売り手が過大な希望価格を提示している

確かに、売り手が管理しやすいオファーでハイパーカーを提供することで、価格設定が難しくなることはよくあることだ。例えば、時価と再調達価格(盗難や事故の後、短期間で同等の車両を手に入れるために購入者が負担する金額)の乖離は数万ユーロ(数百万円)に及ぶこともある。

ベントレーのローリングパレスの価格は底を打った。コンディション2の個体は、最後には、26,000ユーロ(約355万円)以上の価値があった。

90年代のポテンシャルサロンの市場概要

例えば、「メルセデスE 60 AMG(W124)」では、場合によっては20万ユーロ(約2,750万円)以上支払われることもある。そして、現在では、コレクターズコンディションの車の中では入手困難なものもある。例えば、数少ない「サーブ9000エアロ」は、通常、走行距離が非常に多く、それ相応の使用痕跡を伴っている。

ブルーネ氏は、現在、「アウディS6クワトロ」をはじめとする、アウディのスポーツモデルのブームを目の当たりにしている。「クワトロと書かれたものは、数年のうちに本当に高価になってしまった」。前者の技術によるリードは、価格によるリードでも実を結んでいるようだ。

1990年代のパワーサルーンの市場分析

アウディS6 4.2
スポーティなアウディのクルマは、とても需要が高い。1994年に「A6」と改称された「アウディ100C4」のトップモデルもその恩恵を受けており、4.1リッターから290馬力を発揮するV8搭載モデルとして、6年間で2倍以上に価値が上がり、現在では2万ユーロ(約275万円)の大台に乗りつつある。「アバント」モデルは、「アウディS6 4.2サルーン」より10%高く表示されている。ターボ5気筒(2.2リッター/230馬力)は需要が少なく、2,000ユーロ(約27万円)も安く表示されている。価格グラフの薄赤色のカーブは「コンディション2」、薄赤色は「コンディション3」に該当する車両を示す。しかし、パワーセダンの市場分析では、以下の通り、さらに多くの成功例がある。
大林晃平: アウディの「S6」や「S8」は日本でもっとも過小評価されている自動車だと思う。この年式まで古くなくとも、数年落ちでも500万円以下が普通、300万円程度でも購入可能な物件多し。しかしアウディの場合は、交換パーツがけっこう高額なのと、旧いモデルはトラブルも多いので、あまりクラシックなモデルは避けたほうが吉、かもとだけアドバイスしておきたい。
ベントレー ターボR
例えば、グレートブリテンからのローリングパレス: ちょうどスランプから脱したところだ。当初は320馬力、後に360馬力、最終的には425馬力の「ターボRT」として登場したこの怪物は、ベントレーの輝かしい復活を支えた。「ベントレー ターボR」を最も得意としたドライバーの一人が、英国王位継承者であるチャールズ皇太子である。「ロールスロイス シルバースピリット」のスポーティな兄弟車は、40万マルク(約2,850万円)を超える当時の価格と比較すると、現在ではバーゲン価格である。しかし、高いメンテナンスコストや、メンテナンスの滞りに対する(正当な)不安が、購入意欲を減退させる。しかし、どうやら愛好家たちはリスクを取る勇気が出てきたようで、普通の平凡なコンディションの個体でも値段が上がってきている。
大林晃平: もっとも維持するのにお金と労力が必要なSZ系ロールスロイスとベントレー。特にこの「ターボR」は相当な根性と愛情なしでは、血尿の出るほどのストレスになる可能性あり。日本でも現在、結構な数の中古車が売られているが、コンディションにより、300~600万円程度が一般的な取引額。しかしそのあとの整備代金は、きっとその車輛価格のウン倍なはず・・・。
ランチア テーマ8.32
的外れ。当時、「ランチア テーマ8.32」のボンネットに横置きされたフェラーリV8は、法外な維持費と「メルセデス300E」レベルの性能しか生み出さないという噂が広まった。しかし、「ランチア テーマ」のスタイリッシュなドレスに、フェラーリのV8エンジンというコンビネーションに誘惑された人は多かった。215馬力の3リッターV8を搭載した「8.32」は、決して高い買い物ではないものの、これ以上安くなることはないだろう。
大林晃平: 個人的に夢の車であり、あこがれの一台。そんな「8.32」が今やこの値段か・・・、と迂闊に手を出すのは絶対に危険。おそらく維持にはこの車輛価格の何倍もかかり、直したはずのところから再び修理が必要になる・・・。そんな手のかかる一台である。特に日本の梅雨から夏の終わりまでは乗っちゃいけません。令和4年4月現在、「8.32」は日本でも4~5台が売っているが、価格は300~500万円程度が一般的。そんな価格ならば、やっぱり買っちゃおっかな、という人を止める気はまったくありません。一種の趣向品ですから。
MG ZT260
「マスタング」のV8を搭載したローバーが始動: 「フォード マスタング」のパワートレインへの「75」の改造は、2003年のローバーの最後のひねりの一つであった。ヤングタイマーファンの間では、「MG ZT 260」の4.6リッターの排気量から260馬力を発生するMG旗付きV8(883台)が、希少な存在として注目されている。左ハンドルやステーションワゴンの場合は、もう少し価格はアップしそうだ。
大林晃平: この「ローバー75」に強引にV8を押し込んだハイパフォーマンスバージョンモデル、かすかに覚えている。でもちゃんとしたロードインプレッションをみた記憶もなければ日本で売っていたかどうかも記憶になし、オリジナルの「ローバー75」は結構好きだったけれど、この「ZT260」はどうにもこうにも記憶に薄い。チェックしてみたが、もちろん今現在、日本には中古車は一台もなかった。
オペル ロータス オメガ
パワーオメガが巻き返す: イギリスのロータス社で988台製造されたパワーオペルは、一時期低迷していたが、今やその勢いを取り戻した。排気量3.6リッターの直列6気筒377馬力で283km/hを発揮した「オペル ロータス オメガ」は、かつて、「BMWアルピナB10ビターボ」に次ぐ、世界最速のセダンであった。しかし、実情は、5万ユーロ(約680万円)を超えると、トップカーであっても、人々の反応は薄くなる。
大林晃平: 一時期エンスージャストの間でもちょっと注目された「ロータス オメガ」。かなりのじゃじゃ馬だったようで、無理してコントロールできなくなることもあったといううわさ話を聞いたことがある。もうじきオペルは日本に戻ってくるという話もあるが、こういうハイパフォーマンスバージョンもあるのだろうか。ちなみに現在、日本でのオメガの中古車流通数は0(ゼロ)台だった。
メルセデスE60 AMG
最も高価なもの: 90年代最強の「Eクラス(381馬力)」は147台製造された。既製品の「E500」の2倍以上の価値がある。特に、12台しか製造されなかった「リミテッド」エディションは、垂涎の的だった。8気筒エンジンは、0-100km/h加速が5.4秒、最高速度は250km/hで電子制御されていた。「メルセデスE 60 AMG」の「通常版」は、コンディション2(=良品・無欠点)で、11万ユーロ(約1,500万円)から市場に出回っている。
大林晃平: 「W124」の「E60」、その中でもリミテッドエディションはさすがに珍品中の珍品。台数も少なければ流通もほぼなし。個人的には「E60」買うよりも、普通の「500E」をオリジナルで乗りたいと思ってはいるが、もはやちゃんとした維持には相当の根性と投資が必要。でも「500E」は永遠のあこがれの一台ではある。蛇足ながら「W126」の「E60」、今現在の日本でも2台が中古車販売中。価格はざっと2,000万円くらいのライン。
サーブ9000エアロ
1990年代の最も手頃なパワーリムジン: 現在、「サーブ9000エアロ」は、コンディション3、つまり即運転可能で、保存に値する状態で、5,600ユーロ(約76万円)から入手可能となっている。220馬力の5ドアは、1990年代のサーブのトップモデルであった。ファンにはたまらない、衝動的に引っ張るターボと、セミアニリン本革のバケットシート。今や良い状態の個体は希少であり、価値の上昇もスピードアップしている。
大林晃平: 日本でも一時期人気が高かったサーブ。実際に乗ってみてもほんわかしていい車であった。「900」はもちろん、「9-5」も実に大人の自動車だったが、それよりもやややんちゃな?「9000エアロ」。さすがに平成4年現在、「9000」の流通はゼロ台。もし見かけてもきっとパーツなどの確保が大変なので、そっとしておいてあげてください。

Text: Martin G. Puthz
Photo: autobild.de