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【電気自動車ランキング】ドイツならではのユニークなデータ アウトバーンでの高速巡航での航続距離チェック×22台 果たして栄えある1位は?

2022年4月10日

この22台でアウトバーンを走ると、e-carのバッテリーはどこまで持つか? メーカーが約束するe-carの航続距離も、アウトバーン(高速道路)では、どうせ実現できない。それとも、できるのか?1回のフル充電で、時速130kmでどれだけ走れるか、22台のE-Carで検証してみた。フルレポート。

プーチンのウクライナ戦争による燃料価格ショックで、電気自動車への関心と需要がさらに高まっている。一時は電気自動車用の電気代が内燃機関用の燃料の半分になったことさえある。そのため、電気自動車に興味を持つドライバーが増えているのも不思議ではない。そして電池がどんどん大きくなっていることは、自信&安心にもつながる。容量が増えるにつれて、ドライバーの航続距離への不安は減りつつあるからだ。

とはいえ、E-Carを購入する際には、やはり航続距離が大きな問題となる。電気自動車はすでに通勤には十分適している。また、今や、急速充電も各所で可能なため、長距離に適しているものも多く存在する。

でも、週末に向こうのお義母さんから電話がかかってきたら、どうする?あるいは、必ずしも近所にあるわけではない外国での毎年の休日も?その場合、200kmごとに充電休憩を取らざるを得ないようなバッテリーサイズであってはならない。節電のために、転がり抵抗を低減したe-car専用タイヤもすでに販売されている。

しかし、高速走行時には、風の抵抗は最大の敵だ。高速道路でスピードが出れば出るほど、フロントガラスの前にある見えない壁がエネルギーを奪っていくのだ。それでいて、途中で充電休憩をしないのであれば、そこにたどり着くために空力性能はとても必要なものなのだ。

特に電気自動車の場合、航続距離は速度に極端に左右される。80km/hからは、消費カーブが急激に上昇する。時速130kmでは? 我々は、スーパースポーツカーからコンパクトカーまで、22台の最新の電気自動車を、アウトバーンを使った高速長距離旅行に送り出した。以下はその結果である。

電気自動車は高速道路でこれだけ走る:

第22位: マツダMX-30: 140km
マツダは、あえて小さな電池を搭載した電気自動車を作った。これは、ほとんどの人が一度に50kmメートル以上通勤することはほとんどない、という考えからだ。「MX-30」は、搭載バッテリーの重量が300kgで、35.5kWhと、他の電気自動車用バッテリーの半分程度のエネルギーしか蓄えられない。そのため、「MX-30」は高速道路で140kmしか走れない。
第21位: プジョーe-リフター: 164km
電気駆動のデリバリーバン・・・。まだ数は多くない。プジョーは最近、136馬力と前輪駆動で135km/hまで出せる「e-リフター(Rifter)」を提供している。リーズナブルな価格(37,950ユーロ=約500万円~)は、華やかさよりも実用性を重視する人向けだ。バッテリーは50kWhとそれほど大きくはないが、「e-リフター」はレーシングカーではないので、その点はご了承ください。高速道路走行距離: 164km
第20位: オペル コンボ e-ライフ: 171km
「プジョーe-リフター」の姉妹船で、技術仕様は同じだ。136馬力の電動モーター、50kWhのバッテリー、十分な車内スペースなどなど。唯一の違いは、プジョーのバンよりも約500ユーロ(約6万6千円)高い価格だ。その分、高速道路での航続距離は171kmと若干伸びている。
第19位: メルセデスEQB 350: 200km
「EQA」より一回り大きく、全長も22cm、重量も70kgほど重い、電気駆動のミッドサイズSUV、それが「EQB」だ。最大バージョンの「350」は、メルセデスでは「4MATIC」と呼ばれる全輪駆動を常に備え、292馬力発揮する。バッテリーパックは全モデルで66.5kWだ。日常生活では、高速道路の行動範囲が200kmもあれば十分だ。
第18位: VW ID.3 Pro 150 kW: 216km
VWとして初めてe-car専用に設計された「Pro」バージョン(35,460ユーロ=約468万円)~)は、シティコミューターとして適している。サイズに適合した58kWhという中型のバッテリーサイズが搭載されている。他の「ID.3」バリエーション同様、コンパクトは160km/hで最高速度が電子制御されている。航続距離は426kmとされているが、130km/hの高速道路走行での実際の航続距離は216kmだ。
第17位: メルセデスEQA 250: 222km
メルセデスの電動小型SUV「250(47,540ユーロ=約627万円~)」は、車内は広く、快適な装備で、190馬力の電動式前輪駆動により、動力も爽快だ。最高速度(電子制御): 160km/h。しかし、「EQA」のバッテリー容量は66kWhしかなく、高速道路テストでは222kmしか走れないので、本当の長距離車とは言えない。
第16位: ボルボXC40リチャージ: 227km
ボルボの電動SUVは、2021年末から発売されている。価格は最低でも57,900ユーロ(約752万円)。蓄電池は69kWh。フロントアクスル上の電動モーターは最大231馬力を発揮し、最高速度は電子制御で160km/hに制限されている。「XC40リチャージ」は時速130kmの高速道路テストにおいて、227kmの走行距離を記録した。
第15位: オペル ザフィーラe-Life: 250km
全長5m近い「ザフィーラe-Life」は、136馬力でやりくりしている。オペルにとって全開となる130km/hで、一気にバッテリーを消耗する。ひとつだけはっきりしているのは、このモデルは都市にふさわしいということだ。最大100kWの充電が可能。ミニバスの価格は63,350ユーロ(約836万円)から。今回のテストでの航続距離: 250km。
第14位: ポールスター2 SMロングレンジ: 254km
シングルモーターの前輪駆動バージョンは231馬力、バッテリーは78kWhの容量で、今回の高速道路テストでは、前輪駆動の「ポールスター2」は254kmを達成した。
第13位: ポールスター2 DMロングレンジ: 258km
スポーティバージョンの「ポールスター2」は、ほぼ2倍のパワーを備えている。全輪駆動、78kWhバッテリー、最大476馬力の51,500ユーロ(約679万円)のセダンは、最高速度205km/hに達することができる。しかし、全輪駆動のポールスターは、130km/hで走る高速道路で258kmと、それほど遠くには行けない。
第12位: メルセデスEQV 300: 273km
大型電動モーターの場合、最大4,630リットルの荷物を積むことができ、重量は3.5トンだ。電動バンとしては、204馬力はむしろ平凡に思える。加速は140km/h(オプションで160km/h)で停止する。110kWで急速充電が可能。価格: 71,388ユーロ(約942万円)から。高速走行時の航続距離: 273km
第11位: BMW i4 M50: 299km
明らかに、「i4」の高性能バージョンはマラソンの才能がない。経済性ではなく、追従性のために切り詰めた。「i4 M50」の0-100km/h加速は、3.9秒だ。544馬力と80kWhの蓄電ユニットを備えた全輪駆動スポーツセダンの航続距離は510kmとされているが、実際には、130km/hでアウトバーンを走ると299kmと、もっと早く電池が切れてしまうのだった。
第10位: テスラ モデルYロングレンジ: 304km
SUVのクロスオーバーは、航続距離がかなり短い。試乗車は、全輪駆動と77kWhのバッテリーを搭載した「ロングレンジ」モデルまであり、56,990ユーロ(約752万円)から用意されている。「モデルY」はこの構成で533kmを走破するとされているが、今回の高速道路テストでは304kmという残念な結果に終わっている。
第9位: アウディQ4 e-tron 40: 326km
「Q4」は、「VW ID.4」と密接な関係にあり、「40」バージョンは77kWhのバッテリー容量を持ち、エンジンも204馬力(ID.4 Proパフォーマンスと同様)を発揮する。したがって、アウディの後輪駆動SUVの高速走行距離が326kmとグループ兄弟車のそれと大きく変わらないのは驚くことではない。
第8位: VW ID.4 Pro: 328km
フォルクスワーゲンの電気自動車の命名法では、「Pro」は2番目に高い性能レベルを示している。電気駆動のSUVは、後輪駆動で174馬力、77kWhのバッテリーを搭載している。これにより、約2.5トンの乾燥重量を時速160kmまで持ち上げる。実験室では520kmの走行が可能だが、実際の高速道路では328kmだった。
第7位: VW ID.4 GTX: 332km
「ID.4」のスポーツバージョンは、全輪駆動で299馬力を発揮し、180km/hを達成する。価格: 48,900ユーロ(約645万円)より。最大125kWの急速充電が可能。130km/h走行時の航続距離: 332km。
第6位: テスラ モデル3パフォーマンス: 337km
「モデル3パフォーマンス」は、性能の大きな約束を印象づける。全輪駆動のミッドレンジテスラは最高時速261kmで走行し、その80kWhバッテリーは最大547kmまでもつとされている。もちろん、これは希望的観測である。今回の走行テストでは、「モデル3」は高速道路での時速130km走行で337kmを記録した。
第5位: ポルシェ タイカン4S: 352km
パフォーマンス+バッテリーとオプションの急速充電機能を備え、225kWの代わりに270kW(6571ユーロの追加料金)を発揮する電動スーパースポーツカーほど、高速道路に適した車はないだろう。時速250kmに達し、正味83.7kWhのエネルギー貯蔵が可能だ。これにより、「タイカン」の航続距離は130km/hで352kmだった。ポルシェ自身は、長距離航続距離は365kmとしているが、大きな差ではない。ポルシェは、大型バッテリーを含めて113,058ユーロ(約1,492万円)からとなっている。
第3位: アウディRS e-tron GT: 367km
「タイカン」の技術兄弟は、残忍な性能(0-100km/h加速3.3秒、最高速度250km/h)だけでなく、快適性と品格も印象的だ。ポルシェより重く、強く、高価なアウディは、同じバッテリーと充電技術を使用している。そのため、理想的には20分程度で充電が完了する。アウディは、同じバッテリーを搭載し、価格は14万ユーロ(約1,848万円)からだ。高速道路では367kmと、ポルシェより少し長い距離を走る。
第3位: フォード マスタング マッハ-E GT: 367km
大型バッテリー、全輪駆動、十分なパワー(トップモデルは487馬力)の巧みな組み合わせで、電動マスタングは時速130kmで367kmの距離を一気に走破することができる。大容量バッテリーは最大150kW(それ以外は115kW)で充電し、10%から80%にするのに45分必要だ。「マスタング マッハE GT」は、63,700ユーロ(約484万円)から購入可能だ! 価格性能比は顕著だ。高速道路走行距離: 367km
第2位: BMW iX xDrive 50: 434km
2.5トンの車両は4.6秒で100km/hまで加速し、セダンのように跳ね上がり、ほぼ無音である。高速道路では、434km走行するまでプラグを抜く必要はない。適切な充電ステーションを使用すれば、195kWの出力で39分以内に80%の充電に到達する。535馬力と105.2kWの巨大なバッテリーのためには、少なくとも10万ユーロ(約1.320万円)が必要となる。130km/hでの航続距離=434km。お見事!
第1位: メルセデスEQS 4MATIC: 444km
523馬力「EQS」の場合、135,529ユーロ(約1,788万円)から。200kWの余裕ある充電電力により、700kg近い重量の108kWhの巨大なバッテリーを31分で10%から80%まで充電することができる。電気自動車の「Sクラス」には、高速道路で444km走行するのに必要なエネルギーが供給される。

結論:
結果は、時にポジティブ、時にネガティブと、驚くべきものだった。しかし、「メルセデスEQS」の444kmを超える距離を達成したものはない。バッテリー技術の進歩はまぎれもない事実だが、すべてのクラスの日常的な使用に十分耐えうるトラベルレンジを実現するには、まだ長い道のりがある。

Text: Gerald Czajka
Photo: autobild.de