【エブリデイテスト】BMWのトップモデルM8を日常生活の足として使用&テスト スイスまでスキーに出かけてみた その結果は?
2022年4月3日
BMW M8コンペティション グランクーペは、完璧なツーリングカーだ。BMW M8コンペティション グランクーペを日常的な試乗車として、我々はスイスにスキーに出かけたのだが、そこでひとつ、とても危険な道へと進路を間違えてしまった。レポート。
アウトー! そうだったのか・・・。20万ユーロ(約2,660万円)モデルが雪に沈んだ。正確には、スイスのスキー場の雪の中で、だ。前進? 不可能だ。後進? ありえない。そして、ゲレンデの真ん中に置かれた「BMW M8」と呼ばれる大きな青い何かに、スキーヤーたちが不審の目を向けるのも無理はない。そして、私が本当にやりたかったことは、ただ駐車場に入れることだったのだ・・・。
M8グランクーペは旅に最適だ
「BMW M8コンペティションxDriveグランクーペ」の日常テスターを連れて、私の故郷であるスイスに休暇に行くことにした。総走行距離は約2,500km、その旅のメインハイライトとして、4人で山へスキーに行くことにした。車内は広々としているし、同僚のデニス ハイネマンがすでにテストしていたように、ハイパワー全輪駆動モデルは雪にも強いはずだ。
ハンブルクのAUTO BILD編集局からスイスのバーゼルまでの約900kmを、BMWは軽々と走破する。穴のあいたカーボン製のバケットシートが、こんなに快適で旅行に適しているなんて驚きだ。交通量の少ないクリアなコースでは160km/hが最適な巡航速度になり、625馬力のパワーがゆったりとした走りを実現する。驚き: 4.4リッターV8ツインターボは、100km走行あたり11.9リットル(8.4km/ℓ)という驚くほど少ない燃料消費量で、130km/h巡航では9リットル(11.1km/ℓ)という数値を確保するほどだ。
ほぼ無限に広がる空間
翌日、バーゼルで家族全員と荷物、スノーボードを受け取り、正直、「グランクーペ」の広さに驚かされる。4人がゆったりと座れ、440リットルと非常に深いラゲッジルームは、5つの旅行バッグを簡単に飲み込み、トランクスルーのおかげでスノーボードは後部座席の間に滑り込ませることができた。
エンジンとトランスミッションはポエム
グリンデルワルトへの谷間で、M8は初めてスイス連邦の雪を見ることになる。冬用タイヤと「xDrive」全輪駆動のおかげで、冷たく濡れた路面でも十分なグリップを発揮し、エンジンとギアボックスは角度のある舗装路でポエム(詩)のような走りを見せてくれた。V8はスロットル操作に対して極めてダイレクトで、高速道路では8速オートマチックが淡々とギアを供給していたが、雪上では極めて素早く、力強くギアを叩き込む。完璧だ! 本当は「V8サウンドが轟音とともに谷間を駆け抜ける」などと書きたいところだが、それにしてはあまりにも音が小さすぎる。
全輪駆動は深い雪では利用を控える必要がある
とにかく、BMWを谷に置いて、私は写真の課題を思い出す。やはり、ストーリーには視覚的な背景が必要だ。山のパノラマを背景に、雪に覆われた駐車場をイメージしていた。しかし、残念ながら、駐車場のすぐ横にある標識のない分岐点は、雪が深く、2トン車はすぐに柔らかい雪に食い込み、動けなくなってしった。全輪駆動でも、もうどうにもならない。
ここで、冒頭の話に戻る。雪に埋もれたその場所で、「三菱パジェロ」のレッカーサービスが到着するまで待つことになった。しかし、「パジェロ」も「M8」の数メートル手前で立ち往生してしまい、問題を複雑化させるだけだった。その後、スノーチェーンを装着したトヨタの「ランドクルーザー」がやってきて、我々を引っ張り出してくれた。幸いなことに、「M8」には何事もなかったが、深い雪や轍のあるスキー場での使用には冷静な判断が必要だということを改めて学んだ。グリンデルワルドさん、甘く見てすみませんでした。
BMW M8コンペティション グランクーペ日常走行テスト
• 通勤: 毎日のショートトリップには燃費も含めてM8は向いていない 5点満点中3点
• ショッピング: 360度カメラを搭載しながらも、狭い駐車場は広々とした「M8」の敵だ 5点満点中2点
• トランク: 折り畳み式のリアシートベンチは、非常に実用的だ 5点満点中4点
• 休日: パーフェクト! 長距離ドライブでは絶対的なドリームカーで、スペースもちゃんとある 5点満点中5点満点
• 趣味: 人それぞれ、ゴルフには最適だが、マウンテンバイクにはあまり適していない 5点満点中3点
• 日常生活: 経費を見なくて済むならオーケー 5点満点中4点
• 私自身について: モーリッツ ドカ(Moritz Doka)、AUTO BILD編集記者
• 居住地: ハンブルグの中心部、St. Georg
• 交通の便: バス、地下鉄、郊外鉄道、長距離交通に最適
• 使用用途: 日常生活では主に公共交通機関と自転車、長距離は車のみ
• 好きなクルマ: 日産スカイラインR34 GT-R
技術データおよび価格: BMW M8 コンペティション グランクーペ
• エンジン: V8ツインターボ
• 出力: 625PS
• 全長/全幅/全高: 5098/1943/1420mm
• トランク容量: 440リットル
• 0-100 km/h加速: 3.2秒
• 最高速度: 250km/h、305km/h(オプション)
• 燃費: 8.9km/ℓ
• 価格: 167,700ユーロ(約2,200万円)より
AUTO BILDの新しい日常テスト
10万kmの耐久試験(最終的に全分解)は、何十年も前から行われている。これは従来通りだが、AUTO BILDは、今年から日常的なテストも導入した。このテストは、長期的な品質というより、日常的な使用への適合性を評価するものだ。コンセプト: 異なるテスターが、日常生活で、より長い時間クルマを運転する。そうすることで、そのクルマが自分の生活に適しているかどうかを正確に知り、レポートすることができるのだ。
BMW M8コンペティション グランクーペ日常走行テスト
Text: Moritz Doka
Photo: autobild.de