メルセデス・ベンツAクラスは今が買いなのか? ベーシックモデルかAMGか?

1966

Aクラスは、アウディA3やBMW1シリーズに対するメルセデスからの回答だ。フェイスリフトを控えているAクラスをアウディA3やBMW 1シリーズとの比較を交えて新車、中古車の購入について指南する。

● Aクラスには常にMBUXインフォテイメントシステムを搭載
● プラグインハイブリッドも用意
● 価格は28,096ユーロ(約370万円)から

Aクラスは28,000ユーロ(約370万円)からと好条件

メルセデスは、1997年から「Aクラス」でコンパクトセグメントの代表的な存在となってきた。2018年、第4世代が発売された。現行「Aクラス」はメルセデス・ベンツから初めて最新のインフォテイメント「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンス)」システムと「ヘイ、メルセデス(Hey Mercedes)」を搭載したモデルとして発売された。ボンネットの下には、ガソリンとディーゼルのエンジンが選択でき、プラグインハイブリッドも用意されている。Aクラスはコンパクトタイプの他に、セダンも販売されている。

価格面では、メルセデスは「A 160」が28,096ユーロ(約370万円)から、エントリーモデルのディーゼルの「A 180d」は31,249ユーロ(約412万円)からとなっている。そして、ハイブリッドモデル「A 250 e」は、最低37,765ユーロ(約498万円)から購入することができる。社内チューナーのAMGも手を貸し、「Aクラス」にさらなるパワーを与えている。ただし、421馬力の最強バージョンを望むなら、少なくとも63,457ユーロ(約837万円)をテーブルに乗せる必要がある。

AクラスとAudi A3、BMW 1シリーズとの比較

ドライビングダイナミクスとインフォテインメントの面では、Aクラスが勝ち、チェックアウト(価格面)で有利なA3が総合優勝を果たした。

メルセデスAクラスは、走りの面でも驚きを与えてくれる

ドライビングダイナミクスの面でも、また違った印象がある。この点では、実際に「BMW 1シリーズ」は、「Aクラス」に対し、敗北を認めざるを得ない。「Aクラス」は、より毒性の強いブレーキ、最も確実なハンドリング、そしてより繊細で、合成的ではないステアリングのおかげで、より俊敏な動きを見せる。それに比べると、「1シリーズ」のステアリングは不快なほど感覚が麻痺しているように感じられる。一方、正確なプログレッシブステアリングを持つ「A3」を、「Aクラス」は、そう簡単には振り切れない。3台とも納得のいくパワートレインを搭載しているものの、その違いは明快だ。その中でも「Aクラス」のパワーユニットは、極めて洗練され抑制が効いている。

全体として、「Aクラス」はほとんどの特性項目でトップに立っているが、チェックアウト時にはメルセデス・ベンツは悩ましい窮屈な状況になる。これは、基本的な価格が高いからだ。ベーシックな「BMW 1シリーズ」は27,200ユーロ(約359万円)から、「アウディA3」は27,700ユーロ(約365万円)からとなっている。一方でAクラスは? 最低でも32,392ユーロ(約427万円)が必要で、アウディより約4,700ユーロ(約62万円)高く、BMWより5,200ユーロ(約68万円)も高い。また、維持費の面でもアウディとBMWが勝っている。そのため、総合優勝は僅かながらアウディに譲ることとなった。

機能別、コネクティッドカー別ランキング。
1位: メルセデスAクラス(435+65点=500点)
2位: アウディA3(435+62点=497点)
3位: BMW 1シリーズ(433+62点=495点)

総合ランキング(特性・価格・性能ランキング)による順位付け。

  • 1位: アウディA3(497+42点=539点)
  • 2位: BMW 1シリーズ(495+43点=537点)
  • 3位: メルセデスAクラス(500+32点=532点)

デザイン&サイズ: 先代に比べ、ビーズやエッジが少ない

Aクラスは1997年の登場以来、ビジュアル面でもコンセプトでも大きく変化している。3代目からは、当初の高層型からコンパクト型の典型的な形になり、エントランスも低くなっている。低く張り出したフロントボンネットと六角形のダイヤモンドラジエターグリルが、「Aクラス」をアグレッシブな印象に仕上げている。

3代目からスプリットテールランプが採用されて、トランクへの積み込みが容易になった。

ヘッドライトは先代よりも幅が狭くなり、マルチビームLEDテクノロジーも追加料金で選択可能となっている。涙型のテールランプは2分割されてテールゲートに合体し、3代目よりも荷室開口部の実用性が大幅に向上している。「Aクラス」は全長4.42メートルと、先代モデルより12センチメートル長くなり、ホイールベースも3センチメートル長くなって、乗員のための十分なスペースを確保している。

サイズ一覧:
Aクラスのコンパクトサルーン/5ドア
● 全長: 4.42メートル
● 全幅: 1.80メートル
● 全高: 1.44メートル
● ホイールベース: 2.73メートル
● トランク容量: 355~1,195リットル

Aクラス サルーン
● 全長: 4.55メートル
● 全幅: 1.80メートル
● 全高: 1.45メートル
● ホイールベース: 2.73メートル
● ブーツ: 370~1,210リットル

インテリア: MBUXを標準装備

現行「Aクラス」のインテリアは、先代に比べ格段にモダンになっている。ダッシュボードには2つの10.25インチディスプレイがあり、ナビゲーション、スピード、ラジオなどの重要な情報が表示される。その下には、センターコンソールの丸みを帯びた3つの換気ノズルと、クライメートコントロールのボタンパネルが備わっている。センターアームレストにはタッチパッドが標準装備され、センターディスプレイやインフォテインメントの操作に利用できるようになっている。

Aクラスには、インフォテインメントシステム「MBUX」が標準装備されている。マイナーチェンジされた木目パネルとシート形状に注意。

また、インフォテインメントは、ステアリングホイールとセンターディスプレイのタッチフィールド、または音声コントロールでも操作可能となっている。ホイールベースが長くなったことで、特に2列目の乗員にはメリットがある。そして、ラゲッジルームは、4人での週末の旅行に十分なスペース(355~1195リッター)を確保している。

バイヤーズガイド: Aクラスの長所と短所

初代と2代目は、座席位置の高さもあって、どちらかというとバン的で、地味なコンパクトカーとして、特に熟年層から高い支持を得たが、3代目はスポーティなデザイナーピースとして、顕著なドライビングダイナミクスを具現化したものだった。そして、2018年から販売されている4代目は、スポーティな路線に忠実なまま、購入者に最新のテクノロジーをふんだんに提供している。ベーシックバージョンでも、タッチパッド付きMBUXシステムやLEDヘッドライト、リバーシングカメラ付きパーキングパッケージなどの一部アシストなど、多くの装備が用意されている。

我々が推奨するアダプティブサスペンション

特に、標準装備のサスペンションはよくできている。ファインステアリングや「ダイナミックセレクト」も装備された「Aクラス」は、サスペンションが敏感で、機敏に操作できるのが特徴となっている。15ミリのローダウンのバージョンはやや硬めだが、これは視覚的な意味でしかない。おすすめは、明らかにアダプティブダンピング付きサスペンション(1,178ユーロ=約15万円)だ。コンフォートとスポーツという2つの定義された特性曲線は、そのデザインと機能において完全に納得のいくもので、「Aクラス」に2つのサスペンションがあるかのような印象を与える。

そして、あらゆる好みと要求を満たすエンジンのラインナップがある。少ししか乗らない人は136馬力の「A 180 7G-DCT(ベース価格: 33,850ユーロ=約446万円)」で十分満足できるはずだ。頻繁に乗る人はディーゼルモデルを選ぶといいだろう。我々のおすすめは、116馬力の「A 180 d 7G-DCT(35,545ユーロ=約470万円より)だ。もう少しスポーティでもいいが、AMGモデルは派手すぎる、あるいは予算オーバーということであれば、224馬力の「A 250 4MATIC(45,262ユーロ=約597万円より)がベストな選択となる。

基本的には、「メルセデスAクラス」は買っておけば間違いない車種ではある。コンパクトクラスに求められる要件をすべて満たしているだけでなく、技術的には標準レベルをはるかに上回っているほどだ。しかし、このことは価格にしっかりと反映されており、メルセデス・ベンツのコンパクトモデルは決して安いとは言えない。

MBUXは直感的に操作できる。音声コントロールは、時に少し煩わしさを感じることがある。

エンジン: Aクラスには4気筒を搭載

メルセデスはターボチャージャー付き4気筒エンジンを採用し、排気量は1.3リッターまたは2.0リッターだ。最小バージョンの「A 160」では、1.3リッターエンジンは最高出力109馬力、最大トルク180Nmを発揮する。そして6段ギアを介して手動でギアチェンジを行う。136馬力の「A 180」以降はオプションでデュアルクラッチが用意され、よりパワフルな「A 200 4MATIC(163馬力)」と「A 250(2リッター4気筒で224馬力)には標準装備される。

ディーゼルエンジンは2リッターで、「A 180 d」の119馬力、最大トルク280Nmから始まり、ディーゼルのトップは190馬力、最大トルク400Nmの「A 220 d」となる。「A 250 e」によってメルセデス・ベンツではプラグインハイブリッドもラインナップに加わった。1.3リッター4気筒エンジンと電動モーターを組み合わせ、218馬力と300Nmを前輪に供給する。

コンパクトなボディに最高出力421馬力を搭載

「Aクラス」には、AMGの高馬力モデルも用意されており、本当にスポーティな走りがお好みの方におすすめだ。アファルターバッハに本拠を置く同社は、2リッターターボ4気筒に3つのパワーレベルを設定した。スタートは「A 35」で、最高出力306馬力、最大トルク400Nmというスペックだ。「A 45」ではもう少しパワーアップし、387馬力と480Nmを発揮する。そして、トップモデルの「A 45 S 4MATIC+」は、421馬力と500Nmという圧倒的なパフォーマンスを発揮する。0から100km/hまでのスプリントはわずか3.9秒で完了し、最高時速は270km/hとなっている。

結論:
このマイナーチェンジされたAクラスは性能、ドライビングパフォーマンス、装備の面でもなんら不満はない。コンパクトクラスに求められる要件をすべて満たしている。ただ値段が高いのだけが悩みの種だ。
AUTO BILDテストスコア: 2

【ABJのコメント】
「メルセデス・ベンツAクラス」もマイナーチェンジの時期となった。内容は他のメルセデス・ベンツの標準に合わせるようなもので、行ってみれば予定調和のマイナーチェンジである。外装などもよほどの「Aクラス」ファンかオーナーではない限り見分けられないほどのものではあるが、内容的には細かな改良が施されていることは想像がつく。にもかかわらず、今回の比較テストでは最下位になってしまっているが、価格の問題だけが理由なのだろうか?

個人的には「Aクラス」の性格付けがややあいまいで、若者向けなのか、実用本位のモデルなのか、あるいはスポーティを売りにしているのかが「Aクラス」はわかりにくい。その点、BMWとアウディはより明確でわかりやすいのが「Aクラス」の敗因だったのではないだろうか。

個人的には「Aクラス」はメルセデス・ベンツのエントリーモデルとして、ある程度の年齢の層も安心して乗れる小さな高級車を目指してほしい。「ヘイ、メルセデス!」も、ネオン満載のアンビエントライトもわかるけれど、今回の内装フォトに使用されていた「木目パネル」、あれこそがメルセデス・ベンツのエントリーモデルにお似合いの素材に思えてならないのだが・・・。まああくまでも個人の趣味だが。(KO)

Text: Sebastian Friemel
加筆: 大林晃平
Photo: Mercedes Benz AG