クラス1番のカッコよさ プジョー 508 SWはイケメン優等生
2022年3月29日
アウトビルトジャパンスタッフによる恒例のインプレッション「弾丸ドライブ」、人気SUV3モデルに続いて行ったのは「バンパイア顔」になった新生プジョーのフラッグシップ508 SW GT HYBRIDのテストドライブだ。
まずはスペックのおさらいから、プジョー 508 SW GT HYBRIDの大きさは、メルセデスCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4、VWパサートとほぼ同じ。パワーユニットは1.6リッターガソリンエンジンを搭載するプラグインハイブリッドシステム。タイヤは235/45/18で試乗車はミシュラン パイロットスポーツ4が装着されていた。ボディカラーはセレベス・ブルーという緑がかった素敵な色である。色のセンスの良さはプジョーの真骨頂だ。
プジョーは「208」を皮切りに、顔つきが「バンパイア顔」などと呼ばれる共通デザインに変更され、さらにはロゴマークまで変わるという大きな変革が行われた。そのスタイリッシュなデザインが広く受け入れられ、プジョーブランドは記録的な販売実績を得ることになる。
カッコイイ!
さて、プジョーも例外なく「2008」などSUVの評価が非常に高いが、セダン、ステーションワゴンのタイプは低い着座位置からくる落ち着き、安定感が私は好きである。特に508SWはスポーツカーのごとく低いと感じさせるのだ。膝を大きく曲げて乗り込む必要があり、コンベンショナルなセダン、ワゴンに乗るのとはちょっと違う印象。サッシュレスのドアもスポーティーな印象を増幅する。運転席に乗り込むとグラスエリアの狭さも相まって、囲まれ感が強く実にスポーティーで“やる気”が増す。プジョー独自の小径のステアリング、コンソール周り、着座してまず思ったのが「508カッコイイ!」であった。近頃感じたことがない感覚である。
セッティングはシビア
さあ、逸る気持ちを抑えながら高速道路で西へ西へ。ハンドリングは以前乗った一世代前の308SWに似ているのはプジョーだから当たり前としても、ガチっとした直進安定性はなく、常にドライバーに補正を要求するタイプ。それにしても不安定というか左に行きたがる傾向が強いので、タイヤの空気圧のバラツキを疑い、サービスエリアで空気入れをお借りしてみると・・・見事にバラバラ。適正値で均一にして再スタートすると、ビタッと安定の直進性を示し、それはそれは素晴らしいハンドリングへと早変わり。というか、これが本来の走りだったのだ。
余裕の長距離ランナーだけど
パワーユニットは控えめだが十分なパワーで、流れをリードすることも可能だ。しかし、ハイブリッドシステムについては、そのメリットを感じることは最後までできなかった。システム合計出力は225psで過不足ないパワーだが、パワーアシストというよりは、燃費向上をアシストするタイプのようだ。何しろ電動モーターのみでの航続距離が56kmと短い。実際には56km走る前にバッテリーが空になってしまうと思われた。ならば、回生して充電すればいいのだが、どれだけ頑張っても回生では半分も充電されることはなかった。おまけに、燃料タンクが43リットルと小さいため、頻繁にガソリンスタンドへ行く必要がある。
燃費は一般道、高速道路合わせたトータルで約14km/Lとなった。良くもなく、悪くもない現実的な数字であるが、乗り心地の良さ、カッコ良さが際立っているのは声を大にして言いたい。是非フランス本国仕様(左ハンドル)に乗ってフランスの空気、エスプリを感じながら乗りたい。兎にも角にも、今買える新車の中で一番欲しいクルマだ。
【プジョー 508 SW GT HYBRID】
車両型式 | 3LA-R85G06H |
全長×全幅×全高 | 4,790×1,860×1,420mm |
ホイールベース | 2,800mm |
車両重量 | 1,850kg |
車両定員 | 5名 |
燃費(WLTCモード) | 15.5km/ℓ |
エンジン | 直列4気筒 DOHC ターボ |
排気量 | 1,598㏄ |
最高出力(ネット値) | 180PS(133kW)/6,000rpm |
最大トルク(ネット値) | 300Nm/3,000rpm |
電動機(モーター) | 交流同期電動機 |
最高出力 | 110ps(81kW)/2,500rpm |
最大トルク | 320Nm/500-2,500rpm |
バッテリー | リチウムイオン電池 |
燃料タンク容量 | 43リットル |
使用燃料 | 無鉛プレミアム |
トランスミッション | 8速オートマチック |
駆動方式 | FF |
タイヤサイズ | 235/45 ZR18 |
車両本体価格(オプション込み):¥6,547,000(消費税10%込み)
Text&Photo:アウトビルトジャパン