【ニューモデル情報】ポルシェ マカン、2度目のフェイスリフト 最大の変更点はエンジンとインテリア 全情報!
2022年2月28日
ポルシェ マカン、2度目のフェイスリフトで「ターボ」を廃止。ポルシェがマカンの2度目となるフェイスリフトを実施。その最大の変更点は、エンジンレンジ変更とインテリアに関するものだ。すべての情報をお届け。
- 価格と市場投入: 約64,500ユーロ(約858万円)より
- 外観: デザインにほとんど変化なし
- インテリア: ボタンではなくタッチサーフェイスを採用したマカンのコックピット
- エンジンとシャシー: GTSは将来的にターボに取って代わる。
- マカンT: スポーティでピュアな新装備(アップデート情報!)
- GTS: トップモデルにスポーツサスペンションをオプション設定
価格と市場投入時期: 約64,500ユーロ(約858万円)より
ポルシェ マカンは、2014年から製造されている。しかし、7年経っても次世代はまだ見えてこない。完全なBEV(電気自動車)となり、登場するのはおそらく2023年からだろう。そして、しばらくは内燃機関の並行生産も続くため、ポルシェは2018年の1回目のフェイスリフトに続き、今回、2度目のフェイスリフトを行うことになった。2021年10月からディーラーのショールームに置かれているが、「マカンT」を除き、他のバージョンのフェイスリフトマカンの納車は2022年4月からとなる。
ポルシェ マカン価格一覧
- マカン: 64,464ユーロ(約857万円)
- マカンT: 69,462ユーロ(約923万円)
- マカンS: 73,508ユーロ(約977万円)
- マカンGTS: 90,049ユーロ(約1.197万円)
外観: フェイスリフトではビジュアル面は控えめ
よく見ないとわからないほどのフェイスリフトである。フロントエプロンのグリルは、ボディカラーに2本の縦型フィンが付いたよりスポーティなデザインで、ヘッドライトは新しいグラフィックが施されている。リアには、テイカン クロスツーリスモ風の大型ディフューザーがあり、「マカン」のテールパイプが収納されている。また、3Dサーフェイスを採用したプラスチックトリムパーツや3色の新色も用意されている。また、ホイールデザインも7種類から選択でき、ベースとなるホイールは18インチから19インチに変更された。
インテリア: ボタンからタッチパネルに変わったマカンのコックピット
コックピットでは、ポルシェはセンターコンソールをボタン類の洪水から解放し、その代わりに、タッチサーフェイスが新しいギアセレクターレバーの周りに配置された。インフォテインメント画面下のクライメートコントロールもタッチで操作するが、物理的なロータリーコントロールは2つ残されている。
「911」に採用された新しいステアリングホイールや、(人工)レザー、マイクロファイバー、カラー装飾ステッチなどの様々な新しい装備パッケージが、インテリアのフェイスリフトの特徴となっている。スペースとトランク容量(モデルによって異なるが、後席を倒した状態で約500~1500リットル)は変わっていない。
エンジン&シャシー: 今後、マカンのGTSはターボに置き換わる
今回の変更のほとんどは、エンジンに施されたものだ。基本となる4気筒エンジンは大幅に改良され、最高出力265馬力、最大トルク400Nmを発生するようになった。「マカンS」は、最高出力380馬力、最大トルク520Nmの2.9リッターV6を搭載している。トップモデルは、現行ターボの440馬力と550Nmの2.9リッターV6を引き継ぐ「GTS」となった。また、ポルシェはシャシーを若干変更し、コンパクトSUVの走りをよりダイナミックなものにしている。ディーゼルエンジンやマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッドのバリエーションはまだラインナップにない。
パフォーマンスデータ: マカン フェイスリフト
マカン/マカンT: 265馬力&400Nm(現行モデルより20馬力&30Nmアップ)
マカンS: 380馬力&520Nm(現行モデルより26馬力&40Nmアップ)
マカンGTS: 440馬力&550Nm(現行モデルより60馬力&30Nmアップ)
マカンT: SUVにスポーティでピュアな新装備を採用
「911T」、「ボクスターT」に続き、SUVでは初となるスポーティプリズムモデルが登場した。マカンT(Tは「ツーリング」の略)で、ベースモデルよりもスポーティな基本装備やセットアップとなっている。価格は69,462ユーロ(約923万円)からで、標準的な「マカン」と「マカンS」の間に位置づけられるモデルだ。よりスポーティな標準装備として、電子制御ダンパー付きスチール製サスペンションと、15mmのローダウンが標準装備されている。フロントアクスルのアンチロールバーをより硬くし、セットアップを変更することで、よりダイレクトなターンイン挙動と俊敏なハンドリングを実現することを目的としている。もちろん、全輪駆動システムは特にリアヘビーになるように適切に設計されている。オプションのアダプティブエアサスペンションを装着すると、サスペンションを25mm低くすることができる。
インテリアでは、ブラックレザー張りの電動調整式スポーツシートとセンタースタックのピンストライプパターン、ステアリングヒーター付きのGTスポーツステアリング、ダッシュボード上のストップウォッチなどが用意されている。パワーとエンジンはエントリーモデルと同じで、2リッターターボ4気筒は262馬力と400Nmを発揮する。ここではスポーツクロノパッケージが標準装備されているため、ゼロから100km/hまでのスプリントタイムは6.2秒を実現している。最高速度は232km/hで変更なし。「ポルシェ マカンT」は現在注文可能で、納車は2022年4月に開始される。
GTS: ポルシェ マカンGTS用オプションスポーツパッケージ
トップモデルの「GTS」は、通常のブラックアクセント、ボディカラーのトリムパーツ、21インチの専用ホイールで識別できる。「マカンGTS」には、コーティングされたディスクを使用したスポーツブレーキ、アクティブエアサスペンション、スポーティにチューニングされたダンパーが標準装備されている。そして、スポーツクロノパッケージ、スポーツタイヤ、18ウェイ調整式スポーツシート、コックピット用マイクロファイバー表皮を含む「GTSスポーツパッケージ」がオプションで用意されている。
結論:
7年前の「マカン」がまだこんなに新鮮に見えるなんて、驚きだ。今回のフェイスリフトでは、ポルシェはモデルシリーズがもう少し長くフィットし続けるよう、適切な調整を施した。この内燃機関がいつまでマカンに搭載されるかは未定だ。そして、「ターボ」の名を冠し、価格帯の性能面でトップモデルとなる「マカン ターボ」の登場の可能性も残っている。
東京都内で一番見かけるポルシェは、おそらくこの「マカン」だろう。高級スーパーマーケットの駐車場から、ホテルの車寄せ、そして有名私立学校のお迎え時間まで、とにかく「マカン」を見ない日はないほどの盛況ぶりである。
ひょっとすると、「カイエン」を「マカン」と見間違えている可能性もあるが、それでもやや小振り(に見える)「マカン」は都市圏で大活躍中である。といっても「マカン」が「カイエン」と比べて、ものすごくコンパクトかというとそんなことはまったくなく、都会では「マカン」でも十分に大きな車には間違いないのだが、やはりイメージ的にも視覚的にも「マカン」のほうが扱いやすいのかなぁ、という印象を抱かせたところがヒットの理由だろう。
価格的にも、確かに「カイエン」よりは、かなりお買い得な数値には見えるものの、実際には、ほかのポルシェと同様に、オプションを載せていくとアッとおどろく程の価格帯になっているのは言うまでもない。それでもここ数年は、一番都市部で見かけるのは、やはりこの「マカン」であろう。マイナーチェンジをされようがされまいが、きっとその立ち位置は不動のままだと思われる。(KO)
Text: Katharina Berndt and Moritz Doka
加筆: 大林晃平
Photo: Porsche AG