【電気自動車購入アドバイス】電気自動車ベスト5 お薦めのEV×5台

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現在市販されている電気自動車のベスト5はこれだ。電気自動車の販売は好調で、選択肢はどんどん増えている。でも、その中からどのクルマを選べばいいんだろう? 我々は現在市販されている電気自動車のベスト5を紹介する。

電気自動車への関心は高まり、販売台数も伸びている。
2021年、ドイツにおけるバッテリー式電気自動車の新規登録台数は、前年比83.3%も上昇したそうだ。 加えて、プラグインハイブリッドも同期間に62.3%増加した。両ドライブタイプを合わせた新車登録台数のシェアは26%と、ディーゼル車の新車登録台数(20%)よりも高くなっている。また、モデルやバッテリーサイズ、充電技術の選択肢もどんどん増えている。すべてを把握するのは難しいことは明らかだ。

そんな中から、現在最も魅力的な5台の電気自動車を紹介する。ここでは、最も重要な情報である「何ができるのか」、「いくらかかるのか」、「何が特別なのか」を紹介する。

極めて速い: トラクションの問題がなければ、2.6トンのBMW iXは4.6秒で0から100km/hにまで到達する。そして200km/hで速度の上昇は停止する。

第1位:BMW iX – バイエルンのトップモデル

全長約5メートル、全高約1.70メートル、重量約2,600kgの電動SUVだ。
それでも、最高出力523馬力により、0から時速100kmまでの加速は5秒以下、1回の充電での航続距離は600km以上と想定されている。XXLサイズのキドニーグリルは好みの問題であることに変わりはないが、航続距離に関しては、新型「BMW iX」は決して決して劣ってはいない。巨大なバッテリー(総電力量111.5kWh)は、重厚な電動SUVに最大630kmの走行エネルギーを供給する。全長4.95メートルというバイエルンの新しいテクノロジーフラッグシップは、兄弟車である「BMW X5」よりもわずかに長いだけである。「iX」は電気自動車として開発されたため、エンジンやトランスミッションなどに必要なスペースが小さく、非常に風通しの良いインテリアコンセプトになっている。

「BMW iX」のコックピットには、湾曲ディスプレイ、上質な素材、ヒーテッドサーフェイス(暖房装置)が採用されている。さらに、高貴な雰囲気、新開発の「iDrive」オペレーティングシステム、最大200kWの充電速度で快適なドライブを提供する。「iX」は、10%から、80%まで、40分で充電することができる。具体的には、10分間で航続距離が120km延びるということだ。

ドライビングインプレッション: 高速走行時でも非常に静か。エンジン音が無いぶんロードノイズが目立つため、タイヤの内側に発泡材を入れるなどの工夫をしている。エアサスペンションは非常にきめ細かく、十分な余裕を持って機能している。しかし、重量も幅もある車を、22インチホイールで、狭い田舎道で操るには、集中力が必要だ。
▶︎BMW iX 40 xDrive(326馬力、76.6kWhバッテリー、最大航続距離425km) 価格: 77,300ユーロ(約1,012万円)より*
▶︎BMW iX 50 xDrive(523馬力、111.5kWhバッテリー、最大航続距離630km) 価格:98,000ユーロ(約1,283万円)より
*本文中の価格はすべてメーカーの工場出荷時のもので、通常ここから補助金分が差し引かれる。
大林晃平: 「iX」が1位、というのは納得いく気持ち半分、本当にそうなのかな、と思う気持ち半分である。こういう大きく高価なSUVや、ハイエンドスーパーリムジンみたいなジャンルの車が率先してBEVになっていくのは大いに賛成だし、正しい方向だとは思う。2位の「EQS」もそうだが、どんどん最新技術を導入し、BEVを進化させていくのはこのクラスの車たちの使命だろう。でも、やっぱり・・・。2.6トンもある巨大な物体を、5秒以下で100キロまで加速させるという行為には、つい矛盾も感じてしまう。バッテリーが重いのは仕方ないということはわかる。でもこんな大きな物体が一般道をものすごい加速で飛んでくるとしたら・・・。その姿につい恐怖を感じてしまうのである。

Sクラスにできることは、ターゲットとする顧客もメルセデスEQSに期待しているのだ。

第2位:メルセデスEQS – パワーを備えたSクラス

技術的な基盤に加え、メルセデスは「EQS」で視覚的にも新境地を開拓している。ロングホイールベース、ショートオーバーハング、そしてほとんどバンのようなルーフライン。

静かな贅沢!?
「メルセデスEQS」は、電気自動車の新しいベンチマークだ。そして、「Sクラス」ができることは、電動「Sクラス」である「EQS」のオーナーも当然、手に入れることができる。ドーム型ルーフの下、全長5.22mのプレミアム戦艦の乗員は大きな快適性を期待でき、コックピットは幅1.41mのディスプレイ風景などで印象的なものとなっている。Cd値0.20の流線型メルセデスは、107.8kWhのバッテリーで、最大768kmの航続距離を実現する。フロントは、今やお馴染みの「EQフェイス」を提案するグリルが、ヘッドライトとシームレスに接合している。

ドライビングインプレッション: 我々はすでにEQS 580を試乗しているが、「EQS」は、まるで遊び心のあるようなスムーズな走りを実現している。リアアクスルは10度ステアし、2.5トンの巨体がカーブを軽快に駆け抜ける。その2.5トンの乾燥重量にもかかわらず、「EQS」は高速スプリントが可能となっている。524馬力と855Nmを発揮する全輪駆動の「EQS 580」は、静止状態から100km/hまで4.3秒で加速し、エントリーモデルの「EQS 450+」も6.2秒で加速する。いずれのバージョンも最高速は210km/hに制限されている。2022年にはドライブパイロットシステムが搭載され、自律運転の次のステージを予感させる。もちろん、価格面でもトップリーグだ。
▶︎ メルセデスEQS 450+(333馬力、107.8kWhバッテリー、最大航続距離768km、価格:106,374ユーロ(約1,393万円)より
▶︎ メルセデスEQS 580 4MATIC(524馬力、107.8kWhバッテリー、最大航続距離671km、価格:13万5529ユーロ(約1,775万円)より
大林晃平: 以前にもAUTO BILDでレポートにも記されている通り、かなりの完成度を誇る「EQS」。未来のSクラスの方向性をまっすぐ向いているとの評価で、自動車としてものすごく完成度は高いらしい。イルカのようなスタイリングも、機能を追求した結果と言われたら返す言葉もないし、これからのプレミアムサルーンはこういうものになっていくのか、と思うような形ではないだろうか。しかし、それでもまだまだ新型「Sクラス」も魅力的な内容で現役だし、どちらを選ぶかはあなた次第。でもきっとドイツなどでは、様々なリーダーは、イメージを重視してあえてこちらを選ぶ人が多いのではないだろうか、と予想してしまう。

アウディQ4 e-tronは、電気自動車専用プラットフォームMEBを採用。それにより全長4.59m、全幅1.87m(欧州値)とQ3とQ5のあいだに位置するコンパクトなボディサイズながら、インテリア全長はQ5を凌ぎ、室内空間、荷室は上位モデルに敵うスペースを実現している。

第3位:アウディQ4 e-tron – プレミアムSUV

“4つの車輪”が手頃な価格で楽しめる電動モビリティ?それが「Q4 e-tron」だ!
VWの電動工作キット「MEB」をベースにしているが、全長4.59mと、必ずしも小さくはない。リアでは、大きなホイールベースが特にレッグルームにメリットをもたらしている。

だいたい現行の「Q7」と同程度だ。これは、2列目の長距離品質の高さを意味する。「Q4 e-tron」は、フラットなリアのスポーツバックとしてさらにスタイリッシュになったが、これには2,000ユーロ(約36万円)の追加費用とトランクルームのスペースがかかる。「Q4 e-tron」のインテリアは、「VW ID.4」とほぼ同じ感じだが、コックピットが非常にテクニカルに見えるのは、少なくともアウディの新しいステアリングホイールによるものだ。インパクトアブソーバーには、アウディのリングが初めて2Dルックとして搭載されている。トップバージョンの「50クワトロ」は0から6.2秒で100km/hまで加速するが、航続距離の理由から、最高速度は180km/hに制限されている。バッテリーサイズは2種類(55kWhと82kWh)、駆動方式は後輪と全輪、パワーレベルは4種類(170~299馬力)、航続距離は最大534kmに設定されている。

ドライビングインプレッション: 荷物や人を乗せないでもすでに2トンを超える重さだが、それでも小型車並みの操縦性を実現している。大型バッテリーの重量(約500kg!)は、SUVのフロアパネルにフラットに丁寧に分散して配置されている。「Q4」は、それに応じて路面での安定感も増している。同時に、このクルマのサスペンション(これもオプションのショックアブソーバーコントロールのおかげ)は、厚みのあるツーリングサルーンのようにスムーズで充実した、均整の取れたものになっている。
我々の結論: スペースの奇跡とスプリントの驚きが混在した「Q4 e-tron」は精巧と言える。非の打ちどころのない走りだ。
▶︎価格:41,900ユーロ(約548万円)より
大林晃平: アウディの中でも比較的購入しやすい「Q4 e-tron」。500kgというちょっと(かなり)重いバッテリーを積み、航続距離もなかなかたっぷりである。今現在、もしBEVを購入しなくてはいけないのなら、このくらいのモデルかなと思う一台である。おそらく乗ってみれば文句なしの完成度なはずだし、現実的にはこれからますます盛況になるであろうジャンルだと思える。

マツダがEVデビューで歩む道は大胆だ。全長4.39メートルのMX-30は、長いボンネット、対照的なルーフとドアが反対方向に開くという目を引くデザイン、シックなインテリアに加えて、何よりもドライビングの楽しさを追求している。そして、日本のエンジニアたちは、この点でなかなか良い仕事をしてくれた。

第4位:高品質コンパクトSUV – マツダMX-30

「マツダMX-30」は、他の多くの点で他車とは異なっている。例えば、珍しい素材(コルク、サステナブルテキスタイル)を使ったクールなインテリアや、反対方向に開くリアドアなどだ。しかし、そのドアのコンセプトは独特だが、狭い駐車場では、すぐにドアの間に詰め込まれてしまう。

「MX-30」は小型バッテリー(35.5kWh)を搭載し、最大航続距離は200km、遠く離れてホームシックになることはありえない。そして、ほとんどの駐車スペースにコンパクトに収まり、街乗りや短距離走行に十分な電力を供給する、賢い日常のパートナーだ。

小さなバッテリーは意図的なものだとマツダは主張する。電池の生産量を減らすことで、環境保護にもつながるという。航続距離の問題は、ガソリンエンジンのヴァンケルエンジンをミニ発電機として搭載することで、まもなく解決される。これはレンジエクステンダーと呼ばれるもので、BMWは「i3」に搭載していた。中央のディスプレイはやや小さめだが、直感的な操作と珍しい素材が魅力だ。現在、エンジンパワーは1種類のみだ。しかし、145馬力を発揮することで、小型電気自動車は十分な性能を発揮する。しかも、e-carの補助金を差し引くと、25,000ユーロ(約327万円)以下で購入できるお買い得のEVだ。
▶︎価格:34,490ユーロ(約451万円)より
大林晃平: 「マツダMX-30」、残念ながらというべきか予想通りというべきか、販売は苦戦しているという。観音開きのドアや、いまいち掴みにくいキャラクターなどの問題点はあるし、なにしろ航続距離が短いのが一番のネックなのだと思う。500万円近く払ってこの航続距離では、いったいこの車を誰がどうやって使うべきなのか、私にはよくわからない。噂ではロータリーエンジンのエクステンダーモデルが追加されるというが、さらに価格が上がってしまうし、台数的にも増加にはならないと思うのだが・・・。

スマートEQフォーツーは、そのサイズとハンドリングにより、アーバンジャングルに最適なモデルだ。

第5位:スマートEQフォーツー – 理想的なシティランナバウト

ドイツ人の平均的な1日の走行距離は40km未満で、通勤・通学はその半分以下が普通だ。それは「スマートEQフォーツー」のために作られたルートのようなものだ。60kWの電動モーターを搭載した2シーターは、他の車にはない効率的なシティカーだ。しかし、16.7kWhのミニバッテリー(公称航続距離159km、実際は120km程度)では、長距離の移動はできない。1トンの乾燥重量、後輪駆動、160Nmの瞬発力など、スポーティな走りさえ感じられる。

「スマートEQフォーツー」は、ホイールベースが短いにもかかわらず、安全性が高く、最高速度で走行しても安定性が高く、扱いやすい車だ。道路脇のミニスペースを駐車場として利用した場合、停車時もシティランナバウトの強みを発揮する。

装備も、「プライム」バージョンでは、ブラックレザーの装飾ステッチ、電動格納ミラー、オートマチックエアコンなどを装備し、電気自動車ならではの快適性を追求している。シートヒーターや16インチ8Yホイールも標準装備するなど、小型電気自動車とは思えないほどの充実ぶりだ。これらすべての装備を搭載した「スマートEQフォーツー プライム」の価格は、最低でも24,740ユーロ(約324万円)となっている。ただし、ここから環境ボーナス9,000ユーロ(約118万円)と付加価値税の節約分570ユーロ(約7万5千円)が差し引かれるので、比較的リーズナブルな価格となる。
▶︎価格:21,940ユーロ(約287万円)より
大林晃平: シティランナバウト、あるいは軽自動車のEV化は実に正しい方向なのではないか、と思っている。そういう意味ではこのスマートは「こうあるべき」一台で、ひと世代前の「スマートEV」に乗った時、ガソリンモデルのギクシャクしたトランスミッションだったら、いっそのこと最初からこっちのほうが良かったのではないか、とさえ感じてしまった。価格はやはり高価だが、スマートの方向性としては正解な一台ではないだろうか。

Text: Raphael Schuderer
Photo: autobild.de