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ポルシェ911ターボ(930)そっくりにレストモッド シンガーがコンセプトモデル発表 全情報

2022年2月17日

シンガーが次の爆竹を運んでくる!

シンガーが贈る、930ターボルックのポルシェ911レストモッドスタディモデルは、ポルシェ964をベースに、450馬力を実現したものだ。

どのクルマも個性的!
2009年の設立以来、シンガービークルデザインはポルシェのコンバージョンで世界中のカーファンを喜ばせ、レストモッズのトレンドにも大きな影響を与えてきた。このたび、米カリフォルニアの会社が最新のプロジェクトを発表した。クラシックスタディ、ダイナミクス&ライトウェイトスタディに続く第3のモデルシリーズである「ターボスタディ」は、シンガーが再構築した初の「ターボチャージャーとストリートレガシーポルシェ911」である。モデルは、「伝説のポルシェ930ターボ」だ!

1974年に発表された有名な「930ターボ」をモデルとしているのは、もちろん偶然ではない。シンガーのボス、ロブ ディキンソンは、ウィドウメイカーと呼ばれるターボと特別な絆で結ばれている。「930」は、彼が初めて乗ることを許されたポルシェであり、その経験は今日に至るまで忘れることができない。シンガーはこのスタディモデルで、この情熱を復活させたいと考えており、「ウルフブルー」という色の最初の顧客車両がすでに完成している。

シンガー ターボ スタディモデルで生まれ変わったポルシェ911
● プロトタイプ: ポルシェ930ターボ
● ベース: ポルシェ911(964)
● 930ターボルックのカーボンボディ
● 2基のターボチャージャーを備えた3.8リッターメガーエンジン
● 450馬力(よりパワフルなパフォーマンスレベルもあり)
● 後輪駆動または全輪駆動
● 6速マニュアル変速機
● 70台予約済み
● 現時点で価格に関する情報はない

シンガーが再構築したすべての「ポルシェ911」と同様、最新モデルは964世代の「911」をベースにしているが、スタディモデルの全く新しいカーボンボディは、視覚的に「930ターボ」をモデル化しているため、もはやあまり本物と見分けがつかない状態だ。特徴的なリアウイング、ワイドなターボチーク、ベローズバンパーなど、すべてが揃っている。しかし、細部にまでこだわり、さらに最適化されたデザインでなければ、シンガーとは言えない。例えば、後輪の前には、ほとんど見えないエアインテークが隠されている。

プロポーションは完璧だ。ライトとタイヤ、ドアミラーはアップデートされている。

時代を超えた外観に加え、何より感動を呼ぶのは、カーボンのボディワークの下にあるテクノロジーだろう。このモデルでは排気量3.8リットルの6気筒ボクサーエンジンに2つのターボチャージャーを搭載し、当初260ps、後に300ps(WLSで330ps)を発揮した初代930ターボから大幅にパワーアップした450psを生み出すと言われている。しかし、450馬力は始まりに過ぎず、シンガーはお客様の要望に応じて、よりパワフルな性能レベルを提供可能だ。

後輪駆動と全輪駆動から選択可能

しかし、シンガーが従来から目指しているのは、「最もパワフルで最速の911」を作ることではなく、単に「最もエモーショナルでベストな911」を作ることだ。また、シンガーは可能な限りユニークなドライビングエクスペリエンスを実現するため、ターボスタディではPDKを廃止し、993世代の「911」から改良した6速マニュアルギアボックスを全モデルに搭載している。標準では後輪に動力を供給するが、シンガー社ではオプションとして全輪駆動も用意している。

快適さと豪華さ: 特別なリクエストは? 大丈夫、シンガーはほとんど何でも叶えてくれる。

シンガー社の車両は、購入した客との密接な協力のもと、客のニーズと使用予定地域に合わせた特別仕様で構成されている。例えば、長距離ドライブも苦にならない「911」が欲しいというオーナーには、ソフトなセットアップでスポーツエグゾーストを装備せず、エアコン、電動調整式シート、クルーズコントロールなどの快適装備でシンガーをオーダーすることができるようになっている。

ターボスタディの第1顧客車両は、このような快適性志向に対応するものである。マリブサンド」カラーの電動調整式シートヒーター、上質なウッド調のアクセント、サンルーフ、エアコン、スタイリッシュなレトロインストルメントなどなど。

シンガーによって生まれ変わったポルシェ911は決して掘り出し物ではない
シンガーが最新作の価格を明らかにしないのは、価格設定が購入客の希望に沿うものであることも理由だ。しかし、ひとつだけ確かなことは、シンガーが再構築した「911」は、「ポルシェ911(992)ターボS」よりも何倍も高いということだ。

最近では、シンガーの中古モデルが70万~100万ユーロ(約9,300~1億3,300万円)で取引されている。さらに、同社の情報によれば、すでに約70人の顧客が「911ターボスタディ」を予約しており、しかも1台1台がオリジナルに富んだものなのだ。

ポルシェ911シンガーターボ スタディモデル

2009年以来、ディテールにこだわったポルシェのコンバージョンで世界中のカーファンを楽しませてきたシンガービークルデザインが、伝説の「ポルシェ930ターボ」をベースにした最新プロジェクト「ターボスタディ」を発表した。シンガーが再構築したすべての「ポルシェ911」と同様、最新モデルは964世代の「911」をベースにしているが、全く新しいカーボンボディのターボスタディモデルは、視覚的に「930ターボ」をモデル化しているため、もはやあまり見分けがつかない。特徴的なリアウイング、ワイドなターボチーク、ベローズバンパーなど、すべてが揃っている。しかし、細部にまでこだわり、さらに最適化されたデザインでなければ、シンガーとは言えない。例えば、後輪の前には、ほとんど見えないエアインテークが隠されている。
時代を超えた外観に加え、何より感動を呼ぶのは、カーボンのボディワークの下にあるテクノロジーだ。このターボスタディモデルは排気量3.8リッターの6気筒ボクサーエンジンに2基のターボチャージャーを搭載し、当初260馬力、後に300馬力を発揮した初代「930ターボ」から大幅にパワーアップし、450馬力を発揮する。しかし、450馬力は始まりに過ぎず、シンガーは購入者の要望に応じて、よりパワフルな性能レベルを提供可能にする。
また、シンガーは可能な限りユニークなドライビングエクスペリエンスを実現するために、ターボスタディモデルにはPDKを採用せず、993世代の「ポルシェ911」から改良した6速マニュアルギアボックスを全モデルに搭載している。標準では後輪に動力を供給するが、シンガー社ではオプションとして全輪駆動も用意している。
シンガー社の車両は、購入者のニーズに合わせて特別に構成される。
そんな心地よい志向に対応したのが、ターボスタディモデルのファーストカスタマービークルだ。「マリブ サンド」カラーの電動調整式シートヒーター、上質なウッドアクセント、サンルーフ、エアコン、スタイリッシュなレトロインストルメントを採用。シンガーは、価格設定は顧客の嗜好に左右されるため、最新作の価格は明らかにしていない。ただ1つだけは明らかだ。バーゲン価格のシンガーなど過去に存在したことはない。

百花繚乱ともいえるレストモッドの世界だが、その中でもシンガーはオリジナルの雰囲気を良く保ったまま、性能と快適性を極限まで高めるようなモディファイを行うチューンナップメーカーである。レストモッドの中には、かなり近未来方向に振った結果、サイボーグのような雰囲気となってしまっているモデルもあるが、シンガーはその寸前で踏みとどまっており、バランス的にも好ましいと個人的には思う。
どんな色も内装材も使用できることは言うまでもないが、写真の一台はボディカラーも内装も良い雰囲気とセンスで、これがシンガーのイチオシだとするならば、相当自動車の魅力を知った集団なのであろうと、僭越ながらそう思う。
価格は言うまでもなく高価で一億円くらいはするのではないかと予想しているが、この作りと内容ならば仕方ない価格だと思うし、欲しい人にとっては納得の価格なのではないだろか。少なくとも色と素材を交換し、名前を変えただけで急に値段を吊り上げる、どこぞの大手メーカーよりはよっぽど良心的である。

Text: Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: Singer Vehicle Design