オーナーはBMWが決める! 最後のV型12気筒 BMW 7シリーズ ファイナルエディション登場

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BMW、はついにV12に別れを告げる。V12を搭載した最後のBMWは、7シリーズの限定特別仕様車だ。このV12はすべて米国で販売される。すべての情報!

BMWは、2022年に発表される新型7シリーズを前に、特別モデルでV12に別れを告げる。
12気筒エンジンを愛するすべてのドイツ人&全世界のファンにとって残念なことだが、「BMW 7シリーズ」、わずか12台のみの限定モデル「The Final V12」は、米国でのみ販売されることになった。

ベースとなるのは、ロングホイールベース仕様の「M760i」だ。
ただし、米国では常にロングホイールベースのセダンのみが提供されているため、「L」の付加は省略されている。
最も重要な部分であるボンネット下のV12エンジンの話に移ろう。
排気量6.6リッター、2基のターボチャージャーを備えたこの12気筒エンジンは、609馬力を発揮する。
変速は8速オートマチックで行う。
これにより、7シリーズは0から100km/hまで、3.6秒で加速することができるようになっている。

N73エンジン: ロールス・ロイス ファントムにも搭載されている、6.75リッターV12エンジンのアップグレード版。

特別モデルの常として、最後の「7S」にも特別なバッジとレタリングが施されている。
リアにはV12のサイン、ドアシルとエンジンカバーには「The Final V12」のレタリングが施されている。
また、センターコンソールには、このBMWが「1 of 12(12台中の1台)」であることを示すバッジが貼られている。
今回の限定モデルの履く、20インチのダブルスポークホイールには、グレーの「ウィンドウグレー」とグロスブラックの「ジェットブラック」の2色が用意されている。
「Mスポーツ」のブレーキキャリパーは、ブラックまたはブルーのいずれかを選択できるようになっている。
そして、特別モデルはフル装備のみとなる。
これには、ドライビングアシスタントプロフェッショナル(半自動運転が可能)、ヒーター、ベンチレーション、マッサージ機能付きリアコンフォートシート、LEDライトグラフィック内蔵パノラマガラスルーフなどの設備が含まれている。
そした、「The Final V12」の未来のドライバーは、カラーリングで息抜きすることができるのだ。
「Mインディビジュアル部門」から80色以上のペイントカラーが選択可能で、インテリアのメリノレザーにも様々な色合いが用意されている。

BMW、限定7シリーズの購入者を決定

この「7シリーズ」を注文した人には、「トロフィー」が贈られるが、その外観については、残念ながらBMWは詳しく説明していない。
ミュンヘン本社は、選択した塗装色、レザー、そしてそれぞれのシャーシナンバーが統合されていることだけを明らかにしている。
しかし、たとえ20万ドル(約2,300万円)の資金を用意したとしても、誰もが簡単にこの特別なモデルを注文できるわけではない。
BMWは、最後のV12モデルの将来のオーナーを自ら選定する。
その基準は、「7シリーズV12オーナーとしての長い歴史」だ。
適任者には、近日中にBMWから連絡がある。
12台の個体の生産開始は2022年6月を予定しており、早ければ7月にデリバリーされる予定となっている。

ほんの少しの時間ではあるが、現行の「M760」に乗らせてもらったことがある。素晴らしくパワフルで驚くほどの速度に、あっという間に達していて驚くようなスーパーリムジンではあったが、一切の荒さも過剰な演出もなく、とにかくパワーの豊かさとはどういうものかを、言葉少なに教えてもらえるような、そんな車だった。
現行モデルの「7シリーズ」には4気筒(プラグインハイブリッド)、6気筒(ガソリンモデルとディーゼルエンジンモデル)、8気筒(ガソリン)そして12気筒と、様々なエンジンがフルラインナップなのだが、そんな頂点のV12は圧倒的に他の「7シリーズ」とは異なる、特別な「7シリーズ」である。
バブルの頃に登場した「750」に搭載されたV12気筒エンジンシリーズも、いよいよ時代の趨勢に負けて廃番となってしまう。寂しいが仕方がないし、かろうじてロールス・ロイスにはまだ残されるということが、なんとなく嬉しくも思う。一生購入することなどないクルマではあるけれど、12気筒エンジンという究極ともいえる内燃機関が終焉を迎えつつあるという事実を知ると、やはり寂しさがつのるのである。

Text: Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: BMW AG