シトロエン C5エアクロス SUVにフランスのエスプリはあるのか?
2022年1月24日
人気SUVロングドライブシリーズ第3弾は、シトロエン C5 エアクロス SUVだ。ドイツ製SUVのフォルクスワーゲン T-Rocとその兄貴分のティグアンは、素晴らしいクルマであった。そこで、今度は手堅いドイツ車に比べて、おしゃれで走りに定評があるフランス車はどうなのか?その疑問を晴らすべくABJスタッフがシトロエンを駆り出して能登へ向かった。
試乗した「C5 エアクロス SUV SHINE Blue HDi」はノアール ペルラネラという簡単に言うとブラックメタリックだが光の加減で色が変化する深みのあるボディカラーだ。テスターはシトロエンのSUVには馴染みがないため、非常に興味深くクルマを走らせた。
想像以上に速い
エンジンは2ℓ直4DOHCターボディーゼルで出力は177psと、以前テストしたプジョー308SWの1.2ℓターボディーゼルとは排気量が増えた分以上に速さを感じた。8速A/Tとの相性の良さも相まって欲しい時に欲しいだけのパワーが得られる。
乗り心地はフォルクスワーゲンのSUVとは当然異なる。C5は直進性が低く、常にステアリング修正を求めるタイプ。スピードが上がるにつれて風切り音がとてもうるさくなるのは残念な部分だ。
試乗車のタイヤはミシュラン プライマシー4が装着されており、サイズは225/55/R18。このクルマにジャストフィットなタイヤであると言える。
シトロエン独自の現代版「魔法の絨毯」と言えるサスペンションシステム「プログレッシブハイドローリッククッション(PHC)」が採用されており、優しい乗り心地を提供してくれる。
PHCについては、是非以下の「技術レポート」を参考にしていただきたい。
燃費はまあまあ
最終的な燃費はメーター読みで13.1㎞/ℓだった。走行パターンに関わらず燃費は一定なタイプで、高速道路走行で燃費が伸びないのはSUVならではの空力の悪さが影響していると思われる。
シトロエン最上級モデル
C5エアクロスSUVはシトロエンブランドの最上級モデルに位置付けられている。エクステリア、インテリア共にデザイン性が高く、個性的なところはしっかりとシトロエンの伝統を受け継いでいると言える。
少々残念なのが、インテリアだ。ダッシュボード、ドアパネルのプラスチックむき出しの安っぽい素材感は上位モデルに相応しくないレベルだ。
結論:
オリジナリティの高さ、十分に速く、優しい乗り心地を提供してくれるC5エアクロスSUVはクルマ好きのドライバーに十分応え、パッセンジャーにも優しい。
金額的にも戦略的な設定になっているため、トータルでお勧めできる1台だ。
シトロエンならではの、他に類を見ないデザイン性の高さにフランスのエスプリを十分感じることができたのは嬉しい限りである。
【シトロエン C5エアクロス SUV SHINE Blue HDi】
車両型式 | 3DA-C84AH01 |
全長×全幅×全高 | 4,500×1,850×1,710mm |
ホイールベース | 2,730mm |
車両重量 | 1,640kg |
車両定員 | 5名 |
燃費(WLTCモード) | 17.1km/ℓ |
エンジン | 直列4気筒 DOHC ターボ |
排気量 | 1,997㏄ |
最高出力(ネット値) | 177PS(130kW)/3,750rpm |
最大トルク(ネット値) | 400Nm(40.8kgm)/2,000rpm |
燃料タンク容量 | 52ℓ |
使用燃料 | 軽油 |
トランスミッション | 8速オートマチック |
駆動方式 | FF |
タイヤサイズ | 225/55 R18 |
車両本体価格(オプション込み):¥4,731,330(消費税10%込み)
Text&Photo:アウトビルトジャパン