BMW 3シリーズの全容 スペックからテストそしてフェイスリフトバージョンまで  

1221
- Advertisement -

BMW 3シリーズ G20/G21(2021): BMW 3シリーズ – ミュンヘン製ミッドサイズカーの全情報!7代目となるBMW 3シリーズは、2019年から走り出している。我々は、そのミュンヘンのミッドサイズカーの接続性、価格、エンジン、テストなど、文字通りすべての情報を以下に掲載する。

BMW 3シリーズのハイライト:
• BMW 3シリーズは38,350ユーロ(約498万円)から
• ガソリン車、ディーゼル車、プラグインハイブリッド車を用意
• ツーリングでは最大1,510リットルのラゲッジコンパートメント容積を確保

発表と価格: 3シリーズは4万ユーロ(約520万円)以下でスタート

2019年に、7代目となる「BMW 3シリーズ」が発売された。
新構造コードの命名法によれば、「F30」の後には新しい「G20」が続く。
まず、3シリーズのセダンバージョンを発表し、続いてツーリング(G21)を発表した。
2021年からは、ミッドサイズセダンのスポーティな派生モデル「M3(G80)」も発売されている。
そして、「3シリーズ」は、「5シリーズ」や「7シリーズ」とプラットフォー「CLAR」を共有していて、大型モデルシリーズの技術が3シリーズにも採用されているのだ。
これは、「3シリーズ」がBMWにとって決定的な役割を果たしているからでもある。つまり、BMWの全販売モデルの20%が「3シリーズ」、つまり5台に1台が「3シリーズ」なのだ。
価格面では、セダンのベースモデル、4気筒で156馬力(115kW)の318iが38,350ユーロ(約498万円)からとなっており、ツーリングは最低でも39,900ユーロ(約518万円)となっている。
全輪駆動の「xDrive」を希望する場合は、その上に、2,500ユーロ(約32万円)の追加料金が必要となる。

デザインと寸法:先代よりも大きくなったが、プロポーションは変わらない

今、ミュンヘン製モデルではジャイアントキドニーグリルが流行している。新型3シリーズも避けて通れない。

デザイナーには難しい課題があった。
現行の3シリーズは、先代との違いを際立たせなければならない一方、先代との類似性を十分に保っていなければならないという悩ましい課題だ。
そしてもうひとつのハードルは、5シリーズに似すぎないこと。
その結果、最終的には、ミッドサイズのBMWに、大きなキドニーグリルを与え、空気抵抗係数(Cd値)0.23の恩恵を受けるために空力的なフラップを備えた。
ヘッドライトはワイドでナローなもので、現在はキドニーグリルのクロームエッジでフルハイトエンドとなっている。
プロフィール(横顔)を見ると、ホフマイスターキンクが装飾的な要素で強調されているのがわかる。
オーバーハングとプロポーションは、3シリーズ典型なものとなっている。
リアでは、デザインを一新したテールランプが目を引く。
ライトグラフィックを横向きの「L」字型にして縮小したデザインは、3シリーズを視覚的に目立たせている。

新型3シリーズのサイズは大きくなり、G20は8.5cm大きくなって全長4.71mになった。幅も1.83メートル(F30よりも16mm)拡大している。

新型3シリーズのサイズは大きくなり、サルーンの全長は8.5cm伸びて4.71mとなった。幅も拡大し、1.83メートルとなっている(F30よりも16mm広い)。
トラックの幅が広がったことは、走りに決定的な影響を与えている。
3シリーズでは、フロントに43mm、リアに21mmのアクスル幅を確保していて、ボディの長さに合わせてホイールベースも2.85m(先代比+41mm)と長くなっている。
高さだけは変わらず、新型「3シリーズ」では、先代に比べて1ミリだけ高くなっている。
また、トランク容量も旧モデルに比べて広くなっており、セダンでは480リットル(ハイブリッドでは375リットル)、ツーリングでは、駆動方式に応じて410~500リットルの容量を確保し、リアシートを倒すと最大1,510リットルにまで膨らむ。

BMW 3シリーズセダン(ハイブリッド)
• 全長: 4.71メートル
• 全幅: 1.83メートル
• 全高: 1.44メートル
• ホイールベース: 2.85メートル
• トランク容量: 480リットル(375リットル)

BMW 3シリーズ ツーリング
• 全長:4.71メートル
• 全幅:1.83メートル
• 全高:1.44メートル
• ホイールベース:2.85メートル
• ラゲッジコンパートメント: 500~1510リットル

インテリア: クラシックな雰囲気を持つモダンなコックピット

クラシック: コックピットがドライバー側に傾いている。BMWの常連の方へ: ちょうど7度の傾斜だ。

シートポジションは低く、贅沢に張られたレザーのMスポーツステアリングホイールは、手にしっくりと馴染み、コックピットはドライバーの方に少し傾いているなど、まさにBMWのイメージ通りの空間だ。
もちろん、写真の車にも、「M-Sport」シートが装着されていることで、その印象はさらに強くなる。
また、そのほかの素材も気に入るものだ。
例えば、トリムパーツは、「BMW 8シリーズ」を彷彿とさせる、メタル調の表面になっている。
「3シリーズ」のダッシュボードは整然としているが、ボタン類を完全に排除しているわけではない。
「インテリジェントパーソナルアシスタント」がデジタル化されているにもかかわらず、エアコンやラジオの操作にはボタンが使われており、伝統を重んじる人には嬉しい限りだろう。
「F30 3シリーズ」と比較して、ダッシュボードはよりスリムになり、視覚的にもワイドになった。
すべてを覆すことなく、モダンに改新されている。
それに対して、現行の「5シリーズ」では、コックピットでさえも、少しバロック的な印象を受ける。
他のニューBMWモデルと同様に、デザインを一新したオートマチックトランスミッションのギアセレクターレバーと「iDrive」コントローラーは、センターコンソールのアクセスしやすい「コントロールアイランド」に配置されている。
その前には大きなフラップがあり、これを開くと携帯電話の収納スペースが現れる(充電やApple CarPlayのワイヤレス接続のためのスペースもある)。
新しい「CLAR」プラットフォームにより、「3シリーズ」はコネクティビティを大きく前進させている。
また、新開発のデジタルインストルメントクラスター(Live Cockpit Professional)や、ダッシュボード上の10.2インチタッチスクリーンなども含めた総合的なパッケージとなっている。
画面は、目をそらさずに済むように高い位置に配置されている。
人間工学的には、すべてが順調に進んでいる。
フロントのスペースは非常に良好で、1.95メートルの体長でも「3シリーズ」に快適に乗ることができるようにできている。
また、後部座席も、背の高い人でも大丈夫なようにきちんとした座り心地を実現している。

ドライビング: 320dがベストチョイス

最高出力190馬力、最大トルク400Nmの優れた走行性能を持ち、効率性とドライビングプレジャーの完璧な調和を実現した「320d」が我々のお勧めだ。
データシートによれば、100km走行あたりのディーゼルの消費量はリッターあたり18.8~22.2km。
かっ飛ばしている人でも、燃料消費量は14.2km/ℓ以上だ。特に高速走行時には、新型「3シリーズ」の大幅に改善されたノイズレベルがすぐにわかる。
「320d」は長距離の快適性に関してはポイントが高い。
スポーツバージョンのシートはいつも通り良好で、リアのスペースも改善されており、40:20:40の分割可能なリアシートを倒すことで、480リットルのラゲッジスペースを大幅に拡大することができるようにもなっている。
ニュー「BMW 3シリーズ」は、シャシーの面で最大の飛躍を遂げており、4ドアモデルでは、よりスポーティで、より硬く、よりダイレクトな印象を与えるだけでなく、よりリラックスして快適に過ごせるようになっている。
その正確なステアリングは、これまでと同様に優れたレベルを維持している。
新しい3ドアの「320d」が、205タイヤを装着した小さな16インチホイールを標準装備しているのは、適切ではないと思う。

330i: これぞBMWなドライビングダイナミクスを実現

一方ガソリンエンジンの「330i」の音は掛け値なしにいい。
BMWのエンジニアは、すべての「3シリーズ」に標準装備されているデュアルフローエグゾーストシステムが、上質なうなり声と咆哮を発することを可能にした。
常に存在し、気を散らさない。
素晴らしい。
動力伝達には、従来から定評のあるZF製8速オートマチックトランスミッションを採用し、そのシフトタイムをさらに短縮した。
マニュアルギアボックスは、最小のディーゼルモデルである「318d」にのみ搭載されていて、オプションでオートマチックを選択することも可能だ。

今回、新標準のダンパーと、10mm低い「M-Sport」サスペンションを組み合わせたモデルをテストした。
先代モデルと比べて55キロの軽量化、ワイドなトレッド、50:50の完璧なバランスの重量配分と合わせて、「3シリーズ」はこれまで以上に魅力的なドライビングを実現している。
タイトなカーブを正確に回り込み、再び走り出すことができるのは、目覚めの良いエンジンとギアボックスの組み合わせのおかげだ。
「トラクション」モードでは、リアを外側に押し出し、コントロールしやすく、良い意味で古き良き後輪駆動を実現している。
そして、スポーツシートは完璧なサポートを提供してくれる。
高速道路では、新開発のアコースティックウィンドスクリーン(サイドウィンドは有料)のおかげで、非常に静かな「3シリーズ」が、まるで「5シリーズ」のアクセルを踏んでいるかのようにレースアップする。
Mのサスペンションだけは、まだ少し固すぎる。

コネクティビティ: Hey, BMW!

「3シリーズ」には、オプションで、BMWのインフォテイメント「Operating System 7.0」の搭載が可能となっている。
これは、ダイムラー社の「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンス)」システムに対するBMWの回答とも言える、インテリジェントパーソナルアシスタントの技術的な準備が整っていることを意味している。
少し慣れれば、「iDrive」の操作はわかりやすく明快だ。
音声コマンドは、固定されたフレーズなしでのナビゲーション、アポイントメントの設定、音楽の注文、通話、BMWの快適性の設定などに使用できる。
「ヘイ、BMW!」と声をかけるだけでシステムは作動する。
ボイスコントロールはコマンドをよく理解してくれるものの、反応するまでに少し時間がかかる。
スタートコマンドは自由にカスタマイズすることができるようになっている、クラウド接続による学習が可能なシステムだ。
ただし、「デジタル コ・ドライバー」を実現するためには、「Live Cockpit Professional(オプション)」がインストールされていることが前提条件となる。
この場合、12.3インチのインストルメントディスプレイと10.25インチのセントラルモニターに計器類やインフォテインメントコンテンツが表示される。
ちなみに、5.7インチディスプレイとアナログディスプレイに加え、8.8インチのタッチモニターで構成されるインストルメントハイブリッドが標準装備されている。
「3シリーズ」では、Apple CarPlayとAndroid Autoがワイヤレスで作動する。

装備: ラグジュアリーからスポーツまで

ツーリングは収納スペースが充実している。リアシートを折り畳むと、バーバリアン製ステーションワゴンのトランクには最大1,510リットルの荷物が収まる。

BMWは、「3シリーズ」の購入者に、サルーンとツーリングの両方で、5つの装備ラインを選択できるようにしている。
ベーシックバリアントの後、「Advantage」モデルには、ストレージパッケージ、自動調光式インテリアミラー、3ゾーンオートマチッククライメートコントロール、フロント&リアパーキングセンサーが装備されている。
「Sport Line」モデルには、ウィンドウサラウンド、スポーティな専用エプロン、ピアノラッカー調のインテリアトリム、スポーツシートなど、一部のボディエレメントにシャドーライン(クロームパーツを使用しない)を採用している。
そして、「ラグジュアリー」ラインはより洗練されている。
ここでは、「3シリーズ」はクロームパーツの着用が許され、インテリアはレザーシート(ヴェルナスカ)とウッドトリムストリップが標準装備されている。
次期型「M3」を除く、「3シリーズ」の最もスポーティなレベルは、「M Sport」パッケージだ。
大型のエアインテークを備えたエプロン、特定のサイドスカートは、シャドーラインMスポーツシート、Mレザーステアリングホイール、アンスラサイトカラーのルーフライニング、アルミニウムルックのデコラティブトリムと同様に、その一部を構成している。

BMWは、現行の「3シリーズ」にも、いわゆる「M Performance Parts」を提供している。
これにより、10種類の改造が可能だ。
フロントスプリッター、ミラーキャップ、リアスポイラーとディフューザー、チタンとカーボン製のテールパイプトリム、ブレンボ製18インチブレーキシステム(レッドキャリパー)などを装備している。
また、グリップ部分にアルカンターラを使用し、12時位置のマークや手縫いのアクセントを施した特別なステアリングホイールも用意されている。
カーボン製のシフトパドルを装着すると、さらにスポーティになる。
ドライブアナライザーで記録されたラップタイムは、スマートフォンのアプリに送られ、ドライバーが評価できるようになっている。
ドライブの様子を撮影したい人のために、アクションカメラ用の専用ホルダーが用意されており、ヘッドレストに固定することができる。

「3シリーズ」には、折りたたみ式リアシート(40/20/40)やLEDヘッドライトなどが標準装備されている。
アダプティブLEDライトやレーザーライトはオプションだ。
同様に、「3シリーズ」にはオプションでMスポーツサスペンションやアダプティブMサスペンションの装備も可能となっている。
また、スポーツサスペンションを装着すると、Mスポーツディファレンシャルを選択することができる(もちろん、追加料金が必要となる)。
また、Mスポーツブレーキシステムや前述のスポーツシートなどもオーダー可能だ。LEDアンビエントライト、ガラスサンルーフ、電動テールゲートなどの装備も充実しており、気分を高めてくれる。
また、アシスタントに関しても豊富な選択肢がある。
アクティブクルーズコントロールは、0から210km/hまでのストップ&ゴーに対応し、停止してから最大30秒後に再始動することができる。
いわゆるドライビングアシスタントは、意図しない車線逸脱や車線変更を警告し、再び正しい車線を見つけるためにステアリングアシストを行う。
また、リアコリジョン&クロストラフィックウォーニングも搭載している。
「3シリーズ」に搭載されているパーキングアシスタントは、直近の50メートルの距離を記憶し、立体駐車場でバックするときなどにドライバーのステアリング操作を軽減してくれる。

エンジン:3気筒はなし(アップデート情報!)

2021年に新型M3がディーラーに到着するまでの間は、37馬力のM340i XDriveが当面の3シリーズの最強モデルだった。

フロントボンネットの下には、現在10種類のエンジンが用意されている。
156馬力から374馬力までの4種類のガソリンエンジンと、155馬力から340馬力までの4種類のディーゼルエンジンに加え、2種類のプラグインハイブリッド車をラインナップしている。
「3シリーズ」には完全な電気自動車はなく、ミッドサイズクラスでは「BMW i4」がその役割を担っている。
そして、ほぼすべてのエンジンで、全輪駆動の「xDrive」をオプションとして注文することができる。
変速は、おなじみのZF製8速オートマチック。
小型ディーゼルの「318d」のみ、マニュアルギアボックスが用意されている。
3気筒エンジンは新型「3シリーズ」のラインナップには入っていない。

プラグインハイブリッド車は、2リッター4気筒ガソリンエンジンとオートマチックトランスミッションに格納された電動モーターを搭載しており、これらを合わせたシステム出力は、「320e」で204馬力、330eで292馬力を発揮する。
BMWは、純粋に電気のみでの航続距離を47~60kmと約束している。
平均燃費は、45.4km~76.9km/ℓとされている。

「M3コンペティション」を除けば、最もパワフルな「3シリーズ」は、「M340i xDrive」だ。
ターボアシスト付きの3.0リッター直列6気筒エンジンは、最高出力374馬力、最大トルク500Nmを発揮する。その結果、「M340i」は、0~100km/hをわずか4.4秒(ツーリングは4.6秒)で走破するという。
8速オートマチックトランスミッションが標準装備され、Mサスペンションはよりスポーティにチューニングされ、全輪駆動はかなりリアヘビーに設計されている。

耐久テスト: 経済的なディーゼルだが、価格は非常に高い

「BMW 320dツーリング」は、2020年11月初旬から、AUTO BILDで10万kmの耐久テストが行われている。
53,000km(2021年10月現在)の走行を終えた時点での中間評価は高く、「320d」に搭載された190馬力のディーゼルは、洗練された走りと好燃費(16.3km/ℓ)で納得のいくものとなっている。
直感的なハンドリングと高レベルの快適性により、長い距離の旅にも耐えられるようになっている。
ラゲッジルームは可変的に使用でき、十分なスペースが確保されている。
しかし、その一方で、「320d」の不安定な直進性はやや楽しさに欠ける。
また、車線逸脱警報システムは、しばしば過剰な介入を行うことがあり、批判の対象となっている。
さらに、自動スタート&ストップシステムがオフにできなかったり、スマートフォンの接続がなかなか切れなかったりと、微妙なところもある。
そしてその価格だが、試乗車はすべてのオプションを含めて66,626ユーロ(約866万円)と高額なもので、オプションだけでも約2万ユーロ(約260万円)になる。

フェイスリフト: 巨大な4気筒ではない、新しい3シリーズ

そしてBMWは、2022年に、ミッドサイズモデルのフェイスリフトを計画している。外観では、新しいヘッドライトや「X3」にインスパイアされたエプロンなどが採用される模様だ。
2021年7月にインスタグラムに掲載されたリーク情報では、リフレッシュされた「3シリーズ」には、おそらくXXLサイズのキドニーグリルは採用されないだろうと見られている。リアでは、新しいライトグラフィックが期待できるが、テールランプの形状はおそらく変わらないだろう。
インテリアには、「iX」や「i4」でおなじみの曲面ディスプレイが採用されるかもしれない。スクリーンが大幅に大きくなることで、「OS 8」を搭載した現行の「iDrive」が「3シリーズ」のフェイスリフトにも採用される可能性が高くなった。ボンネットの下には、これまでよりもはるかに多くの電動化パーツが使用される。
プラグインハイブリッドに加えて、48ボルトの電動システムを持つマイルドハイブリッドも期待されている。
その一方で、ディーゼルエンジンは引き続き搭載される。

Text: Peter R. Fischer, Malte Büttner, Elias Holdenried, Joaquim Oliveira and Sebastian Friemel
Photo: BMW AG