【このクルマなんぼ?】最後の空冷モデル993 ポルシェ911カレラ4オークション中 走行距離? たったの37万kmです

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総走行距離37万kmのポルシェ911。

希少なカラー「ラグスグリーン」のポルシェ993カレラ4は、走行距離が37万kmという驚異的な数字を記録しているが、現在、この希少な空冷911はオークションにかけられている。その詳細。

日常の足としてのポルシェ911?
911ほど日常的な使用に適したスポーツカーは他にないと思われるので、それは決して珍しいことではない。
しかし、日常の足として使われるポルシェは、数年で新しいモデルに乗り換えるケースがほとんどだ。
しかし、この「993カレラ4」はその例外で、この25年間でこの空冷式「911」は、堅実に約37万kmという走行距離を積み上げてきたのだった。
この無事故の「993」は、PTS(Paint to sample)の特別カラーである「ラグーサグリーン」でオークションに出品されている。

この「ポルシェ911カレラ4」は、オークションプラットフォーム「auctomobile.com」に現在出品されている。
この1996年モデルの「993」の特徴は、37万km弱という膨大な走行距離に加えて、その装備にある。このPTSスペシャルカラーは、伝説的な「アウディRS 2」に採用されていたもので、非常に希少なものだ。「ラグーザグリーン」の「993」は、わずか2台しか作られなかったと言われている。
また、286馬力の「カレラ4」には、「993」にオプション設定されていた「996GT3 MKI」用のホイールが装着されている。
ポルシェファンにとって重要なこと、それはこの「993 911」はマニュアルで、ポルシェファンからはあまり愛されていない4速ティプトロニックではないことだ。

内装は一見、37万kmも走っているようには見えない状態の良さだ。

993は最後の空冷911

1993年末に登場した「993」モデルシリーズは、「964」を継承したモデルだ。
多くの愛好家にとって、「993」は最後の「真の911」であり、それは中古車価格にも反映されている。
それは、後継の「996」が、長らく人気がなく、近年になってようやく人気が出てきたこともあるが、「993」が最後の「空冷911」であることが大きな要因だ。
イギリス人のトニー ハッターがデザインした「993」は、市場投入時には先代の「964」よりもわずかに安かった。
1998年、最後の空冷ポルシェは、コメディアンであり、ポルシェコレクターでもあるジェリー サインフェルド氏の手に渡ったとされる。

993カレラ4は、PTSの特別色「ラグーサグリーン」で2台だけ作られたと言われている。

ここで紹介する「993カレラ4」は、その歴史を完全にたどることができる。
1996年7月、ハンブルクの医師に納車されたこの車は、豪華な装備と希少な外装色「ラグーサグリーン」を兼ね備えた「911」だった。
その後、イギリスで2人のオーナーが、それぞれが日常の足として、また長距離の移動手段としてこの空冷ポルシェを愛用した。
そのため、走行距離が37万km弱と非常に多いのもうなずける。
写真では358,271kmと表示されているが、これは写真が若干古いためだ。
しかし、歴代のオーナーがこの「911」を大切にしてきたことは明らかで、写真からもその印象がよく伝わってくる。

もちろん、36万kmを超えると、細かな不具合が出てくるのは仕方のないことだが、ブラックのインテリアは劣化していない。
また、「カレラ4」には一貫して、毎年ちゃんと適切なサービスが施されてきた。
3.6リッターのボクサーは、オリジナルのままで、クラッチのみが何回か交換されている。
さらに、ポルシェクラシックラジオと「ダンスク」エキゾーストシステムが後付けされている。

スピードメーターには358,271キロが表示されているものの、写真撮影からさらに1万kmが追加されている。

2021年5月に67,000ユーロで売却

事故歴のないこの「993カレラ4」は、2021年5月に「auctomobile.com」を通じて、チェコ共和国の現在の4番目のオーナーに、67,000ユーロ(約870万円)で売却されたばかりだ。
それからわずか6ヶ月後、「993」は再び売りに出され、現在は37万km弱の走行距離となっている。
今回売りに出された理由はわかっていない。
オークションの終了日は2021年12月23日なので、「993」フリークは、最後のクリスマスプレゼントを手に入れることができるかもしれない。
予想価格は75,000~90,000ユーロ(約975~1,170万円)と、とても楽観的な設定となっている。
「993ポルシェ」が欲しい方、入札するなら今のうちですよー。

常々、日本での「過走行」という判断基準があまりにも低すぎるように思っている。
5万kmとか7万kmなど、今の自動車にとっては全く問題のない距離数であって、10万kmも別におそれるほどの距離ではない。しかし・・・37万kmとなると、こりゃあ過走行と言われても仕方ないわなあ。
今回の最後の空冷911モデル「993」、ボディカラーも、車種(カレラ4 MT クーペボディ)などを始めとするその内容もなかなか魅力的で、一見本当に良い感じの「993」ではあるが、なにせ370,000kmある。さすがにいくらゲルマン民族のスポーツカーといえども、ちょっとお疲れ気味で肉体疲労時の栄養補給(レストアや各部の交換など)が必要な距離数であろう。価格も正直、この距離数を見てしまうと、うーん、高いかな、と思ってしまう。
飾って置く、コレクターズアイテムとしての「993」ではなく、毎日実用で付き合いたい「993」だからこそ、もうちょっとコンディションの良いものをおすすめしたい、と老婆心ながら思ってしまう一台である。
でもそうなると1千万円は軽く超えて、2千万円近くなるであろうことが想定されることが悩ましいところではあるが・・・。

Text: Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: auctomobile.com