5ヵ年計画「プランニング ラウンド 70」:フォルクスワーゲン、欧州工場の電動化を推進し、 ウォルフスブルグ本社敷地の変革計画を提示

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・ツヴィッカウとエムデンに加えて、さらに多くのヨーロッパの生産拠点を電動化
・グループの本社であり生産拠点であるウォルフスブルグを変革:2023 年から「ID.3」を部分的に生産することに合意、2026 年以降に「プロジェクト トリニティ」の実施を確認
・未来の分野に対して、今回初めて総設備投資額の半分以上に相当する 890 億ユーロを投資
・グループは、6〜7.5%の範囲に設定した 2021 年の営業利益目標の上限での達成を確認、納車台数は約 900 万台と予想、自動車部門の調整後ネット キャッシュフローが 150 億ユーロを達成することを確信

2021年12月9日、ウォルフスブルグ – フォルクスワーゲン グループは本日、5 ヵ年計画「プランニング ラウンド 70」の枠組みの中で、2025 年までに電気自動車の世界市場でリーダーになるという目標の達成を目指し、ヨーロッパの工場をさらに電動化することを決議しました。そのため、グループは、「NEW AUTO」戦略の実施を積極的に推進します。本社所在地と生産拠点を兼ね 備
えているウォルフスブルグを変革させ、未来のテクノロジーに対する投資を増やすことで、 グループの競争力を強化します。主にe-モビリティおよびデジタル化に向けられる未来に対する 投資額は過去最大となり、今回初めて総投資額である1,590億ユーロの56%に相当する890億ユーロとなります。フォルクスワーゲンは、2026年までに販売される車両の4台に1台が電気自動車になると予想しています。

フォルクスワーゲン AG 監査役会会長のハンス ディーター ペッチュは、次のように述べています。「本日承認された決議は、フォルクスワーゲン グループがいかに固い決意で変革を推進しているかを示しています。当社の投資は、すべての主要な側面におけるモビリティの未来と、グループ戦略の体系的な実行に焦点を合わせています。私たちは、非常に強固で健全な財務基盤により、必要な投資額を自己資金で調達することが可能です。そのため、これらの投資に対する決定が、フォルクスワーゲン グループを将来の成功へ導くと確信しています。」

さらに多くのヨーロッパの工場を電動化
フォルクスワーゲン グループは、ヨーロッパの工場を包括的に電動化することで、さらなる相乗効果を生み出し、スケールメリットを活用する予定です。
グループは、ニーダーザクセンにある工場だけで、約 210 億ユーロを投資します。そのほとんどは、車両生産と部品生産拠点に向けられます。
―中期的には、ハノーバーは電気自動車専用の工場となり、近代化が始まります。グループにおいて、現在最も重要な将来を見据えたプロジェクトである「Artemis(アルテミス)」は、最初の車両がハノーバーで生産されます。また、新しいベントレー モデルのボディを生産することも確認されています。また「ID.California(アイディ.カリフォルニア)」1 という「ID.」の派生モデルも、同様にこのサイトで生産することが承認されています。さらに、ハノーバーは、「MOIA」シャトルと「ID. BUZZ AD(アイディ.バズ AD)」1 により、グループ内の自動運転車を生産する最前線の工場となります。
―「プロジェクト トリニティ」を通してウォルフスブルグ工場を電動化することが確認されました。
電気自動車の需要が高いことを受けて、2024年から「ID.3(アイディ 3)」をフル生産するためにサイトを改装し、収益性を確保するために従業員側と施策計画をまとめています。
2024年までは、ツヴィッカウからコンポーネントの供給を受けることによる部分生産を想定しています。この計画により、長期にわたり高い稼働率予測がされているツヴィッカウでは応えきれない、追加需要に応えられるようになります。
―ドイツのコンポーネント工場は、2015年に開始した e-モビリティへの変革を継続します。ハノーバー工場は、充電インフラ用のハー ドウェアに加えて、MEB モデル用の車軸(アクスル)も生産します。グループは、ブラウンシュヴァイク、ザルツギッター、カッセルの各工場において、既存の MEB 車両向けのバッテリー システム、ローター/ステーター、電気モーターの生産を拡大するために投資します。さらに、これらの工場では、「SSP(=Scalable Systems Platform)」というプラットフォームの主要コンポーネントを製造するための準備を既に開始しています。このようにフォルクスワーゲンは、電気モジュールとプラットフォームの主要プロバイダーになるための戦略的開発において次のステップを踏み出しています。
―ザルツギッターは、ヨーロッパのバッテリーハブとして、さらに拡張されます。グループは、2025年からニーダーザクセンのギガファクトリーに約 20 億ユーロを投資して、フォルクスワーゲンの量産セグメント向けの統一規格のセルを生産します。バッテリー生産のための開発、計画、管理もザルツギッターに集約されます。この目的のため、監査役会は本日、グループのすべてのバッテリー関連活動を統合し、将来の第三者の参加を促進するための欧州会社(SE) の設立を承認しました。新会社はまた、今週合意された、Umicore、24M、
Vulcan Energy との戦略的パートナーシップを監督します。
―次の 5 ヵ年計画となる「プランニング ラウンド 71」では、オスナブリュック工場における将来の生産プログラムと、ドレスデンにおける二次利用コンセプトを検討することで合意しました。

ニーダーザクセン州首相兼フォルクスワーゲン AG 監査役であるシュテファン ヴァイルは、次のように述べています。
「フォルクスワーゲンは、e-モビリティやデジタル化といった未来のテクノロジーだけでも、今後5年間で890億ユーロを投資します。これは明確なコミットメントです。これが“NEW AUTO”戦略が大きな成功を収めることを可能とします。また、ウォルフスブルグ、ハノーバー、ブラウンシュヴァイク、ザルツギッター、オスナブリュック、エムデンといったニーダーザクセン州の拠点に
210億 ユーロが投資されるという事実は、グローバル企業のフォルクスワーゲンが、そのルーツがあるニーダーザクセン州での事業に真剣に取り組んでいるという、もう一つの証でもあります。 私たちは、約 13 万人の雇用を守るためのこの力強い行動に満足しています。」

グループはまた、ドイツおよびヨーロッパにおいて、e-モビリティへのさらなる投資を計画しています。
―ライプツィヒでは、電気自動車用の PPE アーキテクチャーの相乗効果が、2 台のポルシェモデルとともにプレミアムセグメントで発揮されるでしょう。
―ネッカーズルム工場の電化に関しては、次世代のアウディのE6モデル ファミリーを生産するために、工場を再改装することを決定しました。
―既に電化が完了しているブリュッセルの工場で、202 年から、新しい Audi Q8 e-tron を生産します。
―イベリア半島では、2025年からマルトレルのマルチブランド工場で小型電気自動車を、パンプローナのマルチブランド工場では電動 SUV の生産を計画しています。最終的な決定は、諸条件や政府のインセンティブによります。

ウォルフスブルグの変革 – 2030 年のビジョンに合意
ウォルフスブルグ工場では、「プロジェクト トリニティ」が承認され、新たな派生モデルについては次の5ヵ年計画での検討が決定しました。
従業員協議会会長のダニエラ カヴァッロは、次のように述べています。「今回のプランニング ラウンドで採択された決議は、私たちのグループが、体系的な変革と雇用を守るための持続可能な見通しが密接に関連していることを再び証明しています。世界中の工場、ブランドや企業で働く同僚による成果は、私たちが一緒に追求している変革の道をさらに強化するでしょう。監査役会の従業員代表として、私たちは今回のプランニング ラウンドで採択されたイニシアチブを、現在の非常に不透明な時代において、最も相応しい計画として高く評価しています。フォルクスワーゲンは、この計画を実現します。そして、私たちは今後も変革を続けていきます。」
さらに取締役会は、2030 年までの広範囲にわたる工場再編成の計画概要を示しました。
現在の工場敷地外に新しい工場を建設することを検討している「プロジェクト トリニティ」では、将来に向けた生産体制を確立しながら、革新的で競争力のある次世代の電気自動車および自動運転レベル4に対応した車両を生産することを目指しています。2030年までには、現在の工場敷地内に、電気自動車を生産する2番目の最先端工場を建設することを計画しています。この場所は、ヨーロッパで最も近代的な研究開発センターであるサンドカンプ キャンパスにより、その機能が補完されます。
CEOヘルベルト ディース:「“NEW AUTO”の世界において、私たちのビジネスモデルは根本的な変化を遂げています。フォルクスワーゲンは、従来の自動車メーカーから、強力なブランド グループと世界有数のテクノロジー プラットフォームを備えた垂直統合型の企業グループへと生まれ変わりつつあります。フォルクスワーゲン グループが長年にわたって本社所在地としてきたウォルフスブルグは、変革の中心地となるでしょう。その理由は、ウォルフスブルグで成功を収めることができた場合にのみ、私たちは現在の強いポジションを長期的に維持することが可能になるからです。私たちは、ウォルフスブルグという場所に、2030年に向けたビジョンを備えた、新しいアイデンティティを与えます。私たちの目標は、効率的なグループ運営、2つの電気自動車生産施設、最先端の研究開発センターを備えた国際的に持続可能な場所を作り、その他の未来志向の分野を確立および拡大することです。」

プランニング ラウンド 70 により、グループの競争力が大幅に強化
フォルクスワーゲングループは、5カ年計画を更新するにあたり、「NEW AUTO」戦略の一環として、戦略的財務目標を達成するための道筋も明確に定義しました。これにより、グループの競争力が大幅に強化されます。
2025/2026年の戦略的目標は、グループの営業利益率を 8〜9%の範囲にすることです。同時に、設備投資および開発コストは、自動車部門の売上高の約11%に削減します。自動車部門の調整後ネットキャッシュフロー(M&A およびディーゼル関連支出前)は、2025/2026 年に年間 150 億ユーロを超えると予想されています。
グループが今年度に6~7.5%と定めた営業利益率目標は、定めた範囲の上限で達成できることが確認されました。お客様への納車台数は約900万台になると予想しています。グループは、自動車部門の調整後ネットキャッシュフロー目標の150億ユーロ(M&A およびディーゼル関連支出前)は、確実に達成される見込みであることを新たに表明しています。今年は固定費プログラムが順調に進んだため、9 月末時点における固定費は、2019年に比べて8%削減されました。2023年までに10%の固定費を削減することを目標としています。
2026年までの総支出額における未来のテクノロジーに対する投資額の割合は、以前の計画の 50%から56%に引き上げられました。前期計画の「プランニング ラウンド 69」よりも160億ユーロ多い、合計約890億ユーロが、e-モビリティ、ハイブリッド化、デジタル化に割り当てられます。追加の投資は、主に、グリーンディールの一環としての e-モビリティへの切り替えの加速、自社製
バッテリーのギガファクトリーの建設、バッテリー バリューチェーンの垂直統合に向けられます。
e-モビリティに対する設備投資および開発コストは、「プランニング ラウンド 70」で約50%増加して520億ユーロになりました。一方で、BEV という純粋な電気自動車の生産加速に明確に焦点を当てることで、移行的なテクノロジーであるハイブリッド化への支出は、約30%削減されて80億ユーロとなります。全体として、BEV のシェアは、現在の約5〜6%から、2026年には約25%に増加すると予想しています。
2030年までに、世界のモビリティ市場の売上高の約3分の1は、ソフトウェアベースのサービスに よりもたらされると予想されています。これを実現するために、2026 年までの自動運転を含む製品および会社のデジタル化に、以前の計画から約10%の増加となる300億ユーロが割り当てられました。

Text&Photo:フォルクスワーゲン グループ ジャパン