【初テスト】e.Go Life、こんなシティラナバウトはいかが?
2021年11月29日
またまた生まれた電動マイクロシティカーで旅をする。
スマートなe.Goでの旅。e.Goライフは、楽しさを備えた持続可能なシティカーでありたいと考えている。我々のテストが示すように、まだ100%ではないにせよ、それはほぼ達成している。
大学のプロジェクトとしてスタートした自動車メーカー、Next.e.Go社は、1度の倒産を経て、「e.Goライフ」を発表した。
この車は、都市部で活躍できる電気マイクロカーになることを目指している。
外観は、やや丸みを帯びたなめらかなフォルムと、スポーティでワイドなリアが魅力的なシティラナバウトだ。
第一印象は「シック!」だ。
全長3.34メートル、ホイールベース2.20メートルというサイズもよくフィットしている。
そして、ひとたび走り出せば、「e.Go」は街中をさりげなく駆け抜けていく。
ラッシュアワーはやはり面白くないものの、ストレスはかなり減る。
ボッシュ製の78馬力の電動モーターを搭載している。
「スポーツ」モードでは、それなりに力強く走るが、航続距離は明らかに短くなる。
「エコ」モードや「コンフォート」モードで走行した場合、125kmという走行距離は、決しておとぎ話ではない。
バッテリーの容量は21.15kWhで、これは「スマートEQフォーツー」よりも多い。
ボディ構造は驚くほど断熱性が高く、室内に侵入する周囲の騒音は比較的少ない。
シャシーは典型的な小型車の快適性を提供し、ソフトシートも問題ない。
「e.Go」には合計4人が乗ることができるが、後席の2つのシートを使うのは小柄な人あるいは子どもだけにしたほうがいい。
言うまでもなく窮屈だからだ。
後部座席を倒せば、ラゲッジコンパートメントには643リットルの容量が備わっている。
低く取り付けられたルームミラーは、残念ながら前方の視界が妨げられるだけでなく、後方を見るのも不便に感じることがあり、後ろは自分の肩越しに目視するか、サイドミラーを見たほうがいいだろう。
ボディは塗装していない
「e.Go」の外観は、ソリッドカラーのプラスチックスキンで全体を飾っている。これはへこみがなく、塗装の必要もないため、化学薬品の使用を減らし、生産を効率化することができるようになっている。
大変かしこい素材と言えよう。
サブコンパクトカーとしては価格が高い
シティカーのインテリアは、リサイクルされた硬質プラスチックで占められている。
これらの部品は特にシックではないが、機能的ではある。
その点もなかなか重要なのだ。
「e.Go」のスペースフレームは、機能性と環境への配慮も兼ね備えている。
溶接されたアルミニウムのプロファイルが、肩のラインまでのフレームを形成している。
このフレームにエクステリアとインテリアのパーツが取り付けられており、オーナーはその部分を何度でも「e.Go」をアップグレードすることができるという。
一方で、価格は27,159ユーロ(約355万円、補助金を除く)と高額だ。
「e.Goライフ」のターゲット層をよく見てみると、都市部に住む高所得者であることがわかる。
2台目、3台目のクルマとして使い、あえて「e.Goライフ」で、初めての電気自動車で、走行距離を稼ぐ人。
車なしではやっていけない、しかし予算があまりないという人には、向いていないと思う。
テクニカルデータ: e.Goライフ スペシャルエディション ネクスト
● パワーユニット: 電動モーター、リア ● 最高出力: 57kW(78PS) ● 最大トルク: 200Nm ● 駆動方式: 後輪駆動、1速AT ● 全長×全幅×全高: 3348×1747×1582mm ● 0-50km/h加速: 4.3秒 ● 最高速度: 122km/h ● 電力消費: 18.3kWh/100km ● 充電時間: 3.7~9.6時間 ● 価格: 27,159ユーロ(約355万円、9,570ユーロ=約125万円の補助金含まず)
結論:
「e.Goライフ」は見た目も魅力的で、旅行者を驚愕の表情で振り向かせることもない。
エアコンや現代的なインフォテイメントシステムを備えている。
しかし、その自信に満ちた高価な値段が、楽しさにややブレーキをかけている。
AUTO BILDテストスコア: 2-
ちょっと「スマート」風なシティラナバウトの「e.GOライフ」、価格や内装の安っぽい感じなど改善点は多いが、これからもこういう新規参入組がどんな策で登場するのか楽しみにしている。
個人的には安っぽくとも全く構わないし(要は、それをどう見せるのかのセンスと知恵の問題で、シンプルでお金がかかっていなくとも、使いやすくちょっとデザインがよければ全く気にしない)、もっと言ってしまえば全く新しい形のEVがそろそろ出てきても良いのではないだろうか。
今回のクルマも、妙に従来までの自動車らしさを外装、内装ともに厳守?しているところが残念で、せっかく内燃機関を持っていない乗り物なのだから、まったく今までとは違う方向性を打ち出してもよかったのではないかな、と思う。そんな中で興味深いのは新素材のボディと断熱材という部分で、たしかにそういう部分の革命も起こってもよいと常々思っていた。いつまでもちょっとこすって傷がついたとか、板金屋さん大繫盛みたいなボディにもサヨウナラする時期なのではないだろうか。
Text: Jakob Gierth
加筆: 大林晃平
Photo: Next.e.GO Mobile SE