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ランボルギーニ ジャルパ誕生40周年

2021年11月25日

最後のV8搭載GTセダン

1981年3月のジュネーブ・モーターショーで初登場した「Jalpa」が40周年を迎える。

ランボルギーニの伝統にのっとり、闘牛の品種「Jalpa Kandachia」が車名の由来のJalpaは、V型8気筒エンジンをリアミッドに搭載した、ランボルギーニ最後のグランドツーリングセダンです。JalpaはUrracoとSilhouetteの最終進化形として、全体的なアーキテクチャは踏襲しながら、3.5リッターに大型化したエンジンを備えていました。タルガトップのオープンルーフを持つ輪郭は、カロッツェリア・ベルトーネで1980年からスタイルディレクターを務めていたフランス人デザイナー、マルク・デシャンの手によるもので、当時ランボルギーニのゼネラルマネージャー兼テクニカルディレクターであったジュリオ・アルフィエーリの影響を直接受けています。アルフィエーリはJalpaの一部のデザインも手掛けています。

Jalpaの最も重要な技術革新は、最終的な進化を遂げた90度V型8気筒エンジンです。チェーン制御の4本のOHCを備えた完全アルミ製で、当初はUrracoとSilhouetteに搭載されていました。ボアを拡大して排気量が3.5リッター(3485㏄)となったこのエンジンは、ウェーバー42DCNFツインキャブレター4基を使用し、圧縮比9.2:1で、255hpの最高出力と32kgm/3500rpmの最大トルクを生み出し、最高速度は248km/h(155mph)にまで達しました。

ジュネーブで発表されたJalpaのプロトタイプには特別な裏話があります。そのベースとなったのはSilhouetteで、製造はされたものの販売に至ることなく工場に戻され、新モデルの製作に使用されたというものです。1981年のジュネーブ・モーターショーのJalpaは、特殊なブロンズ色であったことと、量産モデルには採用されなかった外見的な特徴が見られることからすぐに分かります。1982年に量産を開始したJalpaは、セミモノコックの鋼製のボディに黒のバンパーとエアインテーク、横長のリアランプを備え、コンセプトカーAthonからそのまま受け継いだ16インチの合金ホイールにピレリP7ロープロファイルタイヤを装着していました。インテリアはレザーとカーペットをふんだんにあしらった贅沢な仕立てで、取り付け・取り外しが簡単にできるオープンルーフは、リアシート後方の専用スペースに収納できるデザインでした。当時の専門誌に数多く見られた試乗記では、エキスパートたちがJalpaのストレートで積極的、そして妥協のないハンドリングを熱狂的に報じています。

1984年のジュネーブ・モーターショーで発表された「シリーズⅡ」では、外見に若干変更が加わり、バンパーとエアインテークがボディと同色になり、リアランプは丸みを帯び、インテリアも一新されました。Jalpaは420台が生産され、1988年に生産終了となりました。V型8気筒エンジン搭載のランボルギーニ最後のセダンで、歴史的にもこの排気量とエンジン搭載位置のクラスでは最後のスポーツカーです。コンセプト的には、Jalpaは2003年に登場したランボルギーニ有数の販売台数を誇るのGallard直系の前身モデルになります。

生産台数
ランボルギーニ ジャルパ:1981年~1987年、420台

ランボルギーニ・ポロストリコ
2015年に設立されたランボルギーニ・ポロストリコは、サンタアガタ・ボロネーゼを拠点とするアウトモビリ・ランボルギーニの伝統の保護を担当する部門です。2001年までに生産されたランボルギーニ全車のレストアと認定を主な役割としています。そのほかにもランボルギーニにアーカイブされている資料の保存と新しい資料の入手も担当し、クラシックランボルギーニの価値の立証と維持を図っています。クラシックランボルギーニの愛好家の要望に応え、市場では入手不可となったスペアパーツの復元にも特に力を入れています。

Text&photo:ランボルギーニ・ジャパン