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【名車復活】伝説のツーリングカー フォード シエラRS500コスワースのニューエディション登場 でもたったの3台・・・

2021年11月21日

伝説のフォード シエラRS500コスワースにニューエディション。

伝説のフォード シエラRS500コスワースが3台限定で復刻されることになった。主要データ: 580馬力以上で20万ユーロ(約2,640万円)以上の高価なもの!?

史上最も成功したツーリングカーのひとつ、それが「フォード シエラRS500コスワース」だ。
500馬力を超える最高出力を誇り、世界中で数々のタイトルを獲得したSierra。
500台しか製造されなかったロードゴーイングバージョンは、今では何度も高値で取引される人気の高いクラシックカー。
それをイギリスの会社がSierra RS500を超限定のスモールシリーズとして復刻することを決定した。その数わずか3台のみの生産で、販売価格は20万ユーロ(約2,640万円)以上。

まず、1986年から1992年にかけて製造されたフォード・シエラRSコスワースの歴史をご紹介しよう。
フォードのモータースポーツ部門とエンジンパートナーであるコスワース社とのコラボレーションにより、グループAレース仕様の競争力を形成することを主な目的として誕生。1986年7月に発表されたシエラRSコスワースのロードゴーイングバージョンは、最高出力204ps、最高速度240km/hを実現した。生産台数は5500台を超えた。
その後、500台のRSコスワースがアストンマーティン・ティックフォード社に渡り、1987年8月に進化モデルのSierra RS500 Cosworthとして発表された。
500台すべてが英国市場専用で、当初はブラックに塗装される予定だった。
最終的にはホワイトの「RS500」が56台、「ムーンストーンブルー」カラーの「RS500」が52台生産された。

ニューエディションは、シエラRS500のレーシングバージョンだ。道路での登録は難しいと思われる。

フォグランプのない新しいフロントエプロンや、RSコスワースの特徴であるXXLウィングの下に追加されたスポイラーリップなどの小さな外観の変更のほかに、何よりもエンジンが再び改良され、レース用のパーツが装備された。
とりわけ、ギャレット社製T04ターボチャージャーの大型化、インタークーラーの大型化、燃料ポンプの改良、冷却システムの最適化などが行われ、その結果、最高出力227ps/6000rpm、最大トルク277Nmを達成。

500馬力を超えるレーシングバージョン

「RS500」のツーリングカーバージョンはさらにワイルドで、1980年代後半にはDTMだけでなく、世界中の数多くのツーリングカーシリーズで勝利を収めることになる。その中には、イギリスのツーリングカー選手権、略してBTCCもあった。
その理由のひとつは、フォードのT88ブロックをベースに、エンジンのスペシャリストであるコスワースが開発した16バルブエンジンにあった。
XXLサイズのギャレットターボチャージャーを装着したレーシングトリムでは、この4気筒エンジンは500馬力を超える出力を発揮した。
そのため、DTMではパワーを抑えるためにエアリストリクターが導入されるほどの速さを誇っていた。

そして、このレーシングバージョンの「フォード シエラRS500」が、30年以上の時を経て、オリジナルパーツを用いて限定的にスモールシリーズとして復刻されることになったのだ。
このプロジェクトを担当したのは、英国のCNCモータースポーツAWS社。
レーシングドライバーのアンディ・ラウス氏の協力を得て、3台の「フォード シエラRS500グループA」のニューエディションを製作する予定。
CNCが大切にしているのは、そのオリジナリティだ。

フォード シエラRSコスワースの特徴は、やはり巨大なリアウィングだ。

CNCモータースポーツの創始者であるAlan Strachanは、1980年代後半から1990年代前半にかけてアンディ・ラウス・エンジニアリング(ARE)のレーシングチームで働いていたこともあり、Sierraのツーリングカーに精通している。
ストラチャンは、新品のRS500のボディ(909モータースポーツ)を購入する機会を与えられたとき、迷わずラウスに連絡を取り、”コンティニュエーション・カー “と呼ばれる3台の小ロットの車を作ることを提案、BTCCで4度のチャンピオンに輝いたことのあるラウスは、この計画を即座に承諾した。そのため、RS500はARE仕様で製造されることになった。

つまり、シャシーパーツ、スチールケージ、現代的な計器類、そして炎を上げるサイドパイプなどがオリジナルの計画に基づいて作り直されることになる。
もちろん、3台のRS500にはヒストリックレースに必要な書類がすべて揃っており、”すぐにレースに出られる状態 “だという。
その中心となるのは、もちろんコスワース・エンジン(YB)で、当時のエンジンビルダーであるヴィック・ドレイクがオリジナルの仕様にリビルドしたものだ。CNCは、出力を驚異の583ps(575bhp)としている。
パワーはゲトラグ製の5速ギアボックスを介して後輪に伝達される。

新仕様の単価は216,500ユーロ(約2,860万円)から

3台ともプレーンなホワイトで納車され、スポンサーの塗装仕上げもオプションで用意される予定。早ければ2022年春に第1号車が完成するだろう。
本体価格は最低でも185,000英ポンド(約2,886万円)相当となる。
ちなみに、オリジナルの「フォード シエラRSコスワース」は、現在では5万ユーロ(約660万円)を超えることもある。
また、希少な「RS500コスワース」は10万ユーロ(約1,320万円)を超えることもある。

Text: Jan Goetze
Photo: Cosworth