【カッコいい短い動画付き】このクルマなんぼ? 伝説のポルシェ550Aスパイダー オークションでの驚きの落札価格は?
2021年10月19日
136馬力の車に5億円超!?
517万ドル(約5億3,250万円)で、オークションでポルシェ550Aを落札した人がいる。こんな少ないパワーを、より多くのお金で手に入れたのは稀なことだ。その物語。
確かに、この車は非常に珍しいもので、しかもポルシェである。
1958年製の「ポルシェ550A」が英国のオークションハウス、ボーンハムのハンマーの下に置かれたとき、入札者たちは熾烈なバトルを繰り広げた。
最終的には、517万ドル(約5億3,250万円)で落札された。
しかし、レーシングカーの買い手が、これほど性能の低い車を、高額で手に入れることは、過去を含めて、めったにない。
この1950年代のレーサーは、スリムな1.5リッター4気筒ボクサーエンジンからわずか136馬力しか出力しない。
1.5リッター4気筒のボクサーエンジンから生み出されるこのポルシェの136馬力の価値は、1馬力につき3万8,000ドル(約390万円)という高額なものだ。
比較するなら、さらに希少な、「ジャガーEタイプ ライトウェイト」に資金を投入した場合でも、ジャガーの340馬力に対して、1馬力あたり21,400ドル(約220万円)しか支払う必要がないのだ。
その数値は購入価格から計算したものだ。
以前、「レーシングEタイプ」は、730万ドル(約7億5千万円)で取引された。
50年代のオリジナルレーシングカー
しかし、この「550A」の買い手は、おそらく40台しか製造されなかった「550A」のレースの歴史を好んだのだろう。
1958年のル マン24時間耐久レースで総合5位に入賞し、ニュルブルクリンクの1000kmレースでも表彰台に上っている。
ボーンハムによれば、この高額な価格は、素晴らしいレースの歴史だけでなく、オリジナルの状態にも起因しているとのことだ。
「シャシー0145」は、カレル ド ボフォールやリヒャルト フォン フランケンベルグといった伝説のレーシングドライバーとともに、4つの世界選手権に参加したワークスカーであり、おそらくグランプリに出場した唯一の550でもある。
つまり、オークションに出品された「550A」は、最も有名な「550」である可能性もあるということだ。
この「550A」は、アメリカの個人コレクターの手に渡ったようだ。
※以下、希少な550Aスパイダーのクールでカッコいい動画(1分13秒)をお楽しみください。
Text: Mareike Borgstedt
Photo: Bonhams