【初テスト】マセラティMC20に初試乗 果たしてモデナからのミッドエンジンスポーツカーは真のドライビングプレジャーたりえるか?

1866
- Advertisement -

ついにトライデント(三叉槍)がふたたび加速する。マセラティは本物のスポーツカーを取り戻した。果たしてMC20は、そのルックスの期待に応えてくれるのか?その答えは、我々の最初のドライビングレポートにある。

材料は揃った。「マセラティMC20」は、そのレーシーなフォルムと、完全新開発のエンジンにより、スポーツスターになるための条件をすべて備えている。革新的なプレチャンバーイグニッションを採用した、「ネットゥーノV6(Nettuno V6)」ツインターボエンジンは、「スポーティ」モードでは容易に反応するが、「GT」セッティングではやや抑制される。猛烈なスロットルコマンドがあって初めて、マセラティはまるで獣が目覚めたかのように走り出すのである。

マセラティMC20はドライビングプレジャーの手榴弾

マセラティのミッドエンジンスポーツカーは、2つの世界を行き来する存在でありたいと考えている。日常生活での運転のしやすさと、レーストラックでのパンチの効いた楽しさを両立させる。後者の分野では、MC20には強力なダウンフォースは必要ない。「MC20」が、運転していて楽しいのは、完璧なラインを描くからではなく、そうでないからこそだからだ。走っていて楽しい手榴弾のようなもので、完璧に操ることができたときの嬉しさが堪らない。そのメカニカルなグリップは、強いダウンフォースでオンザレールのごとく走るスーパーカー以上に、ドライバーに喜びを与えてくれる。限界域は、他のほとんどのミッドエンジンスポーツカーよりも本能的に感じ取ることができ、パワーオーバーステアも素晴らしくシンプルな方法で捉えることができる。「MC20」に批判的な点があるとすれば、245サイズのブリヂストンを装着したフロントがすぐに過負荷になってしまうことだ。もっと接地面を増やしてもいいのではないだろうか。

マセラティMC20は、鋭くターンインした後、驚くほどフィードバックフリーな状態を維持する。

日常的な使用においては、ステアリングの俊敏性が促進されている。とはいえ、「MC20」のステアリングの挙動がシャープすぎるほどで、しかも驚くほどフィードバックがないのは、チューニングが完璧ではないからだ。ステアリングホイールはしっかりとした感触があり、新しいタッチ式インフォテインメントは、優れた操作ロジックと高解像度ディスプレイで楽しませてくれ、カーボンファイバー製のシフトパドルも刺激的だ。試乗車では、ダッシュボードの表面だけが古いウェットスーツのように感じられた。それは全体の印象を損なうものだろうか?いや、そんなことはないと思う。マセラティは素晴らしいクルマを生み出した。しかし、21万ユーロ(約2,750万円)という価格は決して安いものではないが・・・。

マセラティは本物のスポーツカーを再び手に入れた。

材料は揃っている。レーシーなフォルムと完全に新開発されたエンジンにより、「MC20」はスポーツスターになるために必要な要素を備えている。革新的なプリチャンバーイグニッションを採用した内燃機関のエンジン「ネットゥーノV6(Nettuno V6)」は、スポーティなモードでは素直に反応するが、「GT」セッティングでは抑制される。猛烈なスロットルコマンドがあって初めて、マセラティはまるで獣が目覚めたかのように走り出す。結局のところ、マセラティのミッドエンジンスポーツカーは、世界をつなぐコンバーターでありたいのだ。日常生活での運転のしやすさと、レーストラックでのパンチの効いた活発な走りを両立させる。

「MC20」はダウンフォースを気にすることなく、外観を乱すウィングユニットもない。「MC20」が運転して楽しいのは、完璧なラインを描くからではなく、そうでないからこそだ。
インテリアの出来栄えは申し分ない。ステアリングホイールにはしっかりとしたグリップ感があり、新しいタッチ式インフォテインメントは優れた操作ロジックと高解像度ディスプレイで楽しませてくれ、カーボンファイバー製のシフトパドルも刺激的だ。
プロフィールの美しさは抜群だ。

テクニカルデータ: マセラティMC20
● エンジン: V6ツインターボ、リアセンター縦置き ● 排気量: 2991cc ● 最高出力: 630PS@7500pm ● 最大トルク: 730Nm@3000~5500rpm ● 駆動方式:後輪駆動、8速デュアルクラッチトランスミッション ● 全長×全幅×全高: 4669×1965×1221mm • 乾燥重量: 1475kg • 0-100km/h加速: 2.9秒 ● 0-200km/h加速: 8.8秒 ● 最高速度: 326km/h ● 平均燃費: 8.6km/ℓ ● CO2排出量: 261g/km ● 価格: 210,000ユーロ(約2,750万円)より

結論:
もうほとんど期待していないときに、スポーツドライバーの空に突然新しい星が昇る。このクルマの第一印象はとても強い。「MC20」は、次回我々の容赦ないテストを受けなければならない。それはそれで楽しみではあるが…。
AUTO BILDテストスコア:2

マセラティらしい内燃機関のエンジンを持つ「MC20」、かなり本気度の高いスーパースポーツカーであることは間違いないだろう。メーターなどをのぞけば古典的な成り立ちともいえ、そういう意味ではマセラティらしいクルマである。価格も昨今のウン億円は当たり前、といった価格帯のスーパースポーツカーを見慣れた目には、なかなか良心的(?)とさえ感じてしまう(今や、ポルシェ911ターボでさえ、3000万円なのだから)。
個人的には、このカッコがマセラティらしいかと言われると、うーん大変失礼ながら、なんだかフェラーリとNSXを足して2で割ったようにも思え、トライデントを外しちゃったら、なんだか見分けがつかないような気もする。もう少しエレガントなクーペボディだったら、とは外野からの勝手で無責任な言いたい放題ではある。

Text: Alexander Bernt
加筆: 大林晃平
Photo: Ferrari SpA

食べログ評価3.5「俺のフレンチ」をご自宅で【俺のEC】