【ガチンコ勝負】ディーゼルSUV×5台対決 アウディ対ビーエム対ベンツ対アルファ対ジャガー 栄えある1位、そして最下位は?
2021年9月24日
今回はシックなディーゼルSUV×5台を比較テストしてみた。ディーゼルの良さは折り紙つき!? さらに、ここではシックなパッケージをご紹介。F-PACE、GLCクーペ、Q5スポーツバック、ステルヴィオ、X4、どれが一番納得できる?
時代の変化。過去にはシックなセダンやクーペが流行っていたが、未来はオール電化のクロスオーバーかもしれない。そして現在は?今はSUVが求められている。大きすぎず、ファッショナブルなスタイルを持つSUV。そして、高いボンネットに小型ディーゼルを搭載し、経済性を追求しているモデルが。低燃費と長い航続距離で、オーナーは日常生活を自由に過ごすことができる。高級ミッドサイズSUVの分野では、「アルファロメオ ステルヴィオ」、「アウディQ5スポーツバック」、「BMW X4」、「ジャガーF-PACE」、そして、「メルセデスGLCクーペ」が、アメリカのV8エンジンでしか知られていなかった、200馬力前後の出力と山のようなトルクで対決している。
メルセデスはあなたを圧倒的に遠くへ導く
「GLC」と「GLCクーペ」は、それぞれ2リッターのディーゼルエンジンを搭載しているが、燃料タンクが大きいため、最大で1,010km(メルセデス)の距離を走ることができるようになっている。そのため、多少ブカブカした4気筒の音も見過ごせる。アウディ、BMW、メルセデスは、クーペのスタイルで勝負しているため、その分、スペースが狭くなり、購入価格も高くなっている。「アウディQ5」は、2017年から発売されている標準モデルの代わりに、真新しいスポーツバックを自宅のガレージに駐車するには、2,250ユーロ(約30万円)の追加料金で十分だ。一方で、BMWは、「X3」から「X4」へのアップグレードに3,700ユーロ(約48万円)を請求する。パノラミックリアウィンドウを備えた「メルセデスGLC」を好む人は、クーペバージョン購入のために、4,355ユーロ(約56万円)という高額な費用を払わなければならない。
Jaguar F-PACEは、高価であることがネック?
外国車であるアルファロメオやジャガーの2台、「ステルヴィオ」と「F-PACE」の場合、ブランド名が大きいだけでなく、台数が少ないこともあって、必要なエクスクルーシブ性が確保されている。ベンチを倒した状態では、どちらも圧倒的に大きなトランクを備えているし、アルファロメオはリアのヘッドルームも一番広い。しかし、このクラスではこれらが決定的な要素ではない。重要なのは、スタイル、イメージ、個性だ。そして、この5台のモデルには、それぞれ十分な要素がある。したがって、今回の比較テストの結果は、ほとんどの購入者にとって、決定的なものにはならないだろう。この5台のモデルは、それぞれが独自の方法で勝者であり、独自の個性を備え持っている。そして、魅力的な価格。テスト車は、いずれも6万ユーロ(約780万円)を超え、ジャガーでは7万ユーロ(約910万円)近くにもなる。
結果発表
800満点中501点で第5位: アルファロメオ ステルヴィオ2.2ディーゼルQ4ヴェローチェ
レーシーなアウトサイダーで、パワーがあり、シートも良い。でも、うるさくて、硬くて、複雑。価格:60,000ユーロ(約780万円)より
800満点中509点で第4位: ジャガーF-PACE D200 AWD RダイナミックSE
たくさんのスペースと良い仕事ぶりのノーブルなグライダー。ただ、購入価格が高い。価格: 66,900ユーロ(約870万円)
800満点中527点で第3位: メルセデスGLC 220 d 4MATICクーペ
素晴らしいステアリング、広大な航続距離。コストの高さがそれを阻んでいる。価格:55,746ユーロ(約725万円)より
800満点中533点で2位: アウディQ5スポーツバック40TDIクワトロSライン
上品なスタイリング、確かなブレーキ性能、最高のシャシー。有利なメンテナンス。価格:56,150ユーロ(約730万円)より
800満点中548点で1位: BMW X4 xDrive 20d
非常にバランスが取れていて、スプリントに強く、経済的。ハンドリングも良く、価格も妥当。明確な勝利。価格: 57,400ユーロ(約746万円)より
結論:
小型ディーゼル搭載の高貴なSUV、5つの解釈。BMWは当然のように勝利し、まだまだ首位を走っている。アウディはコスト面でメルセデスを追い越すことができると思う。ジャガーは、十分な広さと精巧な作りで納得させるが、その価格は高価だ。アルファは、ありのままの姿を愛するファンのための一台といえるだろう。
百花繚乱のSUVの中でも、今回はスタイリッシュな、ということは言ってみればカッコ優先の5台の対決であった。結論は意外なようでもあり、予想の範囲内でもあり、というものだったが、言ってみればこれは車の完成度や洗練性といった面で評価したものであり、本来はそういう部分よりももっとエモーショナルな部分で選ばれる5台なのではないか、と思う。無責任な発言だが、こういうジャンルの自動車はブランドや格好で、直感的に選ばれることが多いわけで、どのクルマが欲しいかで選択肢はある程度(最初から)決まっているものなのだと思う。アルファロメオが欲しい人が、メルセデスベンツの完成度に負けて「GLC」を選ぶかというと、それはないだろうし、その逆も同様だろう。このジャンルでは、良い悪いではなく、好き嫌いが一番優先される…。身もふたもない意見だがそれもまた自動車というライフスタイル商品の現実なのである。
Text: Malte Büttner, Mirko Menke
加筆: 大林晃平
Photo: Tom Salt / AUTO BILD