初テスト キャンパー VW グランドカリフォルニアに試乗 性能から装備まですべてをチェック
2021年9月17日
大きい、大きい、フォルクスワーゲン グランドカリフォルニア!近未来的なビッグバンでのキャンプは、こんな感じだ。
キャンピングカーテスト。AUTO BILDキャンピングカー担当のジェニーが思わず興奮!VWグランドカリフォルニアは、今、最もクールなキャンピングカーの1台だ! 7メートル弱のロングバージョンは、市場で最も大きいだけでなく、見た目にも変わったパネルバンだ。
「ハイマー ヴィジョンベンチャー」にしろ、「シャウッソンX550」にしろ、「ブルストナー ライセオ ギャラリー」にしろ、キャンピングブームの黄金期にあるモーターホームメーカーは、それぞれに新しい実験に意欲的になっているようだ。
また、「キャラバンサロン2018」で初公開された、「VWグランドカリフォルニア」も大きな話題になった。
少なくとも、そのインテリアが視覚的に、居心地のよいリビングルームというよりも、宇宙船エンタープライズ号のブリッジを彷彿とさせるからである。
他には?
ライフスタイルを具現化するモーターホーム
「グランドカリフォルニア」は、「VWカリフォルニア」を大幅に改良したもので、それによって、軽快、シンプル、見た目の素晴らしさはそのまま、いやそれ以上である。
しかし、小さな「ブリ(Bulli)」が控えめで、その多用途性で輝いているのに対し、「グランドカリフォルニア680」は、7メートル弱の長さで、日常的な車として使用するには大きすぎるものの、「VWクラフター」をベースにしたこのパネルバンは、キャンピングカーとしては絶対的な性能と装備を備え持ち、大きくなった分、満足度も高いことから成功を収めている。
これは、ボディや装備品全体の品質の高さ(ストーブカバーを除けば、ガタつくものは何もないし、ハイルーフのシールジョイントも非常にきれいだ)だけでなく、スマートなディテールソリューションによるものだ。
3分割されたマットレスは、グランドカリフォルニアの減点対象となる
室内のレイアウトについては、VWは実績のある縦型ベッドのコンセプトを踏襲している。
しかし、その詳細な解決策には驚かされる。引き出し式の強力な冷蔵庫、折りたたみ式のシンク、バスルームの人感センサー、ベンチシートの横にあるIH充電ポイント、自動で伸縮するステップなどに感心した。
頭上の多数の収納部は2つに分かれており、下向きと上向きに開くことができるようにできている。レイアウトは好みが分かれるところだが、これでスッキリと片付く。
夕方になると、カラー調整可能なアンビエント照明(524ユーロ=約7万円)がバーのような雰囲気を醸し出す。
残念ながら、マットレスには減点がある。
三分割されているため、2つの居心地の悪い隙間ができてしまうからだ。
細いシルエットのおかげで、ロングバージョンでも操縦性は良好だ
走りはどうか?
6.84メートルの長さにもかかわらず、クラフターは驚くほど軽やかな足取りで走ることができる。
全長の長さを実感するのは、旋回時だけだ。
細いシルエット、人間工学的に優れたシートポジション、非常に正確なステアリング、DSGトランスミッション(177馬力のパワフルなディーゼル車を標準装備)、ディスタンスコントロール(1,226ユーロ=約16万円)やクロスウィンドアシスト(標準装備)などのアシスタンスシステムが完璧に機能することで、「グランドカリフォルニア」は、その大きさからは想像できないほど、運転したときの感覚が優れている。
基本的には、「VWカリフォルニア」を膨らませたものが「グランドカリフォルニア」だ。このモデルは、小型で象徴的な兄弟と同様に、軽さ、シンプルさ、ライフスタイルを約束する。視覚的には素晴らしい。しかし、「グランドカリフォルニア680」の全長は7メートル弱で、日常的な車両として使用するには大きすぎる。価格は62,154ユーロ(約820万円)からとなっている。
「VWクラフター」ベースのパネルバンは、モーターホームとして絶対的な成功を収めている。これは、ボディや装備品全体の納得のいく品質(ストーブカバーを除き、ガタつきがなく、ハイルーフのシーリングジョイントも非常にきれい)だけでなく、スマートなディテールソリューションによるものだ。
結論:
細かいクセはあるものの、「グランドカリフォルニア」は最高のバンの一台だと思われる。
今回のテスト車輛である、「フォルクスワーゲン グランドカリフォルニア」は、確かに大きいが、それでもアメリカの「ヴィネヴェーゴ」や、ヨーロッパのさらに大きな(バスをベースに作られた)モデルと比べれば、それほど巨大なわけではない。内装も装備は充実したものを備え持ってはいるものの、その設えはシンプルで、決して華美ではない。そして、日本でよく見かけるトラックベースのキャンパーに比べると、格段に運転しやすそうなことと、機能的なこと、そしてスマートで格好良いこと、その部分がやっぱりいいなあ、と思う。
そう、格好いいこと、スマートなこと、というのは大切な条件で、せっかくの趣味の自動車なのだから、お洒落であってほしい。
日本の路上で見かけるトラックベースのキャンピングカーに一番欠けているのはまさにそこで、機能的ではあっても、決してスタイリッシュではないものばかりだ。この2トーンカラーに塗られた、「グランドカリフォルニア」の写真を見ながら、爽やかでいいなあと、つい羨ましくなってしまうのである。
Text: Jenny Zeume
加筆: 大林晃平
Photos: Christoph Boerries