クラシックカーの証 自動車先進国ドイツにおけるHライセンスプレート その資格と仕組みとは?

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誰(どのクルマ)がクラシックカーの証となるHナンバープレートを取得できるのか? ドイツでは、1997年以降、30年以上前に登録されたヒストリックカーで、オリジナルまたは現代的に修復された良好な状態であれば、Hナンバープレートで登録することができる。その詳細をフォトギャラリーとともに紹介。

Hライセンスプレートには、見た目は普通のナンバープレートと同じだが、末尾に「H」(ヒストリック)の文字が入っている。
多くのクラシックカーのオーナーにとって、税制上の優遇措置があるだけでなく(エンジンの容量や消費量にかかわらず、年間、一律191.73ユーロ(約25,300円)の自動車税を支払うだけでよい)、ナンバープレートの所有者を文化財保護者として扱われるようになっている。

このナンバープレートを希望する人は、その車両がほぼオリジナルであることを証明する証明書を提出しなければならない。
Photo: Christian Bittmann
Photo:Angelika Emmerling
Hライセンスプレートを取得するにはどうすればよいか? 2007年以降、訓練を受けたテストエンジニアであれば、誰でもこの証明書を発行することができる。鑑定には、一般的な検査の範囲内での検査に加え、車両全体のケア/メンテナンス状態、および主要アセンブリのオリジナル性の評価が含まれる。
これには以下の要項が含まれる。ボディ/車体、フレームまたはシャシー、エンジン、ブレーキシステムおよびステアリング、リムおよびホイール(タイヤの寸法を含む)、そしてインテリア。CDプレーヤー付きの現行ラジオは、スマートフォン用のUSBソケットが常設されているのと同様にタブーとされている。
Photo: Christian Bittmann
ただし、初年度登録(該当する場合は製造日)から10年以内に行われたことが証明できる車両の改造は認められる。これには、その車両シリーズの中で既に許容/可能とされている技術的な改造や、少なくとも30年前に行われたことが証明できる非現代的な改造が含まれる。
Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD
排ガス浄化システムの後付けは、環境上の理由から一般的に可能だが、その許容性を証明する必要がある。その点、後付けの触媒コンバーターは何の問題もない。
Photo: Werk
改造が現代のものであることを証明するにはどうしたらいいか? 例えば、特別なホイールが掲載されているオリジナルのパンフレットのような資料を保管している人は幸運だ。取扱説明書、当時のメーカーの承認書、歴史的な鑑定書などもオリジナル性を証明するのに適している。手元にない場合は、アーカイブを探してみてほしい。ドライビングレポートなど、メディアが発行した資料で、そのディテールが言及されているものは、証拠として用いることができる。
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Hライセンスプレートの費用? 合計で約230ユーロ(約3万円)の支払いが必要だ。専門家の意見を聞くための費用が約100ユーロ(約13,200円=車種によって異なる)、一般検査が約90ユーロ(約1,000円)、登録が約30ユーロ(約3,600円)、それに特別なナンバープレートの費用(12.80ユーロ=約1,700円)がかかる。また、車両には保険をかける必要がある。保険会社によっては、オールドユーザー向けの特別料金を設定しているところもある。
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Photo: MHE / HMA
シーズンライセンスプレートとは? 季節限定のナンバープレートは、クラシックカーを1年中道路で走らせたくないが、夏だけは走らせたいという人などに便利だ。特にクラシックカーは、冬場は霜や道路の塩分のためにガレージに入れておいた方がいい。
登録は2ヶ月から11ヶ月間可能で、自動車税は日割りで計算される。いつからいつまでが有効なのか(例:「04/10」、4月1日から10月31日まで)は、ナンバープレートの右端に書かれている。
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Photo: AUTO BILD KLASSIK
Photo: TÜV Nord
2017年からは、Hライセンスナンバーを季節ごとに登録できるようになった。年内にクラシックカーを登録する人は、年間の自動車税を一律で支払う必要がなくなった。クラシックカーを2ヶ月から11ヶ月の期間で登録することができ、その際の税金は比例配分される。冬の間、ガレージにクラシックカーを保管している人は、この恩恵を受けることができる。例えば、4月から9月までの6ヵ月間、クラシックカーを登録した場合、1年間に支払う税金はたったの95ユーロ(約12,540円)で済むのだ。
注意すべき点: 季節指定のない1行のHライセンスプレートでは、Hの前に最大7文字のアルファベットと数字を入れることができるが(例: FD-AL 123HやNWM-A 212H)、季節指定のHライセンスプレートでは、Hの前に最大6文字しか入れることができない。
Photo: Hans-Joachim Mau / AUTO BILD
ヒストリックカーは、低排出ガスゾーンでの走行が認められている? はい、認められている。道路交通法第2条第22項によれば、環境ステッカーがなくても、ヒストリックカーは環境ゾーン内を走行することができるようになっている。
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Photo: Angelika Emmerling / AUTO BILD
Hナンバーの価値がないのはどんな人? 税制上の理由から、多くのクラシックカーのオーナーは、これまで、名誉あるHライセンスナンバープレートを見送ってきた。というのも、エンジン容量の小さい車の自動車税は、Hライセンスナンバーの車1台につき、支払うべき191ユーロ(約25,200円)よりも安い場合があるからだ。つまり、「BMWイセッタ」のような排気量800ccまでのガソリンエンジンの小型車は、通常の登録の方が安いのだ。これは季節指定Hライセンスプレートを付けても変わらない。
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Photo: Matthias Brügge
Photo: Markus Heimbach
赤の07ナンバープレートは代替となるか? それは場合による。1994年に導入された赤いクラシックカー用ナンバープレート(07ナンバーとも呼ばれる)は、製造から30年以上(2006年までは20年以上)経過した、1種類の自動車(オートバイやその他の自動車)数台に、交互に使用することを目的としており、Hライセンスナンバープレートと同じ条件(オリジナルの状態が良いこと)を満たす必要がある。
ただし、Hナンバープレートとは対照的に、定期的な一般検査は必要ない。また、ライトが付いていないなどの理由で、実際には登録できないような非常に古い車でも、道路を走ることができるようになっている。
07ナンバーのデメリットは、クラシックカーのイベントや試乗会、譲渡会への参加など、使用が厳しく制限されていることだ。
Photo: Ralf Timm

Text: autobild.de