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激レアAMGが売りに出る!「AMG 300CE 3.4-4V Wide Version」日本に5台だけ輸入されたホンモノを我々は見た!

2023年4月29日

AMG 300CE 3.4 -4V Wide Version(C124)のディティール

この「AMG 300CE 3.4 -4V Wide Version(C124)」は1990年から1992年に渡って50台ほど作られた。この個体は、1991年モデルなので、「前期モデル」にあたる。92年後半以降の生産車は「6.0ハンマー」含めてC124のノーマルボディに後付けのオーバーフェンダーが付くだけで「ワイドバージョン」は存在しない。繰り返すが「ワイドバージョン」は超希少なのだ。フロントはフェンダーパネルを外して叩けばいいが、リアフェンダーはCピラーからAピラーまでつながった大きなパネルだから楽な仕事ではないはず。まさにAMG渾身の作品である。2年足らず、生産台数50台でやめてしまったということは、ワイドボディ化がいかに割に合わない作業であったかがうかがえる。

品のある快音で走る「AMG 300CE 3.4 -4V Wide Version」。NA3.4リッター直6を存分に楽しめる。

オーナーの好みでオーダーメイドされた

過去に取引されたクルマを見ると、かなりコンディションの良くないものが中古車市場に出ていたのが見受けられる。中にはフロント周りを後期型にコンバージョンしちゃったり。一方この個体は適度に走らせながら、定期的なメンテナンスを行い、コンディションをキープしているクルマだということが記録簿からもわかる。ただし、30年を経過するクルマゆえに、塗装面が荒れているところも見受けられるため、現オーナーはキレイに仕上げて次のオーナーに引き渡したいと考えている。

「AMG 300CE 3.4-4V Wide Version」過保護ではないが、正しく管理されてきたことは、ボディ表面や可動部分を見れば明らかだ。

最近では輸入車も、“つるし”、つまり在庫車を買うのが今では常識的になっているが、当時の高級輸入車などは基本的に豊富なオプションから欲しいものを選んで、本国にオーダーして、おおよそ半年後とかに納車されるというものだった。特にAMGのような特殊で高価なクルマは、輸入元も在庫するのはリスクでもあるため受注、発注が基本であった。AMGは、そのカスタマイズの幅は非常に広かった。

このクルマは、初代のオーナーが、仰々しいAMGルックを好まなかったようで、ラジエーターグリルは敢えてノーマルのもので注文した(AMGならではのボディ同色に塗られたものではない)。カタログのオプションリストには、レカロCクラシック(2脚で120万円!)やハンマー用ブレーキシステム、メタリックペイント、サンルーフなどがあり、ブラックのメーター文字盤も選べて、車内のAMGサインなどレスオプションもあったというのが確認できた。

「AMG 300CE 3.4-4V Wide Version」M104エンジンは225psから272psにパワーアップされている。外見はAMGシールがカムカバーに貼られているだけの素っ気ないもので、エンジン組み立て担当者のプレートが付くのはごく最近になってからだ。

インテリアはレストアされている

このクルマのようなヒストリックカーにおいては、オリジナルであることが重要視されるのは周知の通りである。その意味では、この個体はインテリアがレストアされているためオリジナル至上主義者には不向きかもしれしれない。大胆にもブラックの内装がレッドになっているのだから。ただし、クルマの楽しみ方には色々あって、このクルマの場合は投機目的ではない、純粋に好きなクルマを“快適に走らせるために買われたのだ。「今や世界に50台とない希少車を日常使いする贅沢」とも言えるのではないだろうか。

オーナーが経営するショップでインテリアのレストアを施工したスーパーメルセデス3台がそろい踏み。左からAMG 300CE 3.4-4V、メルセデス 190E 2.5-16 EvoⅡ メルセデス E500 ブラバスコンプリート。

どうしてもオリジナルがいいのであれば、現オーナーは関西でヒストリックカーのレストア、カーディテイリングサービスを行う会社の代表ということもあり、職業柄インテリアのレストアは得意中の得意だ。シート表皮、ウッドなどの素材も特殊な仕入れルートを持っている。従って、オリジナルにレストアするのもよいのではないだろうか。新オーナーは好みに合わせてレストアの相談ができる。なんとも心強いおまけだ。

「AMG 300CE 3.4-4V Wide Version」レストア前のオリジナル状態。
「AMG 300CE 3.4-4V Wide Version」2018年にAMG純正本革を取り寄せてシート表皮、ハンドル、ダッシュボードなどインテリアのレストアが行われた。
現在のインテリア。天井はアルカンターラに貼り替えられている。

やはり、クルマはキチンと走ってこそナンボである。この「AMG 300CE 3.4-4V Wide Version」は5速ATにシフトショックもないし、これだけ太いタイヤを履かせているのに、アライメントも取れていて、ハンドルの癖もなく実に快適至極。クルマである以上、機関が良好であることが重要であることを実感した。

「AMG 300CE 3.4-4V Wide Version」30年を過ぎたクルマには見えない、凛とした佇まいが印象的だった。この後、左側バンパー上にサビ浮きがあるため、修復を行う。

海外のオークションに出したら面白いことになりそうだが、できれば日本に残しておきたいところだ。

購入をご希望の方はこちらまでご連絡ください。

Text:アウトビルトジャパン
Photo:アウトビルトジャパン、Mercedes-Benz Group