チューニング 真逆の発想 オフローダーのランドローバー ディフェンダーをシティクルーザーに? その詳細

111

チューナーのスターテックは、新型ランドローバー ディフェンダーを驚くほど繊細なチューニングでオンロードで快適なクルーザーに変える。ディフェンダーの得意な場所はオフロードだけではないという主張だ。

最近では、ルンマ デザインというチューナーが、新型「ランドローバー ディフェンダー」のために、かなり野暮ったいワイドボディキットを発表して話題になった。
もっと目立たないのが好きだけど、「ディフェンダー」を個性的にしたいという人には、今後、チューナーのスターテックがお役に立てると思う。
ブラバスの子会社であるスターテックは、「ディフェンダー」のためのリファインプログラムを発表した。
パーツリストは膨大だが、それでもルンマやカーレックス デザインの作品よりもはるかに目立たない仕上がりになっている。
しかし、スターテックのチューニングを施された「ディフェンダー」は、泥まみれになることはできない仕様となる。

チューニングされた「ランドローバー ディフェンダー」のリアには、スペアホイールの代わりにユニオンジャックが描かれている
そして、スターテックは、フロントに新しいグリルを採用している。
ボンネットには2つのエアアウトレットが新設され、3分割されたスカートアタッチメントは、フロントをよりスポーティに見せ、リフトアップを抑える効果がある。
ルーフエッジスポイラーも同様だ。
通常、リアドアにはスペアホイールが装着されているが、スターテックではこれを取り外し、ユニオンジャックの旗の形をしたカバーを付けている。
もはや、オフロードでのパンクも心配しなくて済むとの判断からだ。

スペアホイールの代わりに、ユニオンジャックプレートがリアに装着されている。モノクロ(白に黒)だけでなくカラーバージョンもある。

スターテック社によると、23インチのアロイホイールのため、オフロードに行くべきではない、とのことだ。
代わりに、305/35のヨコハマタイヤがアスファルトのハンドリングを向上させ、電子制御式の車高調整システムによって、最大35mmまで低く、シャープになる。
純正のブラックとシルバーのボディパーツは、コントラストが効いたものや、ボディカラーのものなど、すべて純粋に見た目の美しさを追求した塗装仕上げとなっている。

ディフェンダーインテリアのためのコンプリートレザーパッケージ
スターテックでは、インテリアにも様々な仕上げを施している。
まず、純正のスクリューボタンの色を変えている。
また、シルバーカラーのアルミパネルを、塗装品に変更することも可能だ。
さらには、スターテックのロゴが入ったフロアマットやアルミペダルも用意されている。
そして、色やキルティング、デザインを自由に選べる3種類のレザーアルカンターラパッケージも用意されている。
スターテックは、リクエストに応じてチューニングの価格を明らかにするというが、一応、「ランドローバー ディフェンダー」は、一台、52,500ユーロ(約700万円)からとなっている。

様々なトリムパーツや、好みの色のレザーパッケージがディフェンダーのインテリアに彩りを添える。

まあこういう風に、ミスマッチを愉しむというか、アンバランスを装うというか、とにかく「違う」ことをすることが格好いい、という気持ちを抱く人がいるということを否定はしない。またそういう人の気持ちもわからないではない、とも思うことにしよう。
それでもランドローバーの「ディフェンダー」に23インチの305で35扁平のタイヤを履いて、オフロード出禁にすることになんの意味があるのかと言われると、意味なんてまったくありません、としか言いようがない。
そんなことを言うのなら、街に溢れる「メルセデス・ベンツ ゲレンデヴァーゲン」のAMGモデルだって似たようなものじゃないか、と言われれば返す言葉もないし、全くその通りではあるのだけれど、なんだか元のクルマの「こんなにされちゃって不憫度合い」が「ディフェンダー」のほうに強く感じるのは偏見だろうか。
もちろん「ゲレンデヴァーゲン」も「ディフェンダー」もその大多数は街中で使われ、お洒落やライフスタイルを演出するための自動車であることは間違いない事実なのだが、それでも「ゲレンデヴァーゲン」はもういろいろな意味で、ある種の独自なカテゴリーを驀進する自動車であり、その姿の中に、サファリも、泥んこ道も正直浮かんでこない。その一方で、「ディフェンダー」のほうは、まだ「オフロード」を、そして冒険者とともに歩み続けるというイメージをどこかにより強く持っている車であるがゆえに、今回の無茶な改造が痛く感じるのではないだろうか。ランドローバーのエンジニアたちがみたら、せっかく磨き上げた怒涛のオフロード性能をどうしてくれるんだ、と嘆きそうである。
もし友人が今回のような改造をしたいと相談されたら「あんたやめとき、ミニクロスオーバーにでも乗っとけ」と羽交い絞めして、止めたい気持ちだ。

Text: Moritz Doka
加筆: 大林晃平
Photo: BRABUS GmbH