シボレーの伝説的なコルベットが、68年の歴史を経て、8代目で初めてミッドエンジンを搭載した。その名も「コルベットC8」。そこで今回はクールな画像とともに伝説のスーパースポーツの8世代を振り返る。


現代的なプラスチック製のボディにもかかわらず、ロードスターの販売は当初低迷した。その理由は、150馬力と195馬力から選べる6気筒エンジンが不調だったからである。
1956年、シボレーはこの需要の低さに対応するため、デザインとエンジンのラインナップを見直した。丸いツインヘッドライトや消えたテールフィンなどの新しい特徴に加え、225~360馬力のV8エンジンを搭載し、ついにシボレーにふさわしい性能を発揮するようになったのである。特にエンジン出力の向上は、それなりの販売台数を確保したが、リアにリーフスプリング式のリジッドアクスル、ドラムブレーキを採用したシャシーでは、万が一にもそのパワーを発揮することは危険であった。
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1967年にGMがフランクフルトで開催されたIAA(フランクフルトモーターショー)で初めて発表した、いわゆるコークボトルデザインのアメリカンスポーツカーは、今日でも有名だ。
そのテクノロジーは「C2」からほぼ引き継がれている。重さ1,500kgを超えるモンスターだが、ビッグブロックV8がそれを笑い飛ばし、不安を吹き飛ばしてくれる。最大7.4リッターの排気量と465馬力を誇り、当時としては驚異的な250km/hの最高速度を実現した。
先代同様、クーペに加えてコンバーチブルも用意された。
1978年、「コルベット」は改良された。より安全で、より経済的で、より環境に優しいモデルとなった。排気ガス対策によりV8の出力は大幅に低下。最大220馬力で200km/hは可能となったが、コルベット本来のアメリカ的なキャラクターは失われた。
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「コルベット ナンバー4」は、従来のモデルに比べて、いわゆるクラムシェルフード式のボンネットを採用している。エンジンフードにはフェンダーも含まれており、開いた後にV8に簡単に手が届くようになっている。これにより、最高出力330馬力を発揮し、フラットなコルベットを250km/h近くまで加速させることができた。「C4」には、今回もコンバーチブルとクーペが用意されていた。
「007 美しき獲物たち」にも登場し、回転式ライトの動く姿が見られる。
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「コルベット」はアメリカの誇るスーパースポーツカーであり、アメリカ人にとっては大切なアイコンでもある。そしてそのことはGMにとっても貴重な財産であるといえよう。
改めて言うまでもないことだが、「コルベット」は直線番長のクルマでは決してないものの、その性能はハンドリングもブレーキ性能もヨーロッパのライバルとまったく遜色ないレベルのものである。そして最新のミッドシップになった一台はその性能と性格を一層スーパースポーツカーの領域に発展させたといえよう。
だが歴代の「コルベット」もそうであったように、信頼性や日常生活での使用においてもコルベットは十分以上のクオリティを持っていることが、アメリカ的だし、その価格も含めて魅了的な存在であることをもう一度強調しておきたい。
いつの時代も変わることのない特別な存在、それはどの「コルベット」においても保たれていることが頼もしいし、今度の「コルベット」の完成度も、世界的に見ても文句なしのスーパースポーツカーといえる。
これならば「コルベット」愛好家として知られるバイデン大統領も笑顔で迎えることだろう。

Text: autobild.de
加筆: 大林晃平