【新着情報】UFO? それともバットマンカー? アメリカからの新しいEV アプテラ(Aptera)です!

540

テスラも真っ青? モデルSのほぼ2倍の1,600kmにも及ぶ航続距離を備えた新型三輪EV登場

米国の新興企業、アプテラ(Aptera)が、1回の充電でテスラ モデルSの約2倍の距離を走行できるとされるスリーホイーラー(三輪)電気自動車を発表した。その全容をお届けする。

 

電気自動車はちゃんとコンセントで充電しなければならない。
しかし、この法則は、カリフォルニアの新興企業、アプテラ社の開発した新しい電気自動車には適用されない。
未来的な外観を備えたこのEVは、太陽電池のおかげで、日々の暮らしの中で自分自身を充電することになっているので、外部からの追加の充電なしで日常的な距離はカバーすることができるからだ。
車にプラグを差し込んで充電すれば、1,600kmという驚異的かつ長大な航続距離をカバーできるようにもなっている。
この電動三輪車(Eスリーホイーラー)は、2021年に市場に投入される予定だ。
以下に、アプテラの航続距離がどのようにして実現されたのかを説明する。

たった3つの車輪のEカーは、路上ではエキゾチックな存在となるはずだ。

優れた空力特性を持つEスリーホイーラー(三輪車)

この新しく生まれた車はリアに車輪が一つしかない。
しかし自動車の歴史をひもといてみても、3輪というクルマの構成自体は別に新しいものではなく、このアプテラの場合、空力コンセプトに基づいて特別なフォルムを形成しており、フロントフェンダーやパッセンジャーセルも、空力的に有効かつ抵抗が少なそうなフォルムを備えている。
その結果、全体的に効率的なエアフローをもたらす曲線的なシルエットは、アプテラのわずか0.13という優れたCd値を達成するのに貢献している。
比較のために挙げれば、非常に空力特性の優れた車とされているメルセデス Aクラスのセダンであっても、そのCd値は0.22というものだ。
アプテラのルーフは太陽電池で覆われており、巧妙に車体表面に組み込まれている。
車内には2人用のスペースがあり、荷物も積めるようになっている。
コックピットは必要最小限に抑えられており、テスラ同様、センターコンソールに15インチの大型モニターが設置されている。
ミラーの代わりにカメラが設置され、車内の2つのスクリーンに映像が映し出されるようになっている。

最大1,600kmの航続距離

加えて、テスラを彷彿とさせるのがバッテリーパックの容量だ。
アメリカ製Eスリーホイーラーは、そのトップモデルに100kWhまでの容量を与えており、バッテリーはテスラ モデルSロングレンジの蓄電ユニットと同じくらいの大きさになっている。
しかし大きな違いは、アプテラは、テスラのほぼ2倍の1,600kmという長大な航続距離でカバーできるということだ。
航続距離が必要ないのであれば、60 kWh、40 kWh、25 kWhの小型バッテリーも用意されている。
小型バッテリーでも400km以上の航続距離は可能とされる。
アプテラには、フロントアクスルの100kWモーターを使った全輪駆動(つまり3輪駆動だ!)仕様と、トータル出力150kWのモーターを使った全輪駆動仕様の2バージョンが用意される。

アプテラのインテリアは、整然とした清楚な雰囲気で、シートはスポーティな印象だ。

紙面上では、ライトウェイト構造、効率的な駆動システム、空力に焦点を当てたことで、膨大な走行距離を実現したことになっている。
アプテラの電動三輪車の重量は、バッテリーサイズにもよるが、800kgから1000kg弱という軽いものだ。
実際に試乗してみなければ真価は問えず、このEスリーホイーラーの本当の意味での性能は評価できないことは言うまでもないが、実際に乗れる日が楽しみである。

日常生活の中でコンセントに依存しない

日常的な使用は、コンセントや充電ステーションで充電することなく、行うことができるようになっている。
アプテラのルーフ上に備わった太陽電池がこれを可能にする。
太陽電池用パネルは、約3平方メートルの面積に配置され、最大700ワットの電力を供給するという。
アプテラによれば、車が1日太陽の下で過ごせば、さらに65キロの太陽エネルギーを供給することができ、ほとんどの顧客の日常生活には十分な電量になるという。
この未来的な電動三輪車は、すでに100ドルの頭金で注文できるようになっている。
価格はバージョンに応じて、2万5000ドル(約265万円)から4万6900ドル(約497万円)までとなっている。
庶民にとっては、やや、お買い得とは言い難い価格設定であり、それゆえに、当面は富裕層や愛好家のための乗り物となることが想定される。
市場投入は2021年に予定されている。

2011年、 アプテラはアメリカのエネルギー省から融資を受けられなかったことから資金繰りが悪化し事業清算に追い込まれたが、その後2019年に復活している。

アメリカというのは、たまにとんでもない乗り物が形になり、市販されることがある。その中には普及せずに消え去ってしまったものもたくさんあるが、今回の一台は(もしこのレポート内容がホンモノであるならば)相当なインパクトのある乗り物だ。
個人的には、これほどの容量のバッテリーを搭載していながら軽い車重はどうなっているのだろう、ということと、決して広いとは言えないパネル面積で太陽光発電など可能なのだろうか、という点だが、こればかりは実際に発売されて現物を見てみなければなんともいえない。
だがこれから先、EV時代になれば、今までは想像もしなかったような形の自動車が街を走るようになるかもしれない。なにせエンジンもないわけだし、この3輪自動車のように、今までの自動車の概念にとらわれない形の乗り物が生まれる可能性は高い。
だからこれからの時代も大変興味深いし、まだまだ自動車の世界は楽しいままである、と信じていたい。

Text: Andreas Huber
加筆:大林晃平
Photo: Aptera Motors