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【比較テスト】日独米英の人気中古オフローダー 人気の6台をチェック

2020年11月8日

三菱パジェロ、スズキ ジムニー、トヨタ ランドクルーザーとその仲間たち

ユーズドカーズ: 偉大なるオフロード性能を有する6台のオフロード車。この6台のユーズド全輪駆動車は、見た目がオフローダーなだけでなく、実際に過酷な条件下でもその実力と技を発揮する。ドイツにおけるその評価と価格を探ってみよう。

ここ数年、SUVの登録台数は右肩上がりで推移している。
そして、その勢いのピークはまだ訪れていないようだ。
しかし今回紹介するようなハードコアなオフロード車のセグメントは、むしろメーカーによって無視されているのが現状だ。

ほとんどのSUVは現実よりも幻想

より高いファミリーカーベースのSUVのオフロードルックで頑丈な外観の板金ドレスの下には、通常、コンパクトカーやリムジンでその仕事をしている主に軟弱(オフロードに向いていない)な量産技術がある。
いくつかのモデルでは、特に小型&コンパクトSUVのセグメントでは、四輪駆動が追加料金を払っても用意されていない場合さえある。
減速機、デフロック、アンダーライドガードなどの特殊な技術が用意されていないのは言うまでもない。
SUVのターゲットグループには、オフロードへの野心などなく、ほとんど都市部内での移動に供されている。
そんな彼らが主に興味を持っているのは?
メルセデスGLC、VW T-クロスといった、いわゆる形だけの「なんちゃってオフローダー」だ。

コンパクトSUVのVW T-クロスの場合は、追加料金を払っても、四輪駆動モデルはない。その理由は、競合他車との位置関係にある。 ©Lena Willgalis / AUTO BILD

多くのSUVは驚くほど価値が安定している

今では、仕事で坂道や谷間を車で走らなければならない人や、実際に坂道を登ったり小川を渡ったりしたい冒険家は、選択肢が少なくなっている。
現在、その良い妥協案としては、第4世代のランドローバー ディスカバリーなどが挙げられるよう。
2万6000ユーロ(約325万円)前後の中古イギリス車は、オフロードでの使用に適しているだけでなく、充実した装備や洗練されたエンジン、オプションのエアサスペンションのおかげで、理想的な長距離車でもある。
メルセデスGクラスやトヨタ ランドクルーザーの最新バージョンもこのカテゴリーに入る。

オフロードの才能、堅牢な技術、コンパクトなサイズのおかげで、使い勝手の良いスズキ ジムニーは社用車として多くの林業家に愛用されている。 ©Lena Bartelmeß

安くて何よりも妥協のないオフロード車を探しているのであれば、スズキ ジムニーのような素朴なモデルが喜ばれる可能性が高いだろう。
しかし、ジムニーの中古車市場での人気は高く、その分、値も張る。
競合モデルの管理可能な供給とオフロードコミュニティでの高い需要があわさって、非常に高い価値の安定性につながっているのだ。
しかし、いくつかのモデルでは、掘り出し物を見つけることもできる。
フォトギャラリーでは、異なる価格帯の6台の中古オフロード車を紹介する!

Photo: Toni Bader
Photo: Tobias Kempe / AUTO BILD
Photo: Toni Bader

トップバッターはジープ ラングラーだ。
3代目のラングラーは2007年から2018年まで販売され、他のアメリカのモデルにはないクラシックなブランド価値をアピールしていた。
丸いヘッドライトとランニングボードで、この四輪車は、ルックス的にもその主張をアピールしている。
2ドアの場合、全長は4.22メートル、4ドアのアンリミテッドは4.75メートルとなる。特別装備: ラングラーには固定ルーフがない。
プラスチック製のハードトップは3つのパーツで構成されており、パーツごとに取り外すことができるようになっている。
これにより、ほぼ2トンのアメリカンはオフロード用のオープンカーにも変身できる。
オプションで夏らしいファブリックルーフもあった。
2011年までは、199馬力、315Nmのトルクを発揮する3.8リッターV6ガソリンエンジンがボンネット下で稼働していた。
2012年には3.6リッター6気筒エンジンが追加され、出力は85馬力、32Nmアップした。
ディーゼルの場合は、当初177馬力を発揮した標準の4気筒エンジンがあり、2011年からは200馬力となり、滑らかな出力を発揮するようになった。
動力は6段ギアのマニュアルトランスミッションか、4段または5段のオートマチックトランスミッションのいずれかで伝達される。
ラングラーは当初からタフなオフロード用に開発されたもので、間違いなくそのことを隠すことなく堂々と主張している。
2017年製のアメリカンオフローダーの価格は最低でも45,090ユーロ(約563万円)する。
約10年前の中古であれば、20,000ユーロ(約250万円)くらいで出回っている。

ランドローバー ディスカバリー
2009年から2017年までに製造された第4世代のディスコは、スパルタンなディフェンダーのはるかに快適な代替品車だ。
後者は、オフロード走行ではより有能だが、そのタフなセットアップと疎かな装備で、日常的な使用にはやや不適切だ。
一方、全長4.83メートル、2.6トンのディスカバリーは、林道での仕事でも、日常生活のお伴としても、うまくバランスが取れている。
全輪駆動もディスカバリーでは当たり前の装着品だ。
減速機もオプションで用意されていた。
自動空調システムやエアサスペンションなどのアメニティは、追加料金がかかるが、7人乗りとしても利用可能なイギリス車は、非常に快適な旅行のパートナーになる。
70センチの水の深さでの遊びも可能だ。
ガソリンエンジンは当初、ボンネットの下に375馬力の5.0リッターV8を搭載していたが、2013年のフェイスリフトの過程で、これは3.0リッター、340馬力のコンプレッサーV6に置き換えられた。
動力伝達は、当初は6速オートマチックトランスミッションが採用されていたが、モデルチェンジで8段変速となった。
ベーシックディーゼルの価格は、かつては44,600ユーロ(約57万円)からだったが、現在は7年落ち前後の中古車が26,000ユーロ(約325万円)くらいから販売されている。
Photo: Werk

Photo: Ronald Sassen / AUTO BILD

メルセデスGクラス(W463)
ドイツのオフロード車の最高峰モデルは、70年代後半からすでに市場に導入されていたが、他の目的に乱用されるようなファッショナブルなアイテムへと発展したのはごく最近のことだ。
特に獰猛野蛮なAMGのバージョンは、今ではファッショナブルな街のストリートに常設されている。
しかし約2.5トンのGクラスは、そのオフロードでの才能を決して失っていない。
3種類のディファレンシャルロックと堅牢なラダーフレームを備えたW463シリーズは、最も多用途なオフロード車の1台である。
60センチの深さの浅瀬でも、ほとんどの小川でも大きな問題は発生しない。
だがGクラスには多くのモデルバリエーションが存在するので、選択に迷う。
2ドアとオープンショートバージョンから6輪のG 65 6×6まで、長年にわたり、メルセデスは、ほとんどすべての顧客の願いを叶えてきた。
状況はエンジンでも同様だった。
2012年のモデルアップデート後、ガソリンレンジには6気筒、8気筒、さらには12気筒のエンジンがラインナップされていた。
G 350dは、製造年に応じて、211〜250馬力を出力する3.0リッターV6ディーゼルエンジンのディーゼルエンジンモデルがあった。
価格の面では、2014年製Gクラスは当初87,066ユーロ(約1,088万円)くらいで販売されていたが、このモデルイヤーの良い中古車は、現在、約52,000ユーロ(約650万円)くらいから購入可能となっている。
Photo: Uli Sonntag / AUTO BILD

三菱パジェロ
1982年の発売以来、オフロード車の中で確固たる地位を築いてきたパジェロ。
しかし、残念ながら来年、生産中止となる。
我が国で2007年から提供されていた第4世代は、排出ガス規制強化のために、2年前にすでにプログラムから外されている。
全長4.90メートル、2.5トンのオフローダーは、年月をかけて細部まで近代化された本格的な耐久ランナーだ。
基本的に、4代目パジェロシリーズも、2000年から提供されている3代目のモデルを大幅にアップデートしただけものものだ。
パジェロは、大幅に短縮された3ドアモデルとして注文することもできた。
オフロードの性能はなかなかのものだ。
しかし、オートマチックトランスミッションのシフトチェンジは、下り坂の状況では理想的とは言えない。
ディーゼルは3.2リッター4気筒エンジンで、当初は200馬力、後には190馬力を発揮した。
その441Nmのトルクは、当初は手動の5速トランスミッションによって解除可能な四輪駆動に伝達されていた。
2015年からは、パジェロの全モデルに5速オートマチックトランスミッションが搭載された。
基本価格はかつて41,890ユーロ(約523万円)と高価なものだったが、現在は、190馬力のセルフイグニッションエンジンを搭載した後期モデルが、中古で18,500ユーロ(約231万円)くらいから売りに出ている。
Photo: Toni Bader

Photo: Lena Bartelmeß
Photo: Thomas Ruddies / AUTO BILD
Photo: www.dielena.de

スズキ ジムニー
小型オフロード車のセグメントでは、全長3.62メートルのジムニーは、圧倒的かつ最も優秀なオフローダーだ。
これは、1998年から2018年の間に製造された先代モデルに限らない。
オフロードコミュニティは長い間、このことを理解してきた。
日本からの人気の高いコンパクトオフローダーほど価格が安定している中古車はほとんど存在しない。
その高いオフロード性能の秘密のひとつは、とりわけオーバーハングが短いことだ。
ジムニーは、ほとんどアゴをこすることがない。
一方、舗装路での走行には問題がないわけではない。
高速走行(約90km/hから)では、両リジッドアクスルだけでなく、マイナスの影響が出てきて、危険なハンドルのバタつきにもつながる。
したがって、ESPを搭載した後期(2015年から)モデルを探し出すことが勧められる。
そのフードの下には、84馬力の1.3リッター4気筒エンジンがある。
しかし、これは主にオプションの4速オートマチックトランスミッションの短いギア比に起因する車両のサイズのために、比較的多くの燃料を消費する。
スタンダードモデルは5速のマニュアルトランスミッションだった。
2016年、スズキの1.2トン四輪駆動車は、最低でも15,590ユーロ(約194万円)した。
安定性の高い価値のために、4年後の今日でも、約12,000ユーロ(約150万円)している。

トヨタランドクルーザー
ランドクルーザーの最初の1台は、約70年前に組立ラインから出てきた。
それ以来、日本のオフロード車は世界中の研究者、石油会社、森林管理者の憧れの的となっている。
2009年に導入されたJ15世代は、その伝統を引き継いでいる。
過去11年間ですでに4回のフェイスリフトを受けている。
ほとんどの競合他車と同様に、ランドクルーザーはリアにリジッドアクスルを備え、2ドアと4ドアが用意されている。
後者のバリアントは全長4.84メートルで、乾燥重量は2.1トン。
実は日本人はオフロード走行のエキスパートだ。
しかし、残念ながらオフロードの重要な装備の詳細の大部分は、追加料金でしか手に入らなかった。
一方で、柔らかいシャシーは、サスペンションの快適性の高いレベルで、オフローダーを快適な日常生活のパートナーに変身させる。
ランドクルーザーのボンネットの下では、ボリュームのある圧縮イグニッション4気筒エンジンのみが働いている。
190馬力の3.0リッターパワーユニットは、2015年に177馬力の2.8リッターエンジンに置き換えられた。
動力は6速マニュアルトランスミッションか、オプションのオートマチックトランスミッションのいずれかで伝達される。
2016年には、四輪駆動のレジェンドは、少なくとも40,240ユーロ(約503万円)のコストがかかった。4ドアモデルは、それよりもさらに3,000ユーロ(約37万円)ほど高かった。
今日では、手入れの行き届いた中古車が約28,000ユーロ(約350万円)くらいから購入できるようになった。
Photo: Werk

SUV全盛の世の中にあって、先日「さようならパジェロ」の原稿をまとめたばかりだが、今回紹介したような「本格的四輪駆動」の世界は人気が二極分化しているといえよう。
人気がいつまでも衰えず、高値安定なクルマは、ランドクルーザー、ランドローバー ディフェンダー、メルセデスベンツ ゲレンデヴァーゲン、スズキ ジムニー、そしてJEEP。以上の車種はいつまでも中古車価格が安定しており、暴落ということは今後もないだろうと予想する。
上記の車種の強みは、めったに形が変わらず、いつまでも同じように伝統の形と内容を作り続けている(と思われるように、あえてしているのだが)ことと、他のSUVとは明らかに一線を画すようなタフな車として君臨していることが強みの理由であろう。

一方、残念ながらパジェロ、ランドローバー ディスカバリーに関しては人気が決して高いとはいえず、特に日本ではランドローバー ディスカバリーの人気は悲しいほど低い。特に現行のモデルになってからは、まるで話題にも上がらず気の毒になるほどだ。パジェロに関しては生産も中止してしまってかわいそうなので、もう売れない理由を根ほり葉ほり蒸し返すことはしないけれど、ランドローバー ディスカバリーの不調は私には良くわかる。
現在のランドローバー ディスカバリーは他のランドローバーのモデルとあまりにも近く、これならあえてディスカバリーを買わなくとも、イヴォークや、ディスカバリー スポーツ(本当にそんなモデルが必要なのかまったくわからないが)、あるいは思い切ってレンジローバー スポーツ、ヴェラールを選んでも良いのではないか、と思わせてしまうような雰囲気があるからである。
この車でなければ、そしてこの車だからこそ欲しい、という絶対的な魅力を持っているかどうか、それこそが人気のバロメーターであり、消費者というのは厳しく確かな目を持っていることの証拠でもある。

Text: Elias Holdenried
加筆:大林晃平
Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD