1. ホーム
  2. SUV
  3. 【インプレッション】昨年日本でも販売が再開したトヨタRAV4 プラグインハイブリッド版のドイツでの評価は?

【インプレッション】昨年日本でも販売が再開したトヨタRAV4 プラグインハイブリッド版のドイツでの評価は?

2020年9月29日

トヨタRAV4プラグインハイブリッド: テスト、エンジン、価格

プラグインハイブリッドシステムからの306馬力で新型RAV4は強力なパフォーマンスを発揮。トヨタ RAV4 プラグインハイブリッドは、パワーと感動に満ち溢れている一方で、もっと燃料を節約できる。日本の新型SUVに乗ってその実力を試してみた。

長い間、ハイブリッドは燃料を節約するための乗り物と考えられてきた。
しかし今、そのトレンドは、ゆっくりと、そして確実に変わっていこうとしている。
楽しさを打ちに秘めた電動モード車両は、睡眠モードから目覚めつつある。
特にハイブリッドのベテラン、トヨタは、そのボディカバーの下でうずうずしている。
新型トヨタRAV4 PHEVは、そのモデル名から想像するよりはるかに走る楽しさを備え持っている。
プラグインハイブリッドSUVは、スポーツカーの力を持つ高電圧車両だ。
技術的には、RAV4ハイブリッド(222馬力)をベースにしている。
しかし、PHEVの2.5リッターガソリンエンジン(182馬力)は、強力な分隊に支えられている。
リアアクスルの電動モーターは54馬力、フロントの電動モーターは182馬力となっている。
これでシステム出力は306馬力となる。
高速グリーンカーの登場だ。

155キロのバッテリー(車の床の下に平らに収納されている)の容量は18.1kWhで、トヨタの最強のハイブリッド車に純粋に電気で75kmの航続距離を供給することを目的としている。
それは本質的にEモードで走行するようにトレーニングされている。
自発的にもう少しアクセルを踏んでも、内燃機関はリザーブから引き出すことはできない。
バッテリー電圧が純粋なEVドライブに十分でなくなった場合にのみ、システムはハイブリッドモードに切り替わり、4気筒エンジンを作動させる。
4種類のドライビングモードのうち、別のものを積極的に選択しない限り。
ボトムラインは、リッターあたり100kmというおとぎ話のような燃料消費量だ。
残念ながら、このジョークは、SUVのオーナーがそのオチについて、笑いとばせるようなものではない。
バッテリーが空の場合、実際の燃料消費量はしばしば10倍に上昇することがよくあるからだ。

トヨタは走行性能の面で説得力がある

我々のテストで、RAV4プラグインハイブリッドは、純粋に電気的にほぼ70kmをカバーした – そしてこれには電動モードで時速135kmまで走ることができる高速道路のキロメートルがたくさん含まれている。
そして直列4気筒エンジンが控えめに、主な仕事を引き継ぐ。
静かでいて強い駆動力。
総じて、ハイブリッドシステムは老夫婦のように調和している。
さらに、追加の断熱材と音響ガラスのおかげで、パートタイマーの発電機は本当に静かだ。
トヨタの新しいスポーティSUVは、すべての力の蓄えを動員するとき、スーパースポーツマンのスープラのように0から時速100キロまでスプリントし、高速カーブでも驚くほど信頼性の高いラインを描く(ここでのキーワード:低重心)。
そのパフォーマンスに陶酔しながらも、我々は現実的であり続ける。
短距離の通勤者は、電気のみの走行レンジの恩恵を受ける。
そのことを頭の隅にとどめておいてほしい。

SUVの衣をまとった電動スポーツマン。フルスロットルで、トヨタは6.0秒で100km/hに達する。

しかし、通常のハイブリッドと比較して、250キロの追加のハンドリング、タイヤ、ブレーキは負担であり、電力と燃料の消費量は恒久的に約15パーセント高くなる。
さらに、環境ボーナスにもかかわらず、プラグインハイブリッドRAV4は、そのプラグインハイブリッドなしの兄弟モデルよりも659ユーロ(約8万円)も高価だ。
しかしその一方で、これは、0.5%という低い課税額で、この300馬力リーグ車で思いがけず遊ぶことができる社用車のドライバーのために特に興味深いことをも意味する。

テクニカルデータ: トヨタRAV4プラグインハイブリッド
● エンジン: 直列4気筒DOHC直噴、ハイブリッド、フロント横置き ● 排気量: 2487cc ● システム最高出力: 225kW(306PS)@6000rpm ● 最大トルク(内燃機関エンジン): 227Nm@3200rpm ● 駆動方式: 全輪駆動、電気式無段オートマチック ● 全長×全幅×全高: 4600×1855×1658mm • 乾燥重量: 1910kg • ラゲッジコンパートメント容量: 490~1604リットル ● 最高速度: 180km/h ● 0-100km/h加速: 6.0秒 ● 燃費: 100km/ℓ ● CO2排出量: 22g/ℓ ● 価格: 46,293ユーロ(約578万円=EV購入助成金を除く)

結論:
技術的に素晴らしく、エモーショナルなフィーリングが標準装備されている。
トヨタはプラグインハイブリッドでも十分に良いモデルを開発、提供できるといいうことを証明して見せた。そんな306馬力の動力性能を備えたプラグインハイブリッドSUVが多くの人にとって大きな意味をなすかどうかは、別の問題だ。
テストスコア: 2

今度登場したRAV4プラグインハイブリッドモデルは、燃費性能だけではなく、走行性能、特に加速などがとにかく良いと評判である。トータル出力で306馬力もあるのだから当たり前だが、燃費だって悪いわけではなく、勉強も運動もできる優等生、みたいなクルマ、それがRAV4ハイブリッドモデルなのである。
そんな優等生なはずなのに、今わが国ではRAV4のプラグインハイブリッドモデルは受注を停止した状態となっている。
なんでも1か月で受注を止めざるをえない状況になったとのことだが、その理由はリチウムイオンバッテリーの供給が理由だという。
RAV4のリチウムイオン電池を作っているのはパナソニックだが、その生産が追い付かないからだという、パナソニックの供給数の読みが甘かったのか、RAV4のハイブリッドモデルが予想以上に大量に売れてしまったからなのかはよくわからないが、とにかくリチウムイオン電池がないために、こんなに良いクルマなのにRAV4プラグインハイブリッドモデルはしばらくお預け状態である。
じゃあリチウムイオン電池の生産数を上げればいいじゃないか、というとそんなに簡単なわけはなく、リチウムイオン電池の製造というのは大変危険で、難しいことなのである。同じ理由(リチウムイオン電池の生産数)で、ホンダeも現在オーダーストップ中、なのだが、21世紀の自動車とはなんとも複雑で、作るのも買うのもなかなか大変なのである。

Text: Tomas Hirschberger
加筆:大林晃平
Photo: Toyota