見るも哀れ フェラーリ モンディアル アムステルダムの運河で見つかる

1355
- Advertisement -

謎の全損状態フェラーリ 運河の中から釣り上げられる

アムステルダムの消防当局が、フェラーリ モンディアルを運河の中で見つけ引き上げた。これは以前盗難にあったフェラーリで、長きにわたって水中に放置されていたようだ。

窓はへこみ、車体は完全に汚れ、エンジンルームは泥に埋まり、右ドアと左前輪もどこかに消え去ってしまった。水の中から救出されたフェラーリ モンディアルは、文字通り悲惨な状況で、フェラリスティ(フェラーリ愛好家)にとっては心の痛む光景だった。唯一、ボディペイントだけが、かろうじてこれが赤いフェラーリであることを識別させるものだろう。この4人乗りモデルのフェラーリは、過酷な運命を経てここまでたどり着いた。

少なくとも20年以上、運河の中にあったと推測される。
赤いペイントとわずかに残されたボディのフォルムによって、かろうじてフェラーリだとわかる。

事実、アムステルダムの消防隊が運河での演習中に偶然発見し、水の中から引き揚げたこの1987年に作られたこのモンディアルには、非常に特別な歴史があった。警察当局の調査によれば、ミッドエンジンのスポーツカーは、1994年に盗難が報告され、ある時点で運河の下へ沈没したと報告されている。モンディアルがどのくらいの期間、水中を魚とともに漂っていたのかは正確にはわかっていない。しかし、26年以上、水中に在り、錆びついた可能性は十分にある。警察当局によれば、犯人や加害者の手掛かりはなく、幸いこのフェラーリ モンディアルが関連した凶悪犯罪はなかったという。

解体しか残された道はないのだろうか。哀れすぎて心が痛む。
右側のドアはどこかに流れて行ってしまったようだ。

運河の難破船が四肢切断を脅かす

回収後、フェラーリはその法的所有者である当時の保険会社に引き渡された。それ以来、フェラーリの遺骨は、デ・オイエヴァールの自動車解体会社に「安置」されている。しかし、最終的な運命は不明であり、この遺体は博物館や歴史あるアムステルダムのアルティス動物園に展示されるかもしれない。しかし、当局が完全な売却を禁止した場合、解体の脅威にさらされるだろう。そうなると、自動車ポータル「ザ・ドライブ」のデ・オイアバール氏によれば、マラネロ製の名V8エンジンは、上にガラス板を載せたテーブルとして終わる可能性があるという。
だが写真を見る限りレストア作業は想像もつかないほど大変そうだから、解体は仕方ないことだとも思う。痛ましいことではあり、残念ではあるが。

フロントボンネットはまるで折り紙のようにひん曲がっている。
エンジンルームは泥に埋まっている。

Text: Christian Jeß
Photo: Autodemontagebedrijf De Ooyevaar