このポルシェ 911GT2 RSどこかおかしいぞ なにか大事なものが欠けている気がするが…

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Porsche 911(991)GT2 RS: PTS、ユーズドカー、価格

このユニークなポルシェ911 GT2 RSには決定的な何かが欠けている!? このポルシェ911 GT2 RSはユニークな1台だ。11,000ユーロ(約137万円)以上した 「シグナルイエロー」塗装の他に、リアウィングがないのだ。だが実はこれは希少な個体なのだ。

ポルシェ911 GT2 RSは、最速の公道用911だ。0-100km/h加速は2.8秒、0-200km/h加速は8.3秒、最高速度は340km/h、伝説のノルトシュライフェ(ニュルブルクリンクサーキット北コース=通称「緑の地獄」)でのラップタイムは6分47.3秒だ。非常に特別な911 GT2 RSが、アメリカで販売された。オークションプラットフォーム「bringatrailer.com」でオークションに出品された、2018年型911 GT2 RSは、とてもユニークな個体だ。まず、最初のオーナーは、ドイツでは29,750ユーロ(約370万円)高い、「ヴァイザッハパッケージ」を拒否した。そのパッケージは、カーボン製ルーフ、ボンネットとマグネシウムリムに塗装されたストライプによって判別することができ、通常のGT2 RSと比較して約30キロ軽量化されている。なぜ約3万ユーロ(約375万円)のオプションが省略されていることを言及する価値があるか?それは、販売されたGT2 RSの大半が「ヴァイザッハパッケージ」を装着しており、そのパッケージを装着していないGT2 RSは中古車市場でも、めったに見つからない、非常に希少な個体だからだ。

11,000ユーロ(約137万円)以上のPTSペイント

最初のオーナーは、パッケージで節約したお金の一部を、約11,300ユーロ(約141万円)相当のPTS塗装に投資することにした。そして、「シグナルイエロー」という色のPTS塗装を選択した。ポルシェではPTSとは「Paint to Sample」の略で、特別な塗装を意味している。しかし、ポルシェでは、PTS塗装の受け入れ枠を期間限定で、一定の条件のもとでしか提供していないことが多いため、高額な追加料金がかかるにもかかわらず、PTS塗装は多くのポルシェオーナーの間で非常に切望されているのだ。オーナーによれば、PTSのプレーンカラーのGT2 RSはアメリカで143台しか納車されていないという。ちなみにドイツでは現在、PTSカラーのGT2 RSはごく少数しか存在していない。

このGT2 RSに「ヴァイザッハパッケージ」が装着されていないことは、何よりもボンネットの塗装ストライプが欠落していることからわかる。

ジャイアントリアウィングのないGT2 RS

しかしそれだけではなく、この911 GT2 RSには、米国チューナー、Sicktoizのいわゆる「ウイング削除キット」が装着されており、オリジナルのジャイアントサイズのリアウィングは取り外され、ダックテールスポイラーのオープンエッジには専用のアタッチメントが装着されているため、一見するとまるでウイングを付けずに納車されたかのように見える。またオリジナルルックがお好みの方は、ウイングを購入すれば、簡単に本来の姿にすることができるようになっている。

特に目立つリアビュー。ジャイアントサイズのリアウィングが欠落している。

2年落ちのGT2 RSの最初のオーナーは、インテリアにもいくつかの個人的な小さな変更を加えている。プラチナグレーの縫い目を持つポルシェ918スパイダーのフルバケットシートには、RSストラーダのペピタインサートが装着され、標準のアルカンターラ製ステアリングホイールと7速PDKのギアセレクターレバーは、スムースレザーのものに交換されている。シートインサートをはじめとするオリジナルアルカンターラパーツもすべて販売価格に含まれている。

このGT2 RSはバーゲン価格だった

最終的にオプションをつけて、この非常に特別なGT2 RSは新車で、321,280米ドル(約3534万円)に相当する。ドイツでの基本新車価格は285,220ユーロ(約3227万円)だった。スピードメーター上の走行距離が、たったの3700キロで、すべてのオリジナルパーツを装着した事故歴のないPTS特別カラーのGT2 RSは、わずか28万5,000米ドル(約3135万円)で落札された。落札した新しいオーナーにとっては、本当にお買い得な値段だったと言える。現在、ドイツで入手可能な最も安いGT2 RSは、走行距離22,000kmで、309,950ユーロ(約3874万円)だが、この個体には高価な「ヴァイザッハパッケージ」も搭載されている。

クラブスポーツパッケージではなく、クラシックなペピタ柄のシート。クラシカルでちょっと懐かしい雰囲気だ

Text: Jan Goetz