読者の選んだベストSUV 2020 219台から選ばれた各カテゴリーの勝者は?

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苦渋の選択? 読者の選んだベスト全輪駆動モデル

今年の読者投票では、驚きの219台の四輪駆動モデルの中から、15台の四輪駆動カーオブザイヤーが選出された。栄えある受賞車は以下の通りだ。

今年で19回目となる全輪駆動モデルの読者投票

ドイツの読者の投票は、伝統的に国内ブランドに偏る傾向にあるため、各カテゴリーでの輸入モデルの受賞車も個別に紹介している。
しかし、これだけは事前に明らかにしておきたい。それは、今年は3つのカテゴリーで、輸入車の勝者が総合優勝という快挙を達成したという事実だ。
最初のカテゴリー、「35,000ユーロ(約435万円)以下のオフロード車とSUV」で、日本製スズキ ジムニーは、2019年春に新たに発売され、ドイツと海外からの29の競合他社モデルに制して勝利を収めた。全投票数の14,8パーセントを獲得した。また、「3万5000~5万ユーロ(約435~620万円)のオフロード車とSUV」というカテゴリーでも、インポーターが表彰台の頂点に立った。昨年度5位だったアメリカ製ジープ ラングラーが、今年はトップの得票を獲得したのだった。
以下のフォトギャラリーで、他の全体的なおよび輸入の受賞者を確認できる。

35,000ユーロ(約435万円)以下のオフロード車とSUV

総合優勝: スズキ ジムニー(シエラ)
2019年は4位だった新入モデルが、今年は他のすべての候補者を向き去り、一気にトップへと駆け上がった。圧倒的人気を誇る、日本製小型オフロードモデルは当分王座に君臨しそうだが、果たしてジムニーをその座から引きずり落とすことのできるモデルの登場はあるだろうか。

3万5000~5万ユーロ(約435~620万円)のオフロード車とSUV

総合優勝: ジープ ラングラー
これまた、第一位には輸入四輪車が選ばれた。第四世代のオフロード車アイコンは、2019年の第五位に続いて、今年は堂々のトップに選ばれた。
日本でも輸入元のFCA ジャパンでナンバーワンの売れ行きを誇る。

5万ユーロ(約620万円)以上のオフロード車とSUV

総合優勝: メルセデスGクラス
昨年に引き続き、先代モデルシリーズ(W460-463)の成功を継承したGクラスが、このカテゴリーで再び優勝を果たした。
一見変化がないところが、人気の秘訣だ。

5万ユーロ(約620万円)以上のオフロード車とSUV

輸入車部門の勝者: ランドローバー ディフェンダー
新しいディフェンダーは、ドイツ市場でもかろうじてヒットしており、そして今年の四輪駆動車賞を獲得した。ジェームズ ボンドのおかげだろうか(公開前ではあるが)?

4輪駆動クロスオーバー

総合優勝: アウディA6オールロード
今年も、全輪駆動のクロスオーバーでアウディA6オールロードを倒すモデルはいなかった。それほど圧倒的な存在と言える。このジャンルで一番歴史のあるのが、オールロードである。

全輪クロスオーバー

輸入車部門の勝者: ボルボV90クロスカントリー
昨年はこのカテゴリーのトップ5にも入っていなかったV90クロスカントリーが、今年は栄冠を獲得した。総合順位でもアウディA6オールロードに次ぐ2位の快挙だ。

全輪駆動ハイブリッドと電気自動車

総合優勝: ポルシェ タイカン
新参者にして、いきなりのトップだ。2020年初頭からいくつかの性能レベルが用意されている4人乗りが早々に1位の座を奪い取った。
まあそもそもこのジャンルで、他の車に魅力的な車があるのかどうか…。

全輪駆動ハイブリッドと電気自動車

輸入車部門の勝者: 三菱アウトランダーPHEV
昨年はテスラがトップに立っていたこの部門、今年は手頃な価格のアウトランダーがプラグインハイブリッドとして読者を納得させたようだ。総合でも堂々の第2位だ。コストパフォーマンスに優れているから、でもあるだろう

ピックアップ

総合優勝: フォード レンジャー
昨年の3位から今年1位へと躍進。トップ3は、1位 フォード レンジャー、2位 VWアマロック、3位メルセデスXクラスだ。

ピックアップ

輸入車部門の勝者: ダッジ ラム1500
輸入車部門の勝者もアメリカ車だ。新世代ラムはモデル開始直後から説得力がある。2019年までの先代同様、アメリカのピックアップは、輸入モデルの中で1位を独占し続けている。
ピックアップトラックは残念ながらわが国にはほとんど入ってこないが、いつかこういうモデルもラインナップに加えて欲しい。

40,000ユーロ(約500万円)以上の全輪駆動車

総合優勝: ポルシェ パナメーラ
獲得投票数は昨年に比べて若干下回ったが、パナメーラは今年もこのカテゴリーを制し、2位との差も拡大した。

全輪駆動のスポーツカー、クーペ、コンバーチブル

総合優勝: ポルシェ911カレラ
新型911でシュトゥットガルトチームが3連覇を達成。911は再び表彰台の頂点に立った。

全輪駆動のスポーツカー、クーペ、コンバーチブル

輸入車部門の勝者: 日産GT-R
11年前の2009年に市場デビューしたGT-Rが、さまざまな改良を経て、輸入車部門1位、総合ランキング2位という結果を残している。根強い人気と実力の高さを誇る。
ポルシェもGT-Rももちろんフルタイム4輪駆動ではあるが、こういう投票に加えていいものなのかどうかは、ちょっと怪しい…。スポーツカー選手権ではないのだから。

全輪駆動のバン、バス

総合優勝: VW T6マルチバン
ドイツで人気の全輪駆動ファミリーカー。改良されたT6はロードテストでも優れたパフォーマンスを発揮した。マルチバンは基本性能が良いので、このジャンルでも優勝できたのであろう。

編集部特別賞: ベストクラシック全輪駆動モデル

総合優勝: レンジローバー
50年前のデビュー当時、スパルタンなレンジローバーは、4代目となった今、より多くのファミリーをラインナップに有するモデルとなった。レンジローバー、スポーツ、ヴェラール、イヴォークと、誕生50周年を記念するには十分な理由がある。サー スペンキングもきっとお喜びだろう。

日本でもいつかこういう投票、やってみたいですね。

世の中にいつの間にか数えきれないほどのSUVが存在している。どのメーカーも、あらゆるセグメントにフルラインナップを形成しているし、ロールスロイスやベントレーといった超高級車メーカーや、ランボルギーニ、フェラーリといったスポーツカーメーカーでさえもいつのまにか、しれっと、ラインナップにSUVを用意する時代になっている。
一般的な自動車の姿はセダンではなく、ミニバンかSUVという時代になってすいぶん時間が経った。だがそれは決して悪いことではないと思う。
ペッタンコで地面に座るかのような息苦しいセダン(クーペのセダンとも呼ぶべき、デザイン優先の車も多い)よりも、高いアイポイントで周囲をよく確認できるパッケージングは理にかなっているものと言えるし、格好を優先しすぎた扁平率の高いタイアとホイールを、うっかり路肩で傷つけることのないタイアとホイールは実用としても優れているということもできる。
もちろん世の中に様々な洋服が存在するように、セダンもワゴンもオープンモデルも存在するべきである。ミニバンかSUVばかりになってしまう光景は、やはりどこか偏っている姿である。そんな中、今回の選ばれた全輪駆動車の上位が、X5でもなければQ3でもGLCでもないことは興味深いし、みんなちゃんとわかっているじゃないか、と安堵したというのが正直な気持ちである。
X1から2、3、4、5、6、7まで隙間なく設定したBMWは残念ながら一台も選ばれず、人気を博したのは古い形のままのジムニーであったり、ラングラーであったり、ゲレンデヴァーゲンであった。ディフェンダーだけは時代に即してアップデイトされた姿のモデルではあるが、それでもどこかクラシカルで、シンプルで、昔のモデルを彷彿とさせるところのある車種である。
結局、一番魅力のある車とは、ホンモノの車なのではないか。
クーペ風のSUVとか、スポーツカーの走りを持ったSUVではなく、徹底的にホンモノの悪路走行性能を持つ魅力。今回の結果は、そんな当たり前のことを、きちんと評価し、必要としているユーザーはいつの時代にも必ず存在しているということの証明であろう。

加筆:大林晃平