【動画付き】独占同乗テスト ブガッティ シロン究極のスポーツモデル ピュアスポーツ

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世界限定60台 ブガッティ シロン ピュアスポーツ その「Pur Sport」の凄さとは?

ジェットコースターのようなクルマに乗ったときの率直な感情とは。今回幸運なことに新型ブガッティ シロン ピュアスポーツに同乗走行する機会を得た。文字通りピュアスポーツなブガッティを体験してみよう。

ここはパーダーボルン近郊にある、驚くほど過酷なレースコース、ビルスターベルクだ。
このたびデビューした60台限定、300万ユーロ(約3億6千万円)で販売されたブガッティ シロン ピュアスポーツをこのレースコースでテストしてみた。
ブガッティは大規模なVWグループのブランドであるため、大量生産シリーズモデルに適用される厳格な品質基準がこのスーパーカーの数々の装備や性能にも適用されチェックされる。そして限定であろうと、その仕組みはすべて的確に作動しなくてはならない。

ピュアスポーツは、何よりも第一にドライビングダイナミクスを重視している

最高速度を追求したシロン スーパー スポーツ300+に続き、ピュアスポーツはさらにその上の、敏捷性と最大の操作性を追求している。これはエンジンとトランスミッションユニットだけで800kgもある重さを持つ車では、そう簡単な話ではない。
最高速度? このテストコースではそれほど重要な要素とはならないため、電子制御で時速350km/hに制限されている。
しかし、この決定は一方でエンジニアに多くの自由を与えた。
1.90メートル幅の固定式リアスポイラー、新しいマグネシウムホイール(これだけでシリーズ比16kgの軽量化)、新たに採用されたミシュランのスポーツタイヤ、そして何よりも、2.5度のキャンバーを持つ全く新しいシャシージオメトリー(通常、レーシングカーだけがそのようなネガティブなキャンバーを持っている)によって、彼らはピュアスポーツを内部的に「ロケットカー」と呼ぶことを確実にした。
現在、ピュアスポーツ用の開発車両は2台存在しているが、ジュネーブモーターショーで発表されることになっていた青と黒に塗られたショーカーと今回のモデルとは異なり、私たちのテストカーはまったくマットブラックで、あちこちにセンサーを備えたプロトタイプだった。

空力学的に適切にアップグレードされている。幅1.90メートルのウイングがピュアスポーツのリアを飾っている。

脳は思考についていくことがほとんどできない

理論的には、私は本当にロケットマンになれる数字がスペック表に並ぶ車だ。
今回は助手席にしか乗る都ができなかったが、1500馬力と1600Nm以上なら、おそらく助手席の方がいいのかもしれないとも思った。
助手席に乗るにも義務が課されており、なんと呼吸マスク(コロナ感染予防)とヘルメット(サーキット用)なしでは同乗できないのだった。頭を下げながら、シートの厚いクッションの上をゆっくりとスライドするように乗り込んで、足を後ろに引き、なんとか乗り込むことに成功した。かろうじて呼吸はできる程度に4点式ベルトをきつく締める。

テストドライバーは1速にギアを入れてウォームアップラップに入る。右、左、上り坂 、下り坂 左に長い下り坂、3次元的な立体的なカーブというコンビネーションのスタートからゴールだ。
そしていよいよフルスロットル。最初の高速コーナー手前でブレーキングした時に、シートに自分自身をタイトに縛り付けておいてよかったと実感した。小脳が頭蓋骨の壁の内側を叩いて、頭の中の元の位置に戻る前に、ブガッティはすでにロケットのようなコーナリングパフォーマンスを見せていた。高速コーナーで、ブガッティはほとんど脳が思考に追いつくことができないほど速く進み、どのくらいピュアスポーツがレーシングマシンに近いかたちでリフォームされているかが理解できる。

1500馬力と1600Nmを超えるパワーは、カーブからカーブへと簡単にピュアスポーツを動かす。まさにビーストだ。

ピュアシロンのパフォーマンスは信じられないレベルだ

ダウンフォースを最大化するために設計された他の車とは異なり、ブガッティはコーナー以外でも圧倒的なパフォーマンスを発揮する。音響的にも(レヴカウンターを見ても)、16気筒エンジンは、次のコーナーへと軽快な走りを見せる。ヒス、バブリング、ターボのホイッスルのコーラスは非常にさりげない。
あまりにも強力なGで私の小脳? 今では頭蓋骨の後ろにくっついている。そして、それは楽しみの半分にすぎない。
第2ラウンドでは ドライバーは、ESPを新しい「スポーツ+」システムに切り替え、スタートからフィニッシュまでのストレートをあっという間に駆け抜ける。ステアリング操作はほとんど行わず、アクセルのみで! 8リッターエンジンの軽快な動きとさらに強いGには圧倒される。直線的にパワーが蓄積され、わずかなオーバーステアから、厄介なドリフトまで、あらゆる状況にESPは適格に対応する。
そしてその頃には私の小脳はすでに緊急プログラムに入っていた。
クールダウンラップの後、(車よりもわたし自身のために必要な)ピットレーンに入る。停車した途端にドアを開けて外へと飛び出る。
誰が100万ドル(約1億2千万円)のプロトタイプの車内にゲロを吐きたいと思う?
私は絶対にそんなことはしない。

究極の敏捷性: テストドライバーのスヴェンは、ファストラップ中、ブガッティのステアリングをほとんどフルアクセルで操っていた。

テクニカルデータ: ブガッティ シロン ピュアスポーツ
• エンジン: 16気筒+4ターボ • 排気量: 7993cc • 最高出力: 1500PS@6900pm • 最大トルク: 1600Nm@2000~6000rpm • 駆動方式: 全輪駆動、7速DSG • 最高速度: 350km/h • 乾燥重量: 1900kg • 価格: 3,570,000ユーロ(約4億2840万円)より

幅1.90メートル、固定式リアスポイラー、新型マグネシウムホイール(これだけでシリーズ比16キロの軽量化を実現)、ミシュランのスポーツタイヤ、そして何よりもキャンバー角2.5度の全く新しいシャシージオメトリー(通常、これだけネガティブなキャンバーを持つのはレーシングカーだけ)により、ピュアスポーツは内部的には「ロケットカー」と呼ばれるほどの存在感を放っている。
プロトタイプには様々なデータを得るための測定器やセンサーが装備されている。
60台限定3億円超「ピュアスポーツ」は内部的には「ロケットカー」と呼ばれている。

Text: Stefan Voswinkel
Photo: BUGATTI AUTOMOBILES S.A.S.