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【ドイツの逸品特集】今話題のOBD2スキャナー「Carly ユニバーサルOBDスキャナー」をメルセデスBクラスで試してみた

2023年8月6日

「OBD2診断機」というものをご存じだろうか?ワークショップのプロが修理、整備の際に使うツールだが、非常に使いやすくなって一般用に降りて来た。OBDインターフェイスに差し込む小さなアダプターをスマホアプリと組み合わせてクルマの健康状態をチェックするというものだ。今回は「Carly」というドイツのOBD2診断機を紹介する。お得な割引特典付き!

愛車が故障する時、それは突然やってくる。筆者の場合は最近、外出先で愛車のエンジン警告灯が点灯し、エンジンがストップした。原因はシフトポジションセンサーの故障だった。パーツの交換で済んだが、ストップした時はどこが故障したのか全くわからなかったし、修理にはパーツの在庫がなかたこともあり結構な時間と費用を要した。

これは面白い!

CarlyユニバーサルOBDスキャナーの専用アプリを立ち上げて思わずつぶやいた言葉は「これは面白い!」だった。OBD診断装置を筆者のような一般的な自動車の所有者が使うシーンといえば、点検のお知らせ表示のリセット、点検、修理後のリセットくらいしか思いつかず、わざわざ購入するほどのものでもないかなと決め込んでいた。しかし、これがあれば、先のシフトポジションセンサーの故障のようなことがあっても短時間に安く修理できるかもしれないと思うと、とても魅力的なツールに思えてきたのだ。

Carly ユニバーサルOBDスキャナーはドイツ製

プロユース含めてOBD診断装置の多くが中国のメーカーで中国製だが、Carlyの製品はドイツ製だ。しかもスキャナーは永久保証となっている。

Carly ユニバーサルOBDスキャナーはドイツ製で、永久保証付き。

Carly(カーリー)の生い立ち

2014年にドイツのミュンヘンで設立されたカーリーは、愛車が保持する情報を取り出すためのソリューションを開発するカーテック企業として立ち上がった。

カーリー創業者の一人であるアヴィッド・アヴィーニ(Carly共同創業者兼CEO)が愛車の修理で愛車を持ち込んだワークショップで提示された修理費用の見積りが、愛車の価格を上回る7千ユーロ(約110万円)だったことに疑問を持ち、エンジニアだった彼は自ら愛車のエラーデータにアクセスする。その結果、わずか70ユーロ(約1万1千円)の部品を交換するだけでその不具合が解決することを発見した。この体験が、クルマに詳しくない人でも、安心して愛車の状態を把握して、点検修理やメンテナンスを適切な費用で依頼することができるソリューション開発へと彼を導いた。

https://youtu.be/d1c4pibqy30

Carly ユニバーサルOBDスキャナー(OBD診断装置)

今やクルマは“タイヤがついたスマホ”と言っていいほど電子化が進んでいる。そのおかげで様々な情報をデータ化して集中管理するようになった。つまり、エンジンの出力やトルクの数値をはじめ、バッテリーの状態、各種センサーの状態、点検の履歴などの情報をクルマから取り出す装置がOBD診断装置と呼ばれるものだ。

メルセデス Bクラスの場合はハンドル下にあるインターフェイスにCarlyを差し込んで使用する。

2001年以降に製造された車には、OBD(オンボード・ダイアグノスティックス)インターフェイスが搭載されていて、ここからデータにアクセスする。そのツールが故障診断機(スキャンツール)と呼ばれる装置だ。主にワークショップで使われていて、故障の原因把握、修理、修理の履歴の記録を行っている。極端に言えばメカニックの知識、経験に頼らなくても故障の原因を突き止めて、修理、整備をするためのツールということになる。エンジン、サスペンションの電子制御化をはじめ、メンテナンス記録の入出力ができるようになっていて、クルマの状態をデータ化して保持している。

「問題はどれくらい深刻で、どのようにして解決すべきか?」に応えてくれる

アクセスできるデータは、故障個所をはじめ、燃料消費量、馬力、トルク、加速度、バッテリーの状態などで、定期点検を促すメッセージのリセット、ソフトのアップデートもできる。面白いのは、タイムリーに愛車の状態を把握できることが、こんなにも安心感に繋がるものなのかと思えたことだ。そして、次に整備すべきところが把握できるので、懐事情と合わせて計画できるというこれまた安心感に繋がる。

アプリを立ち上げるとデータが読み込まれる。

カーリーを利用することで、どこにいても故障を読み取ることができるので、“警告灯”が点灯しても、場合によっては慌ててワークショップへ行かずとも済んでしまうため、時間と費用が節約できる可能性があるというわけだ。

データの読み込みはすぐに終わり、愛車の状態をチェックできる。

愛車の細かいデータを把握できるのはいいが、はっきり言ってどのように活用したらいいかがわからないというのが正直なところだ。そこで、Carlyは5つのメニューを作ってデータを有効活用できるようにしている。

・Carly診断
車の状態の全体像を把握する。
・Carlyスマートメカニック
専門家監修のデータベースに対応させて、詳細な修理についてのヒントを提示する。
・Carlyエンジンライブデータ
リアルタイムでエンジンからの数百に上るデータにアクセスして表示する。
・Carly中古車チェック
車の状態を評価できるうえ、走行距離の改ざんがないかチェックできる。
・Carlyメンテナンス
点検、整備のタイミングの把握、必要なパーツ、ツールを提示する。
・Carlyカスタマイズ
車種によってウェルカムライトやアイドリングストップの設定の変更がアプリから操作できる。

上記のように、カーリーは愛車の各種データを把握するだけでなく、クルマの状況、故障の診断から、専門メカニックが手がけた詳細なアドバイスを得られ、その修理方法が確認できる。故障箇所の対処方法を車種ごとに経験値としてデータベース化しているため、必要な純正パーツ、適切な修理方法を知ることができる。

実際のスマホ画面。不具合があればスマートメカニックが対処方法を教えてくれるので慌てる必要はない。

また、愛車にエンジン出力、油温、水温、燃費などの情報を表示する機能がなくても、アプリからリアルタイムデータにアクセスできるのも面白いところだ。さらに、アイドリングストップなど各種機能の設定変更、カスタマイズができる。

CarlyユニバーサルOBDスキャナー活用方法

Carlyは世界中のクルマに対応しているので、愛車のメーカー、車種を選び、WEBサイトで申し込んでカード決済すれば、あとはドイツからCarlyユニバーサルOBDスキャナーが届くのを待つだけ。

無料の「OBD2アダプターCarlyアプリ」は100万インストールを突破している。そして、「ユーザーは修理やメンテナンスにかかる費用を年間最大で2千ドル(約28万円)(2022年10月)節約することができる」というのが謳い文句になっていて、特に、一般人向けに整理されたメニュー構成と、わかりやすいグラフィックが、このアプリの人気の理由だ。スキャナーを購入するだけのLITE版も使えるが、極めてできることが限られるのでプレミアムパッケージとスマートメカニック機能を契約して使い倒した方がいい。

今回はメルセデス・ベンツB220dで実際に使用したが、メルセデス・ベンツでの使用に限った場合の料金は(2023年7月現在)プレミアムパッケージで10,390円だ。専門メカニックによる点検、修理のヒント「Carlyスマートメカニック」の料金4,999円、さらにプレミアムの単一メーカー版を全メーカー版にアップグレードする場合は2,010円となる。また、スキャナ本体を7,990円(送料込み)で購入して基本のOBD機能だけを見ることもできる。他のOBD2診断機の多くが比較的安価な買い切り形式なので、違和感を覚える人もいるかもしれないが、Carlyは自らを「ソリューション開発企業」と言っているように、得られたデータをフル活用するためのデータベース構築、アプリ開発を行っているところが他社と違うところだ。クルマの情報、修理情報のアップデート、アプリのアップデートがされていくこともあり、料金がサブスクになるのは納得できる。

結論
現状、愛車の健康状態を把握するのは難しい。エンジンが止まった、異音、異臭を感じたときに故障を察知することができる程度だ。それも人の五感に頼らざるを得ない。それが、Carlyスキャナを使うことでエンジン、バッテリー、などのあらゆるところの状態をいつでも、どこでもスマホで見ることができるようになる。把握することが難しかったクルマの健康状態を知ることができるので、一気にクルマとの距離感が縮まった感じである。新しいクルマとの付き合い方と言えるのではないだろうか。

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(有効期限2023年11月30日)

Carly公式サイトはこちら

Text&Photo:アウトビルトジャパン