プラモデルはやっぱりオモシロイ

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模型を組み立てたことのない男子はぜひ一度やってみて! はまるよ!

プラモデル作り50年の少年の思い出

わたしはプラモデル(クルマと戦車)と旧い自動車(特にアルファロメオ)を愛してやまない1961年製の極めて平凡な男(少年)である。
わたしが幼少の頃は、男の子の大半がプラモデルを作っていた。多くのわたしの年代や、あるいはわたしより上の年代の人たちも一度は模型を組み立てた経験があったと思われる。
ところが最近は、プラモデルを作ったことがない男子が多いと聞く。
嗚呼、なんと嘆かわしい!

そこで、プラモデルの面白さを再発見してもらいたいという切なる願いをこめて、駄文ではあるがプラモデルへの思いをつづってみた。
また今のこの苦難の時期だからこそ、プラモデル作りをお勧めしたい。

プラモデルの楽しさ

わたしが最初にプラモデルに興味を持ったのは、1960年代にテレビ放映された「サンダーバード」(国際救助隊の活躍を描いたイギリスの人形劇ドラマ)に出ていた「サンダーバード2号」を欲しいと思ったことからだ。
その欲求を満たすために、プラモデルを購入し、一生懸命作って遊んだのだった(祖父にねだって買ってもらった)。
それは今でも同様に好きなクルマを手元に置きたい、という気持ちがプラモデル製作をさせているのかもしれない。
わたし見ではあるが、基本的にクルマのプラモデル作りはいかに実車のように再現するか、がポイントであると思う。
むろんこれ以外にも楽しみ方は様々ある。実車にはないボディカラーに塗装しても良いし、マイカー仕様に再現しても楽しいのだ。ちなみに最近、錆びたクルマを作ってみた。
楽しみ方は十人十色で、自分の思うように楽しめばよいと思う。そう考えることによって、プラモデル作りを始めてみようと思う方も、再開してみようかと思う方もハードルは低くなるのではないかと思う。

つい最近、友人が実際に所有している、錆びたシトロエンDS19を再現してみた。
シトロエンDS19 エレール製 1/43

必要な工具

基本的に組み立てに必要な工具はたったの5つ。
1:ニッパー(プラモデル専用)、
2:デザインナイフ、
3:ピンセット
4:ピンバイス
5:ヤスリ(スティックタイプ)。
以上がわたしの使用している基本的な工具類だ。
5点合計で、約6000円程度で購入できる(他に「ハ〇キルーペ」のようなルーペがあると便利)。
他には、セメント(接着剤)、瞬間接着剤、塗料、筆(塗装用)、サーフェイサー(下地用塗装)、コンパウンド(塗装面を磨く)などが必要とされる。

それほど特殊な工具は所有していないし、必要としない。
左上から、瞬間接着剤、セメント(接着剤)、
左下から、マスキングテープ、ヤスリ(スティックタイプ)、ニッパー、ピンバイス、ピンセット、デザインナイフ、ピンセット(逆作動タイプ 握ると先端が開く)

プラモデルの塗装について

クルマのプラモデルの製作が成功するか否かは、ボディの塗装に左右される。
艶のある美しい塗装のボディに仕上がれば、その作品はほぼ成功したと言える。
わたしの場合、ボディ塗装には主にラッカー系缶スプレーカラーを使用している。したがって自分で調合した塗料での塗装はできないが、とにかく手軽に作業ができる。
やり方は人さまざまだが、わたしが行っている塗装方法を説明する。
まずボディのパーティングライン(パーツを成型する際に、分割された金型の隙間にできるライン)をデザインナイフやヤスリを使って削り取る。
その後、家庭用中性洗剤でパーツに付着した油分を洗い落とす(油分が付着したままだと塗装後の発色が悪くなる)。
よく乾燥させてから、サーフェイサースプレーで下地塗装を3回程度に分けておこなう。この下地塗装はその後のボディカラー塗装の発色に影響するので省略しないほうが良い。例えば黒く成型されたパーツに、直接ホワイトの塗装をしようとしても、美しいボディの発色は得られない。
そしていよいよボディカラー塗装を開始するのだが、湿度の高い日は避けることをお薦めする。湿度が高いとなかなか良い艶が出ないのである。
また、埃(ほこり)も禁物である。ボディ塗装する直前に事務用エアスプレー等で埃を吹き払うことが必要である。せっかく綺麗に塗装しても埃が付着していてはガッカリする(コンパウンドなどで落とす方法はあるが)。
ボディ塗装しやすいように使用済みのペットボトル容器などを両面テープで付けて自分の好きなカラーを吹き付ける。

多分、こんなカラーリングは実車にはない(はずだ)。でも自分の「夢の」カラーを自由に実現することができる点こそが、醍醐味なのである。

その際の注意点は、一箇所に吹き付けずに直線的に缶スプレーを動かしながら塗装することだ。そうしないと一箇所に多量に吹き付けられた塗料が流れ出すのである。
ボディカラー塗装も下地塗装同様に、3~4回程度、塗装と乾燥を繰り返す。乾燥時間は長いほどいいのだが、最低でも1回あたり1~2時間はかけたい。
1回目の塗装は奥まったような塗装しづらい箇所を中心におこなう。全体をくまなく塗装しなくても構わない。2回目で塗り残しがないようにして、そして3回目、4回目と進める。3回目頃から、より艶が出始める。
その後、2日間以上かけて乾燥させる。その間にエンジン、シャーシ、内装等の塗装、組み立てといったボディ塗装以外の作業を進める。
乾燥させたらコンパウンドを使ってボディ塗装面を磨く。
粗目⇒細目⇒仕上げ目と段階に応じたコンパウンドを使って作業するのだが、大事なことは凸凹部分の凸部分を磨くときに細心の注意を払うことが必要だということだ。思った以上に簡単にはがれて、下地が表われてしまうのである。長時間の作業を考えればその時の落胆は非常に大きい。
ここまで進めて納得できたら、クリヤースプレーでクリヤー塗装をこれまでと同様に3回程度で行う。「研ぎ出し」という高等技術もあるが、わたしはおこなわないのでここでは紹介しない。
実を言えば、わたし自身、塗装が綺麗に仕上がるか否かは、作業してみないとわからないのである。そういうところも楽しみではあるが、とにかく実践あるのみである。

使用する塗料等: 左から事務用エアスプレー(埃払い用)、ラッカー系溶剤、エナメル系溶剤、サーフェイサー、ラッカー系カラースプレー、ラッカー系塗料、エナメル系塗料。

紹介したいプラモデル

今回は「アルファロメオ アルフェッタ1950」と「タルボラーゴ グランプリ1949」を採り上げたい。

両キットとも「SMER」というチェコのメーカー製でスケールは1/24である。あまり馴染みのないメーカーであるが、飛行機のプラモデルがメインのようだ。
わたしがこれらのキットを入手したのは、ネットショップで、たまたまアルファロメオのプラモデルを発見したのでポチっとしたのだ(わたしにはアルファロメオという文字を見かけると購入してしまう習性がある)。価格が1500円だったこともあり、あまり期待しないで届くのを待っていた(価格はショップによって異なる)。
数日後、届いたパッケージを開けたとたんに、「これは完成しないな」とつぶやいてしまった。それほど第一印象は酷かった。

なぜこれほどランナーが太いのか?
完成した姿が想像できないほど稚拙で雑な第一印象であった。

パーツ総数は43個と少なめだが、国産キットと比較すると、完成させるのに苦労させられることが予想された。
ま、いつか作ってみようと考えて、しばらく置いてあったが、暇をもて余した時に作り始めたら、夢中になり始めた。説明書通りに進めると、まずエンジン本体の製作である。なんと1,500円の輸入キットにエンジンが付いているのだ(国産キットでもエンジン付きは数千円する)。

この状態では、どう見てもエンジンには見えないがランナー下部の9個のパーツでエンジンを再現することになる。

しかもパーツの合いも比較的良く、アレッアレッという間にスムーズに完成した。時々輸入キットを製作するが、理解できないパーツ分割だったり、接着面がないのに強度が求められる接着が必要だったりする。だがこのキットにはそんなことがなかった。
完成すると本当に感心してしまった。初心者にも勧められるキットである。
同シリーズにタルボもあったので、後日購入し製作した。こちらもエンジン付きでなかなかのクオリティであった。

スポークホイールに見えるかな?

オリジナリティを感じたのは、スポークをけがいた(円形の透明パーツにスポークを再現する為に傷をつけた)透明パーツをホイールに装着すると、ちゃんとスポークホイールになることだ(スポークホイール風に見えるというレベルだが)。昭和の頃のプラモデルだと推測されるが、懐かしくも感じられた。

これがスポークとは⁉
ところが組み合わせると、上の写真のようになる。

わたしは艶があり綺麗なボディ塗装を理想としているが、エンジンやトランスミッション等の塗装は使い込まれた感の再現に努めている。主に戦車のプラモデル塗装などに使われるテクニックで、「ウェザリング」と云われる手法である。
ラッカー系塗料でエンジン本体等を塗装し乾燥させた後で、エナメル系の艶消しブラックを非常に溶剤で薄めた塗料を全体に塗装するのだ。つまり、「艶消しブラック」に溶剤(塗料を薄めるもの)を混ぜて、薄くして塗装するということで、乾燥後、下地塗装が黒っぽくなる。すると特に凸凹の凹部分がブラックに染まる。また乾燥後に凸部分は少し溶剤を含ませた綿棒でブラック塗装を拭き取るのである。すると、なかなか良い感じになるはずだ。一度お試しあれ。
なお大事な注意点がある。エンジン本体の塗装は必ずラッカー塗料でおこない、薄いブラック塗装は必ずエナメル系塗料でおこなうこと。逆におこなうと塗装がすべてラッカー系塗料に侵されてしまうのだ。

最後に

国産キットばかり作っていると、今回のように輸入品の作品は多少違和感がある。しかし、すごく楽しいのだ。なんだか実車の世界と通じるものがあるように思う。
わたし見ではあるが、国産キットは万人受けするような車種選択で、製品としてのクオリティも高い。しかし輸入キットには驚かされるような車種が販売されていたりして、製作中に思わず笑ってしまったものもあった。今後、機会があれば紹介したいと思う。
以上、購読していただいたことに感謝すると同時に、「プラモデルやってみようかな」、「どのプラモデル作ろうかな」とか、楽しく想像してもらえば幸いである。

全パーツあわせても、たったの43個しかないのだ。
どこまで完成度にこだわるかは、人それぞれだが、せっかく作るのだから、それなりに手間はかけたい。
メーターパネルでさえ、ちゃんと再現されている。ステアリングのウッドの部分も本物のようだ。

メーカー名 SMER
スケール 1/24
製品名 Alfa Romeo Alfetta 1947年
TALBOT LAGO 1947年

シリーズでパッカードやロールスロイスもあるらしいが、ネットを見ても発見出来ていない。見つけた方がいらしたら、ぜひ教えてほしい。

Text & photo: 桐生呂目男