【チューニング特集その5】ゲレンデバーゲンが900馬力? ブラバスがチューンナップした更に高性能なメルセデスAMG G 63登場!

1534
- Advertisement -

ブラバスが45歳の誕生日を迎えた。その記念に、あらゆるパーツをブラックアウトした900馬力の極悪メルセデスAMG G 63が用意された。

ブラバス、誕生日おめでとう! 今年、2022年に45周年を迎えた伝統のチューナー。独ボットロップに本社を置く同社は、自分たちを祝うために、そしていわば顧客への「プレゼント」として、Gクラスの特別仕様車として「900スーパーブラック」を発売する。その名の由来となったエンジンパワーに加え、ワイドボディキットや、どんなブラックメタルバンドよりも多いブラックメイクを施しているのが特徴だ。そして、もっと大きな音も備えている。

排気量4.4リッターに拡大

ルックスの前に、ブラバスには欠かせない駆動技術を見ておこう。通常、「AMG G 63」は、最高出力585馬力、最大トルク850Nmの4リッターV8ツインターボを搭載している。そのエンジンを、最高出力900馬力、最大トルク1250Nm(!)まで引き上げるには、単なるソフトウェアの最適化だけでは不十分だったのだ。ブラバスが手を入れ、排気量を3982ccから4407ccにまで拡大した。このため、シリンダーは直径84mmにボアアップされ、鍛造コンロッドを含むオーバーサイズピストン、100mmストロークのミルドフィンレンスクランクシャフトが装着された。

最高速度280km/hがブラバスのGクラスの性能だ。

専用のラムエアインテークシステムは、コンプレッサーホイールが拡大され、軸受けが強化された新型ターボチャージャーに空気を圧入し、ブローオフバルブを介して余分なブースト圧を大気中に放出する。噴射、点火、ブースト圧は新たにチューニングされたエンジンエレクトロニクスによって制御され、新しい高圧燃料ポンプによって一定の燃圧が確保される。V8サウンドは、黒く塗られたステンレス製テールパイプの脇から漏れ、スポーツダウンパイプの金属製触媒コンバーターと新しいOPFでわずかに濾過されるはずだ。最大45mmのローダウンと、減衰力調整が可能な自社製コイルオーバーサスペンションは、コーナーでの車のまとまりを良くしている。

最高速度280km/h

そして、その努力は報われたのだろうか? なんと! 2.6トンの巨体は3.7秒で0から100km/hまで加速する(標準モデルは4.5秒)。装備やタイヤにもよるが、「ブラバスG」の最高速度は280km/hにとどまり、標準モデルの最高速度240km/hを明らかに上回っている。フロントは295/30、リアは355/25の大径タイヤで、10インチと12×24インチのホイールに装着され、路面へのパワーを供給する。

アンダーライド防止用として使用しないで! スカートのセンター部分は、一見ごつそうに見えるが、繊細なカーボンでできている。

全体が黒

このホイールは「モノブロックZプラチナムエディション」と呼ばれ、ブラックで仕上げられている。ワイドスターボディキットは、ボディ幅を10cm広げ、ダークカーボンのインサートが入ったよりスポーティなスカートを装備している。織り込まれたカーボンファイバーは、イルミネーションロゴ付きグリル、トリム、ドアハンドル、スペアホイールカバー、ボンネットエクステンション、ルーフのLEDデイタイムランニングライトバーなどにも採用されている。さらに、クロームメッキのトリムパーツやレタリングはすべてブラックアウトされている。「Gクラス」がこれほどまでに苦々しい邪悪な姿になったことは珍しい。ボンネットの下には、赤いカーボンファイバー製のエンジンカバーが装着され、唯一の色彩を放っている。

より実用的なドアヒンジ

ブラバスは、レザー、装飾ステッチ、カーボン、ブラッククロームのトリムを多用し、インテリアをさらにグレードアップしている。

インテリアもダークカラーで、特に柔らかいブラックレザーでほぼ全面が覆われている。また、シート、ドアパネル、フロア、トランクに特別なキルティングが施されている。動物の皮で覆われていない部分は、カーボンやダーククロームのトリムで飾られている。300km/hまでのスピードメーターが、フロントのパワーアップを証明する。実用的なディテール: ブラバスは新しいドアヒンジを取り付け、ポータルが90度まで大きく開くようになり、乗り込みが容易になっている。

50万ユーロ(約7,000万円)を超える価格

ブラバスを知り、絶妙な成分を天秤にかける人なら誰でも、「この面白さは決して安くはないはずだ」と疑うだろう。511,959.42ユーロ(約7,170万円)が、今回紹介した車両の価格であり、ベースとなる「Gクラス」は現在、中古車市場でとんでもない価格で販売されている。だから、この記念すべき「Gクラス」は、「誕生日プレゼント」というには、なんだかちょっとふさわしくない。

Text: Moritz Doka
Photo: Brabus