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【ニューモデル情報】カウンタック50周年記念モデル ランボルギーニ カウンタックLPI 800-4

2022年1月9日

公式発表: ランボルギーニ、伝説のカウンタックをオマージュしたモデルが誕生!50年の時を経て、ランボルギーニはカウンタックのニューエディションを発表した。814馬力のV12ハイブリッドを搭載し、価格は200万ユーロ(約2億6千万円)以上!のスーパーカー。ドイツ初上陸のショーカーをレポート。

70年代から80年代にかけての「ザ・ポスターカー」、「ランボルギーニ カウンタック」である。
全高わずか1.07メートルの平らなウェッジの写真は、数え切れないほどの子供部屋の壁に飾られ、今日まで「ミウラ」の後継車は伝説となっている。
誕生から50年を記念して、イタリア人は、カウンタックのニューエディション、少量生産シリーズを112台限定で発売する。

この超限定特別モデルは、ハイブリッドドライブを搭載すると同時に、50年前にデビューしたオリジナル「カウンタック」へのオマージュでもある。
今回、「カウンタックLPI 800-4」がドイツで初めて公開され、我々はそのスーパースポーツカーをじっくりと観察してみた。

ランボルギーニ、カウンタック誕生50周年を祝う

1971年、ベルトーネのデザイナー、マルチェロ ガンディーニがデザインした「カウンタック」がジュネーブモーターショーで初めて一般公開され、訪れた全ての人々の目をくぎ付けにした。
当初、量産化は予定されていなかったが、現在でも未来的な外観を持つ「カウンタック」は、大衆の熱狂を呼び起こし、創業者のフェルッチオ ランボルギーニがすぐに走れるプロトタイプを製作させたという。
それからわずか1年後、「カウンタック」のシリーズ生産の開始が決定された。しかし、ランボルギーニは同時に「ウラッコ」の開発も行っていたため、1974年に最初のカスタマーカーが納車されるまでにはしばらく時間がかかった。
「カウンタック」は、そのデザインによってスーパースポーツカーの伝説となり、1990年まで、ランボルギーニのどのモデルよりも長く、数多くのバージョンでラインナップされ続けた。

オリジナル: 発表から50年経った今でも、初代ランボルギーニ カウンタックは近未来的な印象を与える。

そして今、新しい「カウンタック」が登場した。
ランボルギーニのボス、ステファン ヴィンケルマンは、「このクルマは私たちにとって画期的なものです」と述べるとともに、「初のハイブリッドスーパースポーツカー、先代と同じく現代の先見性を持ったクルマ」だと語る。

ニューエディションはレトロカーという意味ではない

「カウンタックLPI800-4」の走りと同じくらい重要なのは、もちろんそのルックスだ。
「初代カウンタックは、他のどのモデルよりもランボルギーニのDNAを形作っています」と、ランボルギーニのチーフデザイナーのミッチャ ボルケルトは説明する。ニューエディションで特に苦労したのは、単にレトロなクルマを作ることではなく、2021年のカウンタックを創造し成立させることだった。
そしてその結果は成功以上のものとなった。

全長: 4.87メートル
全高: 1.14メートル
全幅: 2.10メートル
シザースドア
電話機風ホイール
六角形ホイールアーチ
フォールディングヘッドランプなし

まず正面から: ランボルギーニの現行モデル同様、カウンタックもシャープに描かれている

「アヴェンタドール」と比較すると違いは明らかで、超薄型のラジエーターグリルには、「カウンタックLP500」へのオマージュであるカウンタックのレタリングが控えめに施されている。
しかし、オリジナルの特に特徴的な点は、現代に受け継ぐことができなかった。それは「カウンタック」のフリップアップヘッドライトのことで、ターンランプの上のヘッドライトの中に2つの丸いライトが隠されていたのだ。
現代の安全規制により、フリップアップヘッドライトを搭載した新車のホモロゲーションは不可能。今回の少量生産のランボルギーニも例外ではない。
そこで、ミッチャ ボルカートのチームは、ヘッドライトを折りたたんだオリジナルのカウンタックの外観を模倣することにした。
「LPI 800-4」は、細いヘッドライトの下に細いデイタイムランニングライトを装着している。

新型カウンタックのフロントは、アヴェンタドールよりも角張ったデザインになっている。

横顔も、新型「カウンタック」はオリジナルに非常によく似ている。
ドア裏の大きなエアインテーク、いわゆるNACAダクトは、初代カウンタックと同様に、視覚的にドアの中まで延長されている。
その上には、初期の「カウンタックLP500」を彷彿とさせるスラットギルを装着し、新型カウンタックのルーフにはボタン一つで、透明な屋根が不透明になるようにできている「ペリスコピオ」がある。

もちろん、六角形のホイールアーチや伝説的な「ダイヤル風」ホイールも見逃せない。
しかし、新型カウンタックのホイールは20インチまたは21インチとかなり大きくなっている。これは、2011年から販売されている「アヴェンタドール」をベースとしたニューエディションであるから仕方ない。
イタリア側はプレスリリースでは触れていないものの、シザースドアを開けると、カーボンボディの下にV12フラッグシップのモノコックがあることが明らかになる。
というのも、1974年、カウンタックはドアが上に開く最初のランボモデルとなり、V12ランボはすべてシザースドアがトレードマークになるのだ。

新型カウンタックに座る

ランボルギーニのシザースドアを開けるのは、飽きることのないスペクタクルだ。少し練習すれば、乗り降りもスムーズとなる。
真っ赤な内装では、「アヴェンタドール」との関係がより鮮明になる。
「カウンタック」は走れる状態にないショーカーだが、インテリアは市販車と同じだ。
残念ながら、ダッシュボードと「シアン」から取られた大型タッチスクリーンが機能していないことだ。
ミッチャ ボルケルトは、「私たちは、グループから最高のマルチメディア、例えばアウディの音声認識などを得ています」と言い、「しかし、ドライバーがあたかもパイロットになったかのように感じられるよう、インターフェイスを再プログラムしています」と説明した。

インテリアは、アヴェンタドールからほぼそのまま引き継いでいる。シアンのタッチパネルも搭載している。

「カウンタック」のスペースは1.85mまでの人には十分だが、背の高いドライバーには、頭上のスペースが窮屈に感じられるかもしれない。
通常の「アヴェンタドール」では、乗員は「アルカンターラ」とカーボンでできた洞窟の中にいるような感覚だが、ペリスコピオと呼ばれるルーフのガラス窓はボタン一つで透明にできるので、その印象を幾分和らげてくれる。
ランボの赤いレザーインテリアは、確かに万人受けはしないかもしれないが、「カウンタック」の初期モデル(クワトロバルボーレなど)からインスピレーションを得ており、白い塗装との組み合わせで、純粋な80年代フィーリングを醸し出している。

カウンタックLPI 800-4のハイライト:
6.5リッター自然吸気V12、780PS/720Nm
トランスミッションに直結した48Vの電気モーター
システム出力: 814馬力
0-100km/h: 2.8秒
0-200km/h: 8.6秒
最高速度: 355km/h
乾燥重量: 1,595kg
パワーウエイトレシオ: 1.95kg/PS

発表当時、「ランボルギーニ カウンタック」は、ビジュアルだけでなく、技術的にも絶対的なマイルストーンであった。
先代の「ミウラ」とは異なり、「カウンタック」のV12は縦置きに搭載されていたため、LP(Longitudinale Posteriore=リア縦置き)と呼ばれるようになった。
3.9リッターV12エンジンは当初375馬力、最もパワフルな「LP5000S QV」と「25th Anniversary」モデルでは455馬力までパワーアップした自然吸気5.2リッターV12エンジンを搭載している。
新型「カウンタック」は63台限定の「シアンFKP37」で実績のある6.5リッターV12で、新型特別仕様車「アヴェンタドール ウルティマエ」と同様に780馬力を発生するが、それを支えるのは7速ISRトランスミッションに直結した48ボルトの電気モーターで、34馬力を発生させる。これにより、合計814馬力を実現している。
厳密に言えば、「カウンタック」は「LPI 814-4」と呼ぶべきだが、イタリア人は「LPI 800-4」という表記で少し簡略化してしまった。

ルーフに埋め込まれた窓。

全長4.87m、全高1.14mのカウンタックのボディはすべてカーボン製で、複雑な技術にもかかわらず、車重はわずか1595kgしかないのである。
その結果、パワーウエイトレシオはわずか1.95kg/PSを実現している。
「カウンタック」が静止状態から時速100kmまでわずか2.8秒で加速するのも不思議ではない。
0-200km/hはわずか8.6秒、355km/hが最高速度となる。

新型「ランボルギーニ カウンタック」のベース価格は、239万ユーロ(3億1千万円)だ。
ランボルギーニは、色でオリジナルへの橋渡しもしている。
新型カウンタックには、「インパクトホワイト」、「ジャッロカウンタック」、「ヴェルデメディオ」といったヒストリカルカラーが用意されている。
これらの色が気に入らない場合は、現在のカラーパレットから自由に選択することができるようになっている。
新型「カウンタック」が112台限定なのはなぜかというと、初代「カウンタック」の社内呼称が「LP112」だったからだ。

ランボルギーニは、2022年の第1四半期から、最初の顧客が「カウンタックLPI 800-4」を手にすることになると踏んでいる。そして、112台すべてが完成し、2022年の終わりまでに、顧客に引き渡される予定だ。
単価は2,010,000ユーロ(約2億6千万円)を下回ることはないだろう。
ドイツでは、「カウンタック」は2021年には239万ユーロ(約3億1千万円)になった。これは同じく限定車である「アヴェンタドール ウルティマエ」の約5倍にあたる。しかし、それでも購買意欲は衰えないようで、ペブルビーチで開催されたカーウィークでの公式発表では、2021年型「カウンタック」はすでに完売していた。
新型「カウンタック」もポスターカーとしての資質を備えているかどうかは、これから数十年後にわかることだろう。

スーパースポーツカーの中のスーパースポーツカー、それはやっぱり「ランボルギーニ カウンタック」である。それはこれからどんなスーパーカーが出てきても変わらないと思う。その一番の魅力は言うまでもなくその形で、この「カウンタック」の前では他のどんな車も(スタイルでは)敵わないと思う。
70年代に「スーパーカーブーム」が起きたが、真のスーパーカーとは「カウンタック」のことだった。道路を駆け抜け、そのまま宇宙の果てまで飛んで行きそうなフォルムを身に備えていた。
そういう観点からすると、今回の「LP800」はなかなかいいところに行っており、昔のカウンタックを髣髴とさせながらも、新しい雰囲気も持っており、その内容も現代にふさわしいものである。さすがに価格は驚くほど高いが、欲しい人には関係ないことだし、完売したということは、すでに「カウンタック」を持っているようなオーナーが、その隣に置く様な形で購入したのであろう。
しかし、では昔の「カウンタック」をこのクルマが超えているかというと、それはやはり無理な話で、新鮮さもインパクトも魅力も、昔の「カウンタック」の前では色あせてしまう。そもそも、こういうリメイク版がオリジナルを超えることはできないものなのである。

Text: Andreas May und Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: Automobili Lamborghini S.p.A.