【このクルマなんぼ?】この走行距離46万2千kmの1989年製メルセデス560SELブラバスのお値段は?

2025
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バーンファインディング(納屋の奥で見つかった)メルセデス560SELブラバス(1989)。走行距離462,000km、5番目のオーナー、大雑把な歴史、しかし、それでもまだコレクターズアイテムだ。そんなブラバスがeBayに出品販売されていた。

ドイツの道路では、電気自動車やプラグインハイブリッド車、小型SUVなどが画一的に走っているので、あまり気分が乗らないのでは?
そんなあなたには、この「メルセデス560SELブラバス」がお勧めだ。
ブラバスオリジナルのボディキットが、マフィアのようなルックスを演出し、5,547ccのV8(279馬力)がクルマを強力に推進させる。
この特別なメルセデス560SELは、80年代のドラッグディーラーのマネーロンダリングのライフスタイルの幻想を完全に再現することができる。
そのためには、Notorious B.I.G.のカセットをスライドさせて、夜通しクルーズするだけだ。
しかし、これを入手し、走らせるためには、かなりの愛が必要となる。

「W126」は、スピードメーターに、462,711kmという走行距離が刻まれており、その上、コンクールコンディションにはほど遠い状態だ。
それは、この車の人生が波乱万丈だったからだ。
売り手によれば、1989年に製造されたロングホイールベースバージョンの「W126」は、1994年に英国に輸入されたとのことで、左ハンドル車である理由も説明されている。
しかし、それ以上の歴史についてはほとんど知られていない。
現在のオーナーは、2020年に、「560 SEL」を、道を選ばない趣味の車として、eBayで購入した。
それ以来、このベンツにはかなりの投資が行われたが、趣味の車であることに変わりはない。
燃料ポンプとスロットルバルブを交換し、インジェクターを洗浄したおかげで、すでに自分の力で走ることができるようにはなっている。
しかし、それでも新しいオーナーは、当分の間、長距離を走らない方がいいだろう。
というのも、このブラバスは車両検査を受けていないことに加えて、燃料ラインから燃料が漏れているからだ。

ブラバスは、「M117」と呼ばれる、自然吸気のV8エンジンに手を加えていない。触媒コンバーターを搭載し、279馬力を発揮する。

走行距離462,711kmの560SELは5人目のオーナー

5人目のオーナーが2020年のメルセデスを購入する前、希少な「ブラバス」は、2006年から納屋に眠っていた。
前オーナーの会社が破産を申請したため、「W126」は、破産財団の一部となったが、それが何となくこのクルマのイメージに合っている。
このベンツは、この14年間を、ちゃんとメンテを受けて過ごしてきたわけではないので、多くの作業、時間、そして多額のお金が必要だ。
良い点としては、売り手が何かを隠そうとせず、正直に話していることが挙げられる。
ボディのほぼすべての部分に、傷やへこみ、ひび割れなどのダメージがあり、錆も問題だ。
加えて、ブレーキやタイヤの交換も必要で、技術的な投資も多く必要だ。
改めて強調したいのは、小手先の修理と、少ない財布で車検を通るようなクルマではないということだ。
このプロジェクトには、たくさんの作業が必要となることだけは間違いない。
だから、マフィアルックのベンツが、過去32年間のどこかで事故に遭っているということも、ほとんど些細なことなのだ。

50万km近い走行距離の割には、インテリアはきちんとした印象を受ける。

この「560SELブラバス」は、哀れな状態で、歴史も浅く、走行距離も50万km近いにもかかわらず、なぜ我々がこの車をレポートするのか?
それは、この状態でも、コレクターズアイテムだからだ。
通常の「560SEL」でさえ、最近では珍しく、オリジナルのブラバスコンバージョンは、ほとんど存在せず、あったとしても非常に高価だ。
ボディカラー「ブルーブラック」の16インチマルチスポークホイール、コンプリートボディキット、300km/hスピードメーター、大型ブレーキシステムなど、多くの希少なオリジナルパーツを含む本物のブラバスだが、落札金額は48入札12,850ポンド(約200万円)だった。
コレクターズアイテムであればどんな状態でも値段が付くという好例だ。

ブラバスは保存に値する

また、「W 126」には良い面もある。
例えば、ブラックレザーのインテリアは、462,711km走行しているにもかかわらず、きちんとした状態を保っており、加えて、ベンツの「SEL」型には、電動サンルーフ、電動調整式フロントシート(メモリー機能付き)、左右非対称のヒーテッドドアミラーなどの装備が充実している。
オリジナリティを求めるファンのために、トランクリッドには、正しい空気圧を記したブラバスのステッカーまで残っている。
状態が悪いとはいえ、この希少な「W126」は、その希少性と、オリジナリティから、リビルドされるに値するものだ。
そのためには、多くの作業と資金が必要となるが、少なくとも、「560SELブラバス」で、Notorious B.I.G. “Big Poppa”に乗りつけすることができれば、その苦労も報いられるだろうか・・・。

ブラバス・・・。懐かしい、というと昔のブランドに思われてしまうが、まだブラバスはちゃんと今でも存在していて、ちょっと前まではスマートにも設定があったし、今でもメルセデス・ベンツの有名なチューンアップメーカーとして君臨している。
そんなブラバスの最盛期というのは、やはり日本のバブル期に存在した「W126」とか「W124」をチューンしたモデルで、今回の「W126 560SEL」などは、まさにその代表格である。だがいくら代表格であったとしても、46万キロも走ってしまっていたとしたら、劣化や疲労していることは言うまでもなく、今後所有し、きちんと走らせるためには、相当な努力と金額が必要になるだろう。
そこまでして、このクルマに乗りたいかというと、正直当時のメルセデス・ベンツSクラスが好きな私でもかなり躊躇してしまうし、その金額に見合うだけの価値があるかというと・・・、なかなか難しい。
よほどブラバスと「W126」に想い入れのある人にも、今回の一台は薦められない、というのが私の正直な感想と意見である。

Text: Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: @eBay/ricciuk2015

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