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日米ピックアップトラック4台対決 フォード対トヨタ対いすゞ対日産 その意外な比較テスト結果とは?

2021年8月14日

日産は、ルノーの商用車用ディーゼルを7速オートマチックと組み合わせている。その結果、走行性能はまずまずだが、オートマチックは不必要にシフトダウンすることが多い。しかし、他のいずれのモデルも、リアに唯一ディスクブレーキを装備している「ナバラ」ほどのブレーキ性能はない。
実用的: スライドラッシングシステム(パッケージ価格723ユーロ=約9万5千円、「テンカ(Tekna)」から上のバージョンには標準装備)。
がっかりしたこと: 唯一、リアにコイルスプリングを採用しているが、それでもまだ快適性は向上していない。
サンルーフは標準装備されているが、室内の高さを要し、ステアリングホイールも高さ調整しかできない。「ナバラ」は安価で、2年に1度の整備で済み、5年間の保証が付いている(どちらもいすゞと同じ)。

第2位 800満点中447点: 日産ナバラ2.3 dCiドカ(38,450ユーロ=約507万円より)
トップブレーキを搭載し、価格と性能のバランスがとれている。

「ラプター」でお馴染みの231馬力ディーゼルと、独自の10速オートマチックの組み合わせにより、重量が最も重いにもかかわらず、最もキレの良いスプリントを披露する。「レンジャー」の乗り心地もピックアップ特有のものだが、サスペンションは他のモデルに比べて硬くなく、電気機械式のステアリングは比較的ダイレクトでリニアだ。
後部座席の快適性は、いすゞよりもさらに優れている。
アンダーライドガードもスチール製だが、トヨタのものよりも薄い。
実用的: プラットフォーム上のレールに設置されたスペースディバイダーシステム(1,900ユーロ=約25万円の追加料金)は、荷物を縦方向に支える。テールゲートはスプリングスチールで多少は支えられている。ルーフレールはフォードと日産にのみ標準装備されている。

第1位 800満点中461点: フォード レンジャー2.0エコブルー ドカ(44,815ユーロ=約590万円より)
弱点はほとんどなく、唯一の欠点は、そこそこの期間と内容の保証だ。

結論:
トヨタが最下位?
その通り。
不滅のイメージがあるからこそ、高いポイントはあげられない。
「ハイラックス」は高価で、他のモデルよりも一世代古い印象を受ける。
通常のピックアップの欠点は、「レンジャー」が最も目立たない。
フォードがこのモデルに何度も投資したことが報われた。

日本にあまりなくて、なんとも残念な車、それがこのピックアップトラックである。
トヨタと三菱から発売はされているものの、まだまだ少数なことが個人的には寂しい。軽トラックがあり、ここまでの大きさのピックアップトラックが普及しにくいという理由はあるが、もう少し普及しても良いとは思う。
さて今回、王道の一台であるはずの「トヨタ ハイラックス」がビリになってしまったが、まあ内容や年代などを考えれば仕方ないなという気持ちもある反面、頑張れ!と応援したくもなった。
おそらくこの4台で、最後まで壊れたり止まったりせずに、タフに働き続ける選手権があったら、「ハイラックス」は勝者になっていたような気もするし、日産だってその面では負けていないだろう。
それでも勝者になったフォードと比べると、ちょっと新鮮さや魅力的な内容という意味では劣っていたことも否定できない。「F150」ほどではないにせよ、それほどフォードのピックアップトラックは魅力に満ちた存在であり、これこそが魅力あるアメリカ車なのである。いつの時代もアメリカの日常に欠かせない自動車、それがこのピックアップトラックなのである。
だからこそ、かつてバックトゥザフューチャーの最後に出た「あのハイラックス」のように、ここ一発、トヨタにはより魅了的なピックアップトラックを開発して、フォードとガチンコ勝負をしてほしい。

Text: Rolf Klein, Mirko Menke
加筆: 大林晃平
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD